ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「ゴジュウポーラー……だと?!」
吠の目が見開かれる。かつて「初代」と呼ばれた男が、まったく新しい形態で目の前に現れた。白熊を模したバイザーから放たれる鋭い眼光が、店内の空気をさらに凍りつかせる。
「キャッキャッキャ!変身したか!面白い!」
ファイヤキャンドルは高揚感に満ちた笑い声を上げながら、炎のランスを振りかざして突進してきた。
「行きますわよ」
ブーケも優雅に指を鳴らすと、両手に白薔薇の装飾が施された二丁拳銃が現れた。
ゴジュウポーラーは微動だにせず、冷気を纏った右腕を前に突き出した。
「お前たちが求めているのはこれか?」
彼は指輪が装填された右腕の白いグローブを挑発するように掲げる。その動作に合わせて床が一瞬で凍結し、氷の結晶が舞い散った。
「キャッキャッキャ!渡して貰おうかぁぉ!」
ファイヤキャンドルがランスを振り回して氷の結晶を打ち砕きながら突っ込んでくる。彼の突撃に合わせて、ブーケも銃口を向けて発砲した。
しかしゴジュウポーラーは動じない。右腕を軽く振るだけで、ブーケの銃弾は正確に、撃ち落とす。
「無駄だ」
次の瞬間、ゴジュウポーラーはまるでボクサーのような軽快なステップでファイヤキャンドルの懐に入り込んだ。
「なっ……!」
ファイヤキャンドルが驚愕の声を上げる間もなく、ゴジュウポーラーの右ストレートが顔面を直撃する。
「ぐっ……!」
衝撃と共にファイヤキャンドルのランスが手から離れ、炎が霧散した。彼の体は床を滑りながら数メートル吹き飛ばされる。
「まぁ、なんて力……」
ブーケが驚きの声を漏らす。
ゴジュウポーラーは構えを崩さず、右腕に冷気を集中させながら言い放った。
「俺様の拳、避けられるものなら避けてみろ」
「では……こちらはいかがかしら」
ブーケは優雅に微笑みながら両手の白薔薇銃を構える。指先が僅かに動いた瞬間——
ダダダダダッ!
連射された銃弾が雨のようにゴジュウポーラーに降り注ぐ。しかし——
「遅い」
ゴジュウポーラーは微かに体を沈めた。それだけで銃弾の雨が彼の頭上で交差する。まるでボクサーのスウェーイングのように僅かに体を傾けただけなのに——
「分身……ですって?」
ブーケが目を見開く。彼女の視界には三人のゴジュウポーラーが同時に映っていた。右から、左から、正面から——完全にシンクロした動きで同一人物が同時に存在しているかのような錯覚を生む。
「これが俺様の拳の流儀だ」
ゴジュウポーラーの声が重なり合うように響く。氷を纏った右腕が閃光のように光った。
「フロストブロー!」
次の瞬間——
ドガガガガガッ!
三方向から繰り出された拳が一斉にブーケを襲った。一撃目が腹部に命中し彼女の息が止まる。二撃目が頬を直撃し首が仰け反る。三撃目が鳩尾を貫き彼女の体が宙に浮く。
「きゃあっ!」
ブーケの優雅さは一瞬で砕け散り、白薔薇の装飾が舞い散る中で彼女は数メートル後方に吹き飛ばされた。
「嬢ちゃん!」
ファイヤキャンドルが駆け寄る中、店内は氷と炎の残滓に満ちていた。ゴジュウポーラーがブーケを圧倒し、ファイヤキャンドルが警戒を強めたその瞬間——
ガシャァァン!
突如として窓ガラスが砕け散る。破片がキラキラと光を反射しながら床に降り注ぐ。吠と響が反射的に身をかがめる中、その巨大な影は街全体を覆い隠した。
「あれは……!」
響が目を見開く。そこにはビルよりもはるかに巨大な純白の巨体が浮かんでいた。青い結晶が血管のように全身を巡り、その内部で微弱な光が脈動している。
その容姿は、テガソードと似た部分があり。
「あれは、まさか」
「テガナグール様」
すると、ブーケはそう呟いた。
「テガナグールだって?」
吠が驚いた表情で巨大な影を見上げる。
「テガソード……まさか」
機械的でありながら生物的な形状を併せ持つその姿は、あまりにも異質だった。
「僕はっ僕はぁ!!」
テガナグールが咆哮すると、その周囲の建物が震え始めた。両腕を振り回すたびに隣接するビルの壁面が剥がれ落ち、アスファルトが砕け散る。最も恐ろしいのは、その自己破壊行為だ。
「あいつ……自分で自分を壊してる……!?」
吠が唖然とする中、テガナグールの右手の結晶が突然砕け散った。その破片が周囲に飛散し、地上の人々に襲いかかる。ゴジュウポーラーの作り出した氷壁が一部の破片を防いだが、街は瞬く間に瓦礫の山へと変貌していった。
「止めなきゃ……!」
響がシンフォギアを発動しようとしたその時——
「おっと、俺様に任せろ」
ゴジュウポーラーが一歩前に出る。彼の顔には珍しく真剣な表情が浮かんでいた。
「お前達は下がれ」
白い手袋が握りしめられると同時に、彼の体から冷気が立ち上る。ゴジュウポーラーはまるで助走をつけるように軽く跳躍した。
「世直しゴッドネス・ゴジュウポーラーの真髄を見せてやる!」
次の瞬間、彼の姿が消えた。否、常人では追いきれない速度でテガナグールへと突進していたのだ。ビルの屋上から屋上へと跳び移りながら上昇していくその姿は、まさに白き稲妻のようだった。
「テガナグール!!」
ゴジュウポーラーが巨大ロボットの顔面に肉薄する。その距離わずか数メートル。
「俺様のありがたい話を聞け!!」
彼の右拳が閃光のように光った。白い冷気が渦巻き、拳を中心に白い光の波紋が広がっていく。