ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
広場の喧騒の中、月読調は暴神竜儀の背中に問いかけていた。
「あなたが応援したいのは、本当にあいつなんですか」
暴神は一瞬足を止め、ゆっくりと振り返る。その瞳には狂信的な熱が宿っていた。
「……当たり前だろう?この熱狂!この解放感!これが俺にとっての真実だ!」
彼の声は震えていた。ヘヴィメタルの爆音が骨を伝わってくるかのようだ。
「あなたはかつて……」
月読は声を落とした。
「テガソードを信仰し、多くの人々と共に救われる……あなたはテガソードと共に人々を救いたいんじゃないんですか」
その言葉が放たれた瞬間、暴神の顔から表情が消えた。彼の目に宿る炎が一瞬揺らめき、過去の記憶が呼び覚まされたかのように虚空を見つめる。
「……救いたい……?」
彼の唇が微かに動いた。喉仏が上下する。
観客の歓声が遠のいていくような錯覚を覚えるほど、その場だけが静寂に包まれた。
「・・・救う」
そう、戸惑いを隠せなかった。
月読調の言葉は、暴神竜儀の奥底に眠っていた何かを呼び覚ました。
「・・・救う」
ぽつりと零れた言葉が、彼自身の耳にも届いた瞬間──彼の視界が揺らいだ。
(そうだ……私は何のために……?)
ヘヴィメタルの轟音が脳内で反響していた解放感は、急速に薄れていく。代わりに蘇るのは、かつての日々。貧民街を走り回り、傷つき疲れ果てた人々の祈りに耳を傾けた日々。テガソードの前で跪き誓った言葉。
「我らがテガソードよ。どうかこの混沌から人々をお救いください」
その瞬間、暴神の手には金の輝きが戻っていた。テガソード──彼が命よりも大切にした黄金の宝剣が、確かな感触とともに握られていた。
「否っ!」
彼は絶叫した。今まで身にまとっていたバンドTシャツや革ジャン、ヘヴィメタルグッズの全てが、まるで幻影であったかのように空間へ溶けていく。残ったのは、黄金のテガソードのみ。
「テガソード様!!エンゲージ!!」
『ゴジュウティラノ!』
荘厳な音声と共に、金色の鎧が暴神の肉体を覆っていく。兜には威嚇するティラノサウルスの牙が刻まれた仮面が装着され、両腕には太い装甲が巻き付き、巨大な槌──ティラノハンマー50を携えるゴジュウティラノの姿が完成した。
「感謝する少女よ!テガソード様への信仰を忘れた私に思い出させてくれた事を!そして、今は!テガソード様の力を悪用するあいつに天誅を!!」
ゴジュウティラノに変身した暴神は、雄叫びと共に地面を砕くかのようにティラノハンマー50を振り下ろした。
大地が悲鳴を上げる。足元のコンクリートが蜘蛛の巣状の亀裂を刻み込み、膨大なエネルギーが噴出する。轟音とともに死悪夜鬼の立っていた場所が深淵へと陥没し始める。
「なっ!」
突如として足場を失った死悪夜鬼はバランスを崩し落下。必死に空中で身を捻るも逃れることはできない。
一方の吠は直感で危険を察知していた。彼は俊敏に後方へ跳躍し難を逃れるが、死悪夜鬼の姿はすでに暗い穴の底へと吸い込まれていった。
「さらにエンゲージ!」『ジャッカー!』
ゴジュウティラノの姿が光に包まれる。
「スペードエース!!」
スペードエースに変身完了した暴神は疾風のごとく前進した。背中の加速装置から青白い粒子が放出され瞬時にトップスピードへ到達する。その速度は通常人間には捉えられない領域に達しており観客席からは閃光が奔ったようにしか見えないだろう。
「はぁぁぁぁ!」
爆神は、スペードエースとなった今、かつての信仰心と使命感を武器に変えた。空中で身を翻しつつ加速装置を最大稼働させながら標的へ向けて一直線に突進していく。
「お前のような輩は許さん!」
死悪夜鬼は穴に落ちている所に追いつく。
同時に、そのまま脚首を掴み、腋に足をかけてそのまま落下していく。その勢いは凄まじく、まるで隕石のように地面に激突する。
「がぁぁぁぁ!!」
それにより、完全に気絶し、変身が解除される。
「この勝利!テガソード様に捧げる!!!」
それにより、勝負は完全に終わる。
そして、それを見ていた吠と月読は。
「・・・あいつ、やべぇ奴だな」「・・・本当にヤバい人ですね」
共通の話題を見つけ、僅かだが仲良くなれた。