ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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狼の執念

月明かりがビルの谷間を銀色に照らし出す。

 

街は眠りについているが、この一角だけは異なる時間軸に取り残されているようだった。アスファルトの上で靴底が擦れる音。鋭い息遣いが路地裏に反響する。

 

「……」

 

ファイヤキャンドルは不気味なほど静かに佇んでいた。その指先にはキズナファイブの指輪がかすかに光を宿している。

 

赤と黒の装甲が月光を反射し、禍々しい輝きを放つ。

 

「遅かったな、遠野吠。待ちくたびれたぜ」

 

その言葉が終わるより早く、ファイヤキャンドルは踵を浮かせた。

 

瞬時に距離を詰め、右手を鋭利な刃物のように振りかざす。

 

だが俺は冷静にステップバック。その動きは猫のように俊敏でありながら、獣のように鋭い。

 

「悪いな、面倒な所から抜け出すのに少し時間がかかった」

 

「どちらでも良い!俺は、今!お前との戦いの絆を結びたいからな!」

 

「そうかよ。だったら、やるぞ」

 

互いに睨み合いながら、俺は、センタイリングを既に構えていた。

 

「エンゲージ!」『ゴジュウウルフ!』

 

ゴジュウウルフに変身を完了すると共に、俺は雄叫びをあげる。

 

それが狼煙となった。

 

「うがあああぁぁぁ!!」

 

獣のような雄叫びと共に地面を蹴った。アスファルトが粉砕され、衝撃波が波紋のように広がる。

 

ゴジュウウルフの爪がキズナレッドへ迫った。

 

「その程度か?遠野吠!」

 

ファイヤキャンドルが嘲り笑う。

 

その直後だった。

 

シュルルルル!

 

胴体をぐるぐる巻きにする絆創膏が鞭のように伸びてきた!

 

「んなもん!」

 

ウルフカリバー50を横薙ぎに振るう。

 

ザクッ!

 

確かに絆創膏を切断した手応え。しかし——

 

「はっはっはっはっ!そんな小手先で逃れられると思っているのかぁ!」

 

切断された箇所から新たに分岐した絆創膏が蛇のように絡みついてくる!

 

「ちぃっ!」

 

咄嗟にテガソードで払おうとしたが、今度は足首に巻きつかれた。

 

「ぐっ——」

 

バランスを崩したところにキズナレッドの膝蹴りが炸裂!

 

ゴガッ!!

 

腹に衝撃が走り、装甲が軋む音がした。

 

「まだまだこれからだろぉ〜!?」

 

キズナレッドの手元で絆創膏が螺旋状に巻き上がる。

 

「必殺・キズナドリル!!」

 

高速回転する棘付きドリルが肉薄してきた!

 

「ふざけるな!!」

 

ウルフカリバー50を振るう。

 

それによって、出来た次元の先へと向かい。

 

「エンゲージ!」『ゴーカイジャー!』

 

ゴーカイレッドの赤き装甲が次元の歪みを貫いて現れた!

 

左手に握るゴーカイガンが月光を反射し、右手には赤き豪快剣が煌めく!

 

「行くぜファイヤキャンドル!ド派手に決めるぜ!」

 

異次元空間に響き渡る吠の咆哮!ゴーカイガンのトリガーが唸りを上げた!

 

バシュン!バシュン!

 

光弾がキズナレッドへ殺到する——が、

 

「小細工なんざ通じねえ!」シュルルルル!!

 

絆創膏の盾が空中に展開し、弾丸が火花を散らして弾かれる!

 

「ならば!」

 

吠がゴーカイサーベルを水平に構え、赤い剣閃が虚空を切り裂く!亜空間ごと抉る斬撃がキズナレッドへ迫る!

 

「はっはー!そんなものは通じないんだよ!」

 

絆創膏の触手が束となり硬化!盾代わりに剣を受ける!

 

ガギャギャギャン!!

 

衝撃で空間が震え、絆創膏の断片が血のように舞い散る!

 

「うおおおおっ!」

 

吠が間髪入れず踏み込む!ゴーカイガンを連射しながら接近戦へ移行!

 

キズナレッドも絆創膏を鞭のようにしならせ迎撃!

 

絆創膏の鞭が吠の胸当てを掠め火花を散らす!

 

「痛てぇじゃねぇかこの野郎!」

 

吠がゴーカイサーベルを逆袈裟に振るう!

 

「効かぬわ!」

 

キズナレッドの肘に巻かれた絆創膏が鉄の硬度になり受け止める!

 

「ぐっ……」

 

剣が食い込むが切断できない!その隙にキズナレッドの膝蹴りが吠の腹部を直撃!

 

ドガッ!!

 

「がはっ……!」

 

空中に弾き飛ばされる吠!しかし即座に態勢を立て直し着地!

 

「まだだ……まだ終わっちゃいねぇぜ!エンゲージ!」『パトレンジャー!』

 

「捕まえるまで帰れねぇぞ!」

 

ゴーカイガンを捨てた両手で、迫り来る絆創膏の嵐を真っ向から受け止める!

 

キズナレッドの絆創膏が装甲に叩き付けられる!火花が散り、金属が軋む音が耳を劈く。

 

「うおおおおっ!」

 

だが一歩も退かない!パトレン1号の防御力は伊達じゃねぇ。

 

「良いぞ!遠野吠!」

 

「ファイヤキャンドル!!」

 

至近距離まで迫ると同時に、俺は真っ直ぐと殴る。

 

キズナレッドもまた、俺に向けて反撃として絆創膏を鞭のように振るう。

 

「効かねぇんだよ!」

 

パトレン1号の分厚い装甲が全てを受け止める!

 

装甲が削れて火花が散るが、構わず前進。

 

「喰らえっ!!」

 

絆創膏が俺の腕に巻きつき、鋼鉄の枷のように締め上げる!

 

骨が軋むような痛み!だが——

 

「こんなの屁でもねぇよ!!」

 

拘束されたままの体勢で体当たりを敢行!

 

「ぐおっ!?」

 

キズナレッドが僅かに後退!

 

「まだまだぁ!」

 

絆創膏の拘束を強引に引き千切りながら前進!

 

俺の突進力だけで地面が割れんばかりの轟音!

 

「貴様の防御力は認める!だがこれが——」

 

キズナレッドの体表に貼られた無数の絆創膏が一斉に蠢き出す。

 

全身から蜘蛛の巣状に絆創膏が放射状に展開。

 

空間全体を覆い尽くす絆創膏の牢獄が完成する。

 

「・・・そうかよ。でも、予告するぜ」

 

俺は既にルパンレンジャーのセンタイリングを取り出していた。

 

「お前は獲物だ!だから、てめぇの宝!頂くぜ!エンゲージ!」『ルパンレンジャー!』

 

「手癖が悪いんでなぁ!」

 

俺の軽やかな動きで絆創膏の檻をすり抜ける。

 

「お前みたいなヤツには容赦しねぇぜ!」

 

シュルルッ!

 

伸縮自在の鞭が風を切る音!

 

「もらったぁ!」

 

テガソードがオルカブースターに絡みついた絆創膏を断ち切る!

 

「なにっ!?」

 

キズナレッドの焦りの声。

 

オルカブースターが宙を舞う。

 

「お前の大事なものは、オレがいただくぜ!」

 

俺のワイヤーを放ち絡みつかせる。

 

それと共に、オルカブースターがまるで磁石に吸い寄せられるように手元へ。

 

「くそっ、返せ!」

 

キズナレッドが猛ダッシュで迫る。

 

だが俺は冷静にオルカブースターを構えた。

 

銃口が煌めく赤いエネルギーを帯びる!

 

「お前の“絆”ごと打ち砕いてやるよ!」

 

トリガーを引いた刹那、紅蓮の砲火が迸る!

 

衝撃波が地面を抉り、大気を震わせる!

 

「ぐあああぁぁっ!!」

 

キズナレッドの咆哮と共に、装甲が粉砕され絆創膏が散華する。

 

そして、ファイヤキャンドルの持っていたキズナファイブのセンタイリングは、そのまま俺の元に。

 

「はぁはぁ」

 

「はぁ、まだだっ」

 

キズナレッドの仮面が砕け散り、ファイヤキャンドルの素顔が露わになった。

 

瓦礫の中で喘ぐ姿は、先程までの狂気とは別人のように弱々しい。

 

「まだ……俺は……」

 

血が混じった声で呟く。その眼差しは、なぜか俺をじっと見据えていた。

 

俺も変身を解き、ゴジュウウルフの装甲が粒子となって霧散する。

 

荒い息を整えながら、倒れ伏すファイヤキャンドルを見下ろす。

 

「終わっていないだろっ」

 

「あぁ、当たり前だろうがぁ!」

 

俺の言葉にファイヤキャンドルは笑みを浮かべながら、ゆっくりと体を起こす。

 

全身から血が滲み出ているが、その眼光だけは失われていない。

 

「お前もわかっているはずだ、遠野吠!指輪の争奪戦は終わったが!俺とお前の戦いはまだ終わっていない!」

 

「……そうだな」

 

オルカブースターを手に入れたとはいえ、戦いはまだ終わっていない。

 

「だがよぉ」

 

ファイヤキャンドルが突然、ニヤリと笑った。

 

「今度は生身でタイマンだ!どうだ?受けてくれるか?」

 

その挑発的な言葉に、俺は思わず苦笑いを浮かべる。

 

「いいぜぇ!望むところだ!」

 

互いに傷だらけの体で睨み合った。

 

その時、ファイヤキャンドルは何かに気づいたように。

 

「ちっ!」「なっ」

 

ファイヤキャンドルは、俺を吹き飛ばす。

 

困惑していると、「ぐっ」

 

ファイヤキャンドルが呻き声と共に地面に倒れ込む。

 

俺の目の前で。

 

「お前っ!何をしやがる!?」

 

ファイヤキャンドルは血まみれの口元を歪ませ、笑みを浮かべる。

 

「てめえの命は預かっておくぜぇ……遠野吠……」

 

背中が大きく裂かれ、内臓が見えている。

 

出血量は致命的だった。

 

「おい!しっかりしろ!」

 

肩を揺するが、すでに意識は朦朧としている。

 

ファイヤキャンドルの右手が俺の胸倉を掴む。

 

「俺は……まだ戦ってねぇ……お前とは」

 

そうして、気絶した。

 

俺は、ファイヤキャンドルを攻撃した奴を睨む。

 

そこには、レッドバスターを歪ませたような奴が立っていた。

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