ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「……っ!」
響の意識が戻った。天井を見上げると、そこには見慣れた自分の部屋の天井があった。窓から差し込む朝日が部屋を明るく照らしている。
(ここは……私の部屋?)
ゆっくりと体を起こす。頭が重く、記憶が断片的にしか思い出せない。
(確か……テガソードとテガジューンが……世界が……)
混乱する思考を整理しようとしたその時、部屋のドアが静かに開いた。
「響? 起きたの?」
未来だった。彼女は心配そうな表情で響の様子を窺っている。
「未来……何があったの?」
響の問いに、未来は少し戸惑った表情を見せた。
「覚えていないの? 突然街全体が光に包まれて……その後は何も」
未来も完全には状況を把握していないようだ。しかし響は直感的に悟った。
(世界が……変わってしまった)
慌てて携帯電話を取り出し、S.O.N.G.に連絡を取ろうとした。数回のコールの後、弦十郎が出た。
「師匠?」
「響君か。おはよう。どうかしたか?」
弦十郎の声は普段通りだった。しかし響は違和感を覚えた。
「あの……最近の異変についてなんですけど」
「異変? 何かあったかね?」
「え……? 指輪の戦士とか……ゴジュウジャーとか……」
響の言葉に弦十郎は一瞬沈黙した後、笑い声を上げた。
「響君、寝ぼけているのか? そんな話は聞いたことがないぞ」
「そんな……! 師匠! これは冗談じゃありません!」
「落ち着け、響君。何か不安なことがあるなら—」
会話を打ち切り、響は通話を切った。
(まさか……記憶が消されている?)
その時だった。手のひらに何か硬い感触があることに気づいた。
「これは……」
手の中に握りしめていたのは、ゴジュウウルフのセンタイリングだった。赤く輝くその指輪は、確かに先程まで戦いの中で見たものだ。
「遠野……吠……」
その名を呟いた瞬間、指輪が微かに光を放った。そして、かすかな声が脳裏に響く。
「……探せ……遠野吠を……」
まるで指輪自体が意志を持っているかのような声だった。
「遠野吠を……探せ?」
響は混乱しながらも、その指示に従うべきだと直感した。
「未来!」
響は急いで身支度を整え始めた。
「どうしたの? 響?」
「街へ行く! 行かないと!」
未来は困惑しながらも、響の真剣な表情を見て頷いた。
「わかった。私も一緒に行くわ」
二人は急いで部屋を出た。
街に出ると、そこには普段通りの日常があった。しかし響は違和感を覚えた。街の人々の様子が微妙に異なる。彼らの表情には何か……大切なものが欠けているような感覚があった。
(何が起きたのか……とにかく吠さんを見つけないと)
二人が街を歩いていると、突然響の携帯電話が鳴った。画面には翼の名前が表示されていた。
「翼さん!?」
電話に出ると、翼の緊迫した声が聞こえた。
「立花! 聞こえるか? 無事か?」
「翼さん? どうしたんですか?」
「異変が起きている。S.O.N.G.の情報と私達の記憶が一致しない。お前は大丈夫か?」
その言葉に響は確信した。装者には記憶が残っているのだ。
「大丈夫です! 実は—」
響が状況を説明しようとしたその時、手の中のセンタイリングが強く光り始めた。
「この方角……」
響は直感的に方向を察知した。
「翼さん! 後で詳しく話します! 今は急いでいるんです!」
電話を切り、響は未来と共に歩き出した。
「響、どこへ行くの?」
「わからない……でも指輪が教えてくれる」
響の手の中で、ゴジュウウルフのセンタイリングはまるで道標のように光を放ち続けていた。
街の中を走り続ける響と未来。響の手の中で光るゴジュウウルフのセンタイリングは、まるで意志を持つかのように特定の方向を指し示していた。
「ここ……かな」
二人が足を止めたのは、小さなコンビニエンスストアの前だった。未来は首を傾げた。
「ここに吠くんが? でも普通のコンビニよね」
響は深呼吸して店の中へと足を踏み入れた。店内は普通の朝の喧騒に包まれていたが、響の視線はある一点に釘付けになった。
「あっ!」
レジの近くでバイトをしている青年が顔を上げる。鋭い眼光—間違いなく遠野吠だった。
「吠くっ」
響が説明しようとしたその時—
「全員動くな!」
突然の怒声と共に、男が店に押し入ってきた。
男は包丁を手に店員を脅している。
「金を出せ!」
強盗の出現に店内は一瞬で凍りついた。
それと共に、強盗がコンビニに入ってきた時、吠はただ驚いただけだった。しかし、その次の瞬間。
「さあ、早く出せ!」
強盗の男がナイフを店員に突きつける。
その時。
「やめてくださいっ!」
響が咄嗟に前に出た。
「響!」
未来が慌てて彼女の袖を掴むが、もう遅い。
「邪魔だ!」
強盗がナイフを響に向かって振りかざす。
「危ないっ!」
未来の悲鳴と共に、響が目を閉じたその瞬間。
衝撃は来なかった。
「……え?」
響が恐る恐る目を開けると、そこには彼女の前に立ちはだかる一人の男の姿があった。
男は左腕がなかった。代わりに右腕一本だけで強盗のナイフを素手で受け止めている。
「なっ……!?」
強盗の男も驚きの声を上げる。左腕がない男は冷静な表情で言った。
「悪いが、そこにいる嬢ちゃんには借りがあってな、殺させる訳にはいかない」
「なっ、何者だっ!」
片腕の男は、そのまま器用に右腕だけで強盗のナイフを奪い取った。
「これで終わりだ」
彼は残った右腕で強盗の腕を捻り上げると、床に押さえつけた。
「痛っ! 何をするんだ! 放せっ!」
強盗が暴れるが、片腕の男の力は異常に強かった。
「なっ、何者だ!?」
その言葉に応えるように片腕の男は立ち上がる。
「俺様は熊手真白。人呼んで“ゴッドネス熊手”! 神をも恐れぬ世直し人だ」
そう、右腕を天に向けた。