ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
剣道道場。
その場所では空気が違っていた。板張りの床を打つ竹刀の音がリズム良く響き、熱気が満ちている。汗と木の香りが混ざった独特の匂いが鼻腔をくすぐる。二十畳ほどの広さの稽古場には十数名の門弟が整列し、一心不乱に基本打ちを繰り返していた。
その最奥で威風堂々と仁王立ちするのは、杖をつきながらも背筋をピンと伸ばした一人の老人――八十代半ばとは思えぬ鋭い眼光を湛えたゴジュウイーグルこと猛原禽次郎だ。
その眼光は鷲のように鋭い。
「……ほう」
禽次郎の目尻が微かに歪んだ。道場の入口に立つ吠と翼の姿を認めると、杖をトンと床に突き、ゆったりとした足取りで近づいてくる。腰は曲がらず、老いを感じさせない矍鑠たる歩みだった。
「客人か。珍しいな」
禽次郎の低く澄んだ声が道場内に響き渡る。その瞬間、門弟たちの動きがぴたりと止まり、全員の視線が新参者に注がれた。張り詰めた空気。翼の脊椎が思わず緊張で伸びるのを感じた。
「おい、お前、自分の願いを忘れたのか」
「願いだと?」
吠の言葉に、禽次郎は、首を傾げる。
「パーリーピーポーを志すんだろ」
の眉間に深い皺が刻まれた。杖を持つ右手が微かに震え、床に立てた杖がミシッと軋む。
「若造……貴様は儂を愚弄するつもりか」
一瞬で沸騰する怒気。門弟たちが無意識に息を潜めるほどの殺気が稽古場を支配した。翼は思わず構える。
「ふざけてねぇよ、あんた自身がそう言ってただろ」
「知らんな! 儂は生涯を通じて剣ひとすじ。踊り狂うなど論外!」
杖の先が吠を捉える。八十七年の人生で培った威厳が獣牙のように吠に牙を剥いた。
「そもそも……貴様、どこの誰だ?」
「は? 知り合いだよ知り合い」
「儂に貴様のような知り合いはおらん!」
完全な平行線。記憶喪失は確実らしい。
その時。
「何やら揉め事のようだな」
「あぁ?お前は」
そこに立っていたのは、熊手だった。
「何のようだ?」
「決まっているだろ、道場破りだ」
「道場破りだと?」
そう、禽次郎が警戒したように言う。
「てめぇ、禽次郎に用か」
「いいや。今回の道場破りは、別にいる」
その一言と共に、鍛練している一人の人物が少し前に出る。
「えっと、正直に言って、出るタイミングを見失っていました」
「誰だ、こいつは?」
「門下生の一人の刃白 和輝だ。だが、なぜ」
「師範代、それは…こういう事です」
それと共に刃白が取り出した物。
それを見ると、吠達は驚きを隠せなかった。
「指輪の戦士が、ここにいたってのか」