ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
戦闘の激しさが嘘のように、静寂が辺りを包んでいた。爆発の煙が晴れると、バラバラになったロボットの残骸だけが地面に残されていた。
「終わったな……」
陸王は軽く肩を回しながら周囲を見渡した。その隣に青花が歩み寄る。
「えぇ、けど……」
一同の視線が青花に集まった。彼女はしばらく黙ってロボットの残骸を見つめていたが、やがて深く息を吸い込み、陸王の方へと歩み寄った。
「陸王さん……」
「ん?」
陸王は首を傾げた。
青花は右手を開き、そこにあったセンタイリングを差し出した。
「これをあなたに渡します」
一瞬の沈黙。陸王は驚いたように目を見開いた。
「どういうことだい?せっかく手に入れたのに」
「私、気づいたんです」
青花の声は静かだが、確固たる決意が込められていた。
「私の願いは……居場所が欲しいという願いは……テガソードの力で叶えたところで意味がないんです。今日のダンス対決で分かりました。私のダンスは……技術だけじゃなく、心で踊らなきゃいけないんです」
「心で?」
陸王は問いかけた。
「はい。あの対決で……私は自分の好みだけで踊っていました。誰かのために、自分の存在を示すためじゃなくて」
翼が静かに頷いた。
「だから吠君に認められなかった」
「はい。それに……」
青花は陸王を真っ直ぐ見つめた。
「今日の戦いで改めて感じました。私はまだ未熟です。この力に相応しいとは思えないんです」
「指輪争奪戦を続けると決めたのは私のエゴでした。でも今は……違う道があると感じるんです。自分の力で、居場所を見つける方法が」
陸王は差し出されたセンタイリングを見つめ、やがて穏やかな笑みを浮かべた。
「君の決断だ。尊重しよう」
「ありがとうございます」
陸王はセンタイリングを受け取ると、ゆっくりと懐にしまった。
「皆さん、本当にありがとうございました」
青花は深く頭を下げた。その表情には静かな決意と安堵が混ざっていた。
「またいつか会いましょう。その時は、本当の意味で私のダンスを見てください」
そう言って彼女は踵を返し、夕日に向かって歩き始めた。その背中には以前より確かな足取りがあった。
青花が去った後、陸王はゆっくりと翼に向き直った。
「さてと……」
陸王は軽く咳払いをして言葉を選びながら話し始めた。
「風鳴翼さん……いや、翼ちゃん」
陸王の声には珍しい真剣さが混じっていた。
「僕は指輪争奪戦を止めるつもりはないよ。それは変わらない」
翼は黙って陸王を見つめていた。
「でも……君のおかげで思い出したんだ。僕がなぜ戦うのか、何のために戦うのかを」
陸王の表情が柔らかくなった。
「だから……君との戦いは続けるけど、今度からは違う理由で戦うつもりだ」
彼は手を差し出した。
「君たちがノーワンとの戦いに協力したいというなら……僕も協力するよ。指輪争奪戦とは別の話としてね」
翼は少し驚いたように目を見開いたが、すぐにその手を握り返した。
「ありがとうございます……陸王さん」