ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
目を開けた瞬間、消毒液の匂いが鼻をついた。白い天井がぼんやりと視界に入ってくる。
「……ここは」
喉がカラカラに乾いている。声を出そうとしても掠れた息しか出ない。
「医務室だ。お前が気絶して運び込まれたんだぞ」
ベッドの傍らに熊手が立っていた。いつもの厳つい表情だが、どこか心配そうな色が見える。
「……負けたのか?」
ようやく絞り出した言葉に、熊手は小さくため息をついた。
「ああ、ファイヤキャンドルは自滅してオルカブースターは吹っ飛んだ。今は回収班が出動してる。お前は肋骨にひびが入り、右腕は骨折寸前、全身打撲。重症ではないが軽傷でもない」
「そうか、だったらっまだ負けてねぇんだなぁ」
「何を言っているんだ!」
「悪いけど、寝ている場合じゃないんだよ!」
俺は右腕に力を込めて起き上がった。
だが、当然動かない。
「くっ」
「ほらみろ!」
「・・・これぐらいっ、どうって事ねぇよ」
「てめえがどうなろうと、どうでも良いが、彼女達が悲しむ。だから、てめぇはそのまま寝ていろ」
「ぐっ」
そうして、俺は熊手によって、ベッドへと寝かされてしまう。
ベッドの上、俺はそのまま眠らされ、どうするべきか。
そう考えていた時。
「誰だっ!」
気配を感じ、見つめる。
そこにいたのは。
「なんで、そこまで」
すると、医務室にはルパンレッドに変身していた奴がいた。
「遠野……吠さん」
「お前は、さっきの」
「夜乃っ海歌です」
おろおろとした態度で、俺に話しかけてきた。
けれど、俺はそんな事は関係ない。
「そうか、だが、悪いが今はお前よりもあいつを倒さないといけないからな」
そうして、俺は夜乃を無視して行こうとする。
だが。
「なんで」
「あぁ?」
「そんなに戦えるんですか」
そう、問いかけてきた。
「私も、あれを使っていたから分かります。とんでもない力で、その使っている間、どうにかなってしまいそうで怖くて」
「怖くてな。それで」
俺は呆れた様子で聞く。
「お前はどうして、指輪の戦士になろうとしたんだ」
「っ」
「あの……私」
夜乃は俯き加減で言い淀む。
「引っ込み思案な自分を変えたくて……指輪を見つけた時、チャンスだって思ったんです」
「ほう」
俺は興味なくベッドに座り直す。
「それで変われるのか?」
「変われる……はずです」
夜乃の声は震えていた。
「だってあの力があれば、誰にも怯えずに……」
「馬鹿か」
俺は吐き捨てるように言った。
「引っ込み思案で何が悪い? お前は何を恐れてるんだ」
「そ、それは……」
夜乃は言葉に詰まる。
「みんなの目とか……拒絶されることとか……」
「確かに、怖いかもしれないな、けれど、引っ込み思案だろうと明るいだろうと一歩は怖い。ようするにてめぇが変わってどうなりたいかだろう」
俺は窓の外を見つめる。
「お前が引っ込み思案なのは変えられない事実だろ? それを否定したら何も始まらない」
「で、でも……」
「引っ込み思案が悪いわけじゃねぇ」
俺は唐突に言った。
「ただ、怖がって何もしないことが一番悪い」
「……!」
夜乃の瞳が僅かに見開かれる。
「指輪で変われるなんて甘えだ。本当にお前を変えたかったら、自分で壁を破ってみろよ」
「壁……」
「ああ。どんな力を使っても、結局は自分自身だ」
俺は立ち上がる。
「じゃあな、俺は奴との戦いが「待って下さい」あぁ?なんだ」
俺がすぐに行こうとすると、夜乃は、その手にあるセンタイリングを俺に。
「どういうつもりだ」
「・・・自分を変える。その為には力じゃなくて自分の意思。その意味で、これをあなたに託します」
「・・・返すつもりはねぇぞ」
「これも私の意思ですから」
「そうかよ」
それと共に、俺はセンタイリングを受け取る。
「だったら、使わせて貰う。エンゲージ」『ルパンレンジャー!』
それと共に、俺はルパンレッドへと変身する。
変身を終えると共に、俺は、その場から去って行った。