ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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初代と2代目

熊手真白が強盗を制圧し、コンビニ内に静寂が戻った。警察が駆けつけ、事態は収束へと向かう。吠は状況を把握できず呆然としていたが、響の存在に気づくと困惑した表情を見せた。

 

吠の記憶には響がいなかった。

 

「誰だ?」

 

その言葉に響は胸が締め付けられる思いだった。未来も複雑な表情で二人を見守る。だが響は諦めなかった。ポケットから取り出したゴジュウウルフのセンタイリングを差し出す。

 

「これを受け取ってください、吠君」

 

「はぁ、何を言って「良いから受け取れ」」

 

吠が受け取った瞬間、ゴジュウウルフのセンタイリングが眩い光を放った。

 

「なっ、なんだっ」

 

光は吠の体を包み込み、失われていた記憶が洪水のように押し寄せてきた。

 

「っ……!」

 

頭を抱えて唸る吠。だが次第に表情が変わり、鋭い眼差しで響をまっすぐ見据えた。

 

「お前……響か」

 

響の顔がぱっと明るくなる。

 

「吠君!」

 

「それに……そっちにいるのは未来か?どうなってるんだこれは……」

 

吠の視線が周囲を見回す。記憶が戻ったことで混乱している様子だったが、その瞳には確かな意志が宿っていた。

 

『ようやく繋がったか』

 

「テガソード!?」

 

「えっ?」「どこに?」

 

吠が指輪を嵌めた瞬間、聞こえた声。

 

その方向に眼を向けると、そこにはテガソードが吠達と同じ大きさで立っていた。

 

だが、その姿は吠以外には見える事が出来なかった。

 

「どうなっていやがるんだ、これは」

 

『今、この世界は破滅の王子の誕生によって、改変された。それによって、お前と立花響を含めたシンフォギアを纏う少女以外には記憶が書き換えられている』

 

「えっと、テガソードさんは一体」

 

「・・・どうやら、俺とお前らシンフォギア以外には記憶が書き換えられているようだ。けど、なんで?」

 

『彼女達は、かつてユグドラシルを止める為に歌を歌った。それを間近に受けた事によって、あの改変の影響を受けなかったのだろう』

 

「ユグドラシル?なんだそれは?」

 

「えっ?テガソードさんって、それも知っているの」

 

「・・・けど、それだったら」

 

「・・・さっきから、さっぱりなんだが、そのユグドラシルってのは何なんだ?」

 

「私も、あんまり詳しい事は」

 

『生命の行きつく果てを解明するために建造された物だ。破滅の王子は、それを操る力を持っている』

 

「・・・つまりは、その破滅の王子をなんとかしねぇと、またユグドラシルとかいう奴が動き出すのか」

 

吠の一言を聞いた響と未来は、驚きを隠せなかった。

 

熊手真白の突然の言葉に店内は静まり返った。

 

「よぅ、テガソードに二代目。それに恩人の2人も揃っているじゃないか」

 

その場にいた全員が混乱する。吠は「二代目」という言葉と、なぜ熊手がテガソードを知っているのか疑問を抱いた。

 

響と未来も首を傾げる。吠だけがテガソードを認識しているはずなのに、なぜ熊手は当然のように話し掛けてきたのか?

 

吠の視線の先では、テガソードが熊手を凝視していた。その表情には明らかな驚きと戸惑いが浮かんでいる。

 

「……お前は……エ」

 

テガソードが何かを言いかけた瞬間、熊手が遮った。

 

「今の俺様の名は熊手真白だ。お前も知っているだろう?」

 

その言葉にテガソードは沈黙した。吠には熊手の言葉が理解できなかった。

 

「どういう事だ?テガソードとお前は知り合いなのか?」

 

吠の問いに熊手はニヤリと笑った。

 

「まぁな。こいつとは長い付き合いだ」

 

熊手は意味深な視線をテガソードに送る。

 

「熊手さん……あなたは一体……」

 

響が恐る恐る尋ねると、熊手は片腕を掲げて名乗りを上げた。

 

「俺様は熊手真白。人呼んで“ゴッドネス熊手”!神をも恐れぬ世直し人だ!」

 

しかし、その自己紹介よりも重要な情報が語られた。

 

『初代ゴジュウウルフ……』

 

テガソードの呟きに吠たちが目を見開く。

 

「え……初代?じゃあ熊手が最初のゴジュウウルフだったのか?」

 

吠の言葉に熊手は肩をすくめた。

 

「そう、そして指輪争奪戦の初代チャンピオンでもある」

 

熊手真白は遠くを見るような目で呟いた。

 

「俺様はかつてその指輪を使って世界を救った。だが今のこいつは違う」

 

熊手の視線が吠に突き刺さる。

 

「俺様が救った世界を造り替えた事が、許せると思うか?」

 

吠は黙って熊手を見つめていた。その視線に熊手は鼻を鳴らす。

 

「だがな、その俺様がいない間に世界を守り続けたのはお前たちシンフォギアだ」

 

熊手は響と未来に向き直った。

 

「だからこそ俺様はお前たちを恩人と呼ぶ」

 

その言葉には感謝の眼差しを送る。

 

だが熊手は再び吠に向き直ると厳しい表情に戻った。

 

「だが二代目よ……お前は違う」

 

吠が眉をひそめる。

 

「お前は俺様の代わりでしかなかった」

 

熊手真白が右腕を掲げると、そこに嵌められた白いセンタイリングが不気味な輝きを放った。その瞬間——

 

「見つけたぞぉ!」

 

「まあ、これは……」

 

突如、コンビニの入り口から二つの影が現れた。片方は燃え盛る炎を纏った長槍を担ぐ赤い燕尾服の男——ファイヤキャンドル。

 

もう片方は白薔薇を散りばめた紫ドレスを身にまとった女性——ブーケ。

 

「おや?貴方は……」

 

ブーケが優雅に微笑む。

 

「キャッキャッキャ!見つける事が出来たぜ!!」

 

ファイヤキャンドルが槍を地面に突き立て、その衝撃で床が震える。

 

「その指輪を寄越せぇ!!」

 

彼の口から発せられる「キャッキャッキャッ」の甲高い笑い声が響き渡る。

 

吠が反射的に身構えるが、熊手真白の右手が彼を制止する。

 

「お前たちが『破滅の皇子』を求めてるのは分かってる。だがな……」

 

熊手は右手の白いセンタイリングを高く掲げた。その指輪は不規則に脈動し、まるで生きているかのようだった。

 

突然、熊手は右腕の白いセンタイリングを器用に外すと、空中に投げ上げた。同時に右手に白いグローブのような装備が召喚される。

 

「これが俺様の答えだ!」

 

その手の中に落ちてきた白いセンタイリングを素早く装填する。

 

「なっ……!?」

 

吠が驚愕の声を上げる。テガソードでさえ予想外の行動だった。

 

「その指輪は……」

 

「ああ」

 

熊手の右腕が変形し、白いグローブから放たれる光が空間を切り裂く。

 

「破滅の皇子の指輪だ」

 

その瞬間、指輪から放たれた光が熊手の体を包み込んだ。

 

「エンゲージ!」

 

熊手真白の声が響き渡ると同時に、彼の右腕から放たれた白い光が空間を切り裂いた。周囲の空気が瞬時に凍りつき始める。

 

「キャッキャッキャ!?」

 

ファイヤキャンドルが驚きの声を上げる。

 

「まあ……なんて冷気……」

 

ブーケが優雅に腕を組みながらも警戒の表情を見せる。

 

熊手は右腕を勢いよく回転させながら小ジャンプを四回繰り返した。その度に床に霜が広がっていく。そして最後に拳を前に突き出すと、深呼吸と共に全身から白い冷気が噴出した。

 

「はぁぁぁっ!」

 

円を描くようにターンすると、その軌跡に沿って氷の結晶が舞い散る。顔の前で構えた白いグローブを床に叩きつけると——

 

ドガァァン!

 

床が砕け散り、そこから氷の柱が立ち上がる。熊手の左側に巨大な氷の結晶が形成され始めた。

 

「行くぜぇ!」

 

熊手が氷を纏いながらアッパーを繰り出すと、それに合わせるように純白の氷の左腕が再生された。

 

『ゴジュウポーラー!』

 

変身完了の合図と共に、熊手の姿が一変していた。

 

白熊を模した金色のバイザーが鋭い眼光を放ち、円形のアーマーが全身を覆う。両手には金色の爪パーツが装備されておらず、代わりに白い手袋が装着されている。ツメガバックルは黒く染まり、遠目から見れば空手家や日本の武闘家を思わせる姿だ。

 

「世直しゴッドネス・ゴジュウポーラー!」

 

熊手真白——いや、ゴジュウポーラーが凛とした声で名乗りを上げる。その姿はまさに神をも恐れぬ世直し人の風格を漂わせていた。

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