ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
ゴジュウユニコーンの角乃は、迫りくるデンジレッド――瑚陽の一撃を寸前で捉えていた。デンジパンチから繰り出される拳は空気を切り裂き、一直線に角乃の顔面を狙ってくる。かつて警察官としての動体視力と反射神経が、この非日常的な戦闘でも冴えわたる。
「速い……!」
角乃は内心で毒づきながらも、左腕に装備したユニコーンドリル50を高速回転させた。甲高い金属音と共にドリルが唸りを上げ、迫るデンジパンチの拳を横から叩きつけるように弾く。火花が散り、互いの装甲が擦れて不快な音を立てた。
「チッ!」
瑚陽が舌打ちする間もなく、角乃はすぐさま反撃に移ろうと右足を踏み込む。しかし、その動きは突然遮られた。背後から飛来する紅蓮の熱線。レッドワン――陰夢のファイヤーソードから放たれた正確無比なビームだ。
「甘いですね」
陰夢の冷徹な声が響く。角乃は咄嗟に身を捻り、ビームを紙一重で回避する。熱線が肩口を掠め、装甲が微かに溶解した匂いが鼻をつく。
(双子だからこそできるこの連携……厄介ね)
息の合った攻撃に、角乃は内心で警戒を強める。瑚陽の猪突猛進とも言える力強い攻撃と、陰夢の冷静かつ正確無比な援護射撃。まるで長年共に戦ってきた古参兵のようなコンビネーションだ。過去の不祥事以来、組織というものに不信感を募らせている角乃にとって、それは妬ましいほどの絆に見えた。
「まだ……これからだ!」
角乃は咆哮と共にユニコーンドリルを再び回転させ、今度はこちらから突貫する。目標は近距離にいる瑚陽。ドリルの先端が彼女の胸部装甲を捉えようと猛スピードで迫る。
「姉さん!」
瑚陽の声と同時に、陰夢がファイヤーソードを縦に構え、壁のように立ちはだかる。ドリルが剣身に激突し、凄まじい衝撃波が周囲を襲った。金属同士が軋み合い、悲鳴を上げる。
「っぐぅ!」
角乃は歯を食いしばる。陰夢のファイヤーソードは想像以上の硬度だった。押しても引いてもびくともしない。その隙を瑚陽が見逃すはずがなかった。
「隙あり!」
死角から再びデンジパンチが唸りを上げる。角乃は咄嗟に右足で陰夢を蹴り飛ばし、自らの体を仰け反らせて辛うじてパンチの軌道上から逸れた。だが完全には避けきれず、腹部装甲に鈍痛が走る。
「がはっ……!」
吐き気を催すほどの衝撃に膝をつきそうになるのを必死で堪える。冷や汗が首筋を伝うのが分かった。
マリアは少し離れた場所で固唾を飲んでその戦いを見守っていた。
下手に手を出せば、彼女の信頼を完全に失いかねない。なにより、あの双子のコンビネーションは尋常ではない。訓練された軍人か、あるいはそれ以上の連携を見せている。
「そっちが銃ならこっちもね」
角乃は忌々しげに呟きながら、センタイリングの一つをテガソードに装填した。
『デカレンジャー!』
電子音声が高らかに響き渡る。一瞬の光の奔流。ゴジュウユニコーンは一瞬でデカレッドへの変身完了だ。
右手にはディーマグナム01、左手にはディーマグナム02。二挺一組のビーム拳銃を構えたデカレッド・角乃は、まるで精密機械のように両腕をクロスさせる。
「覚悟は良いかしら?」
その声は低く冷たく響いた。これまでのユニコーンドリルを使った接近戦とは打って変わり、銃口が獰猛な獣の瞳のように煌めく。
「っ!?」
陰夢と瑚陽は咄嗟に防御態勢を取るが、デカレッドの動きはそれ以上に速かった。
「喰らいなさい!」
咆哮と共に両手の拳銃から青白いエネルギー弾が迸る。弾幕のように降り注ぐ攻撃に、陰夢と瑚陽は回避行動を強いられた。建物の壁に隠れようとする瑚陽。しかし、デカレッドの照準は正確無比だ。
「逃がさないわよ!」
壁ごと粉砕する勢いで放たれた弾丸が瑚陽の脇腹を掠め、装甲の一部が吹き飛んだ。
「きゃあっ!」
「瑚陽!」
陰夢が悲鳴を上げる。だが、デカレッドの猛攻は止まらない。的確に二人の動きを読み、牽制と実弾を混ぜて撃ち込み続ける。さっきまでの息の合った連携が崩れ始めている。角乃はそれを冷静に見極めながら引き金を引いていた。
(やるじゃない……あの二人。でも、このまま押し切れば)
過去の警察官時代の訓練が蘇る。犯人を追い詰める際の心理戦。相手の呼吸を読み、焦燥感を煽る。今の自分はまさにそれを実践している。
「どうしたの?その程度なの!?」
嘲るようなデカレッドの挑発。瑚陽の顔に明らかな苛立ちが浮かぶのが見て取れた。冷静さを欠けば致命傷だ。
「おっと…いけないなぁ。弱い者虐めは」
場違いなほど軽薄な声が響いた。デカレッドが射撃を止め、声の方向に素早く銃口を向ける。マリアも、そしてダメージを受けつつある陰夢と瑚陽も動きを止めた。
そこに立っていたのは。
「ガリュード……!」
デカレッドの口から低い呻き声が漏れた。
「クオンさん」「なんでここに」
そう、ガリュードは。
「何、若者を助けるのが、年長者の役割だからね」
怪しげな声で呟く。