林檎と青い青春を   作:時計台のカワウソ丸

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私の投稿が2日に1回になる時は、
課題がやばいかテストが近いか剣道の大会があるかのどれかです。今回は全部です。


ゲーム

 

モモイさんは私にゲーム機のコントローラを持たせ、こう言った。

 

「このゲームはね童話テイストで、色彩豊かな王道ファンタジーRPGなの」

「そうなんですか」

 

王道でファンタジーで童話テイストならまぁ低難易度だろう。そんなイメージを浮かべていると、

 

──コスモス世紀2354年、人類は劫火の炎に包まれた……。

 

「はい?」

「えっと、王道とは言っても、色々な要素を混ぜてたりしたんだよ。トレンドそのままだと面白くないし、王道に拘りすぎても古くなっちゃうから」

 

ジュースバーのジュースを全部混ぜたみたいになっている。混ぜすぎて私の知っている童話の要素が一つも見受けられない。それにこれは王道なのだろうか?最初から王道のおの字も見受けられない、

 

──チュートリアルを開始します。

 

──まずはBボタンを押して、目の前の武器を装着してみてください。

 

「えっとBボタンですね」

 

私はオープニングでもう既に不安を感じていた。幻想体と相対したような不安だ。まぁ取り敢えずBボタンを押すと、

 

 < GAME OVER >

 

「……はい?」

 

突然画面に表示された文字に、私は目を疑った。

理解が追いつかない。

あれ私ちゃんとBボタン押したよね、間違えて別のボタン押したかな。

 

「あははははっ! やっぱり予想できる展開ほどつまらないものはないよね! 本当はここで指示通りじゃなくて、Aボタンを押さなきゃいけないの!」

 

後を振り返るとモモイさんがまるでイタズラが成功した子供のような顔をしていた。そんなモモイの後でミドリさんが立っていた。

 

「やっぱり、あらためて見てもこの部分はちょっと酷いと思う」

「本当にちょっとでしたか?」

 

幻想体のような理不尽さを感じる。投げ出したかったがモモイさんたちの前なので投げ出せない。取り敢えず私はモモイさんの指示に従いAボタンを押した。

 

──武器を装備しました。

 

「ようやく装備完了……」

 

良かった罠じゃなかった。あれここL社じゃなかったよね、なんで私は幻想体と相対している気分なんだ?

 

「良い感じですね。そのまま進めばRPGの花の戦闘ですよ」

 

──エンカウントが発生しました! 

 

 ──野生のプニプニが現れた!

 

「Aボタンで技と書いてますが、今回は罠じゃありませんよね?」

「Aボタンを押して! 今度は罠じゃないから!」

「……信じますよ、えっと『秘剣つばめ返し:敵に対して2回攻撃をする』これですね」 

 

 ──ッダーン!

 

 ──攻撃が命中、即死しました。 

 

 < GAME OVER >

 

「……は?」

 

待って、待って、理解が出来ない。宇宙の欠片の歌を聞いた気分だ。

 

──プニプニ:どれだけ剣術を鍛えたところで、我が銃の前では無力……ふっ。 

 

「うーん、やっぱりプニプニが『ふっ』って言うのは不自然かな。それにさっきのユーリの話を聞いて弾ける人もいるらしいから、弾けるようにしようかな」

 

多分そこじゃないと思う。それになんで序盤の敵が銃を持っているんだ? 駄目だ頭が、頭が痛い。私の頭が悲鳴をあげている。童話テイストの王道ファンタジーRPG設定どこに行ったんだ?

 

「と、取り敢えず進めますね」

「頑張ってくださいユーリさん」

「えっとこの敵はどうやって倒したら良いんですかね」

「倒せない敵も考えて試行錯誤の末に答えを見つける! それがレトロチックなゲームのロマンだよ!」

 

これがロマンなのか?ただ理不尽なだけではないのか?私はもうすでに分からなくなっていた。私は3回目でようやく敵を倒すことが出来た。もうこれ以上は無理だ。そう思っていたとき炊飯器がピーと言う音を鳴らした。ご飯が炊けたようだ。

 

「あ、あのモモイさんお米が炊けたようなのでご飯にしませんか」

「え、もうそんな時間?」

「えぇもう夕ご飯の時間です。皆さんのカレーよそってきますね」

 

そう言って私は立ち上がった。楽しませたいという気持ちは伝わるがさすがにこれ以上はお腹いっぱいだ。

 

 




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