林檎と青い青春を   作:時計台のカワウソ丸

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3日後に出すって言っておきながら、その倍かかった人がいたみたいですよ。私です。すみませんでした。
trpgをずっとしてました。楽しかったです。

霧斬朱様、誤字報告ありがとうございます。感謝の意を伝えます


ストーカー

 

「あのね、なんで私があんたらと仲良く学校に行かないといけないわけ?」

「ほら、仲を深めるためにさ?」   

 

その言葉を聞いて彼女は溜息を漏らしぶっきらぼうに、

 

「……今日は学校行かないわよ」 

「えっ、なんで? あっ――」

 

先生は何か思い至ったようで、セリカさんに生暖かい視線というのだろうか? そういう微笑ましいものを見るようなものを向けた。それからほんの少しだけ背伸びして、私に小さな声で、

 

「ねぇ、ユーリ」

「どうかしましたか?」

「これってさ、たぶん。サボりってやつだよ」

「サボり、ですか」

「……なんの話をしてるのよ」

 

声に少しの苛立ちを含ませたセリカさんの方を向けば、彼女は腕組みをして、足を踏み鳴らし、少しの砂埃を起こしながら、こちらを軽く睨みつけていた。

切り出しちゃっていいのだろうか、と先生に視線を向ければ、少し頷きながら視線を合わせてきた。なら。

 

「サボり、なんですか?」

「違うわよ!」

「ふふん、安心してセリカちゃん。私の立場からすると止めなくちゃだけど〜、いいよ見逃して――」

「だから違うわよ! あとちゃんづけはやめて……はぁ、あのね。今日は自由登校日だから別に学校行かなくていいのよ」

「それじゃあ……どこに行くんですか?」

「あんたに言うわけないでしょ……もういい? もういいわよね? それじゃ私忙しいから!」

 

そう言って、彼女は砂埃を立てながら走り去っていった。

 

「――追いかけよう!」

「追いかけるんですか!?」

 

先生は彼女の後を追いかけ始めた。慌ててその後を追いかける。

 

「ひゃぁ! な、なんで追いかけてくるのよ!」

「だってついてけば行く先がわかるから」

「バカじゃないの!? ストーカーじゃん! ついてこないでよ!」

「いいや、教えてもらうまでついていくよ」

「ッ〜〜〜! わかった言うわよ! ……バイトよ ……もういいわよね!?」

 

そう言い残し、砂ぼこりを上げながら走り去る。

 

「追いかけるよ、ユーリ!」

「またですか!?」

 

また先生が彼女の後を追い始めた。

だんだん、先生の息が切れ始めた。

 

「うぅ……しつこい! いつまでついてくるの!?」 

「はぁ、はぁ、ば、バイト先を知るまでは、追いかけるよ」

「意味わかんない! このバカ! ダメ人間! ストーカー! あっち行け! ぶっ叩くわよ!?」

「ぐふぅッ」

 

多分、ダメ人間のところでまたダメージを受けたんだろう。先生が少しふらついた。その隙にセリカさんがまた駆け出した。

 

「ちょ、待って!」

 

同じように走り出した先生の後を追う。けど先生は。

 

「はぁっ……はぁっちょ、待って!」

 

もうだいぶ息が切れていた。砂で走りづらいのもあるだろうが、アビドスの強い日差しにより、先生の体力が奪われたのであろう。ふらふらで心配するほど息が切れてる。

 

もうセリカさんも後ろを気にしながら走ってる。

 

「……だ、大丈夫、ですか?」

「はぁっ……はぁっ……はぁっだ、大丈夫。けほっけほ!」

「……大丈夫なの?」

「はぁっ……はぁっ……大丈夫だよ、心配してくれてありがとうセリカちゃん」

「……私、先に行くわね」

 

そう言って、彼女はチラチラとこちらをたまに振り向きながら駆けていった。その姿は十秒ほどで見えなくなる。先生はまた追いかけようとしたけど、流石にもう追いつけないだろうし、あと、そろそろ命に関わりそう。あんまり体力多くないんだから無理しなければいいのに……

 

「先生……一旦、学校に行きましょうか」

「はぁっ……はぁっ……そ、そうだね。うん」

  

ふらふらの先生に肩を貸しながら、私は学校に戻った。

 

私が対策員会の扉をあけ、椅子に座らせる。視線が、私の肩の先生に集まる。シロコさんなんかは「また死体になってる……」って呟いてた。

 

「先生〜どうしてそんなに疲れてるのさ? おじさんに話してみて〜」

 

そう言いながら、ホシノさんが水が入ったコップを先生の前に置いた。 

先生はホシノさんにお礼を伝えたあと、それを一気に飲み干し、事情を説明し始めた。

 

「なるほど、つまり先生とユーリさんはストーカーになったわけだ」

 

話を聞き終えたホシノさんの第一声がこれだ。

あまりにも人聞きが悪すぎる。

  

「ん〜……セリカちゃんのバイト先ですか」

「セリカ、確かに放課後すぐ帰ったりすることあるね」

「とこに行ったか。みんな知らない?」

 

先生がそう問いかけたけど、みんな心当たりはなさそうだった。けれど、

 

「うへ、私心当たりあるよー」

 

間延びした声で、あっけらかんとホシノさんがそう言った。

 

「ホシノ先輩、何か知ってるの?」

「あそこかなぁ〜ってのはあるよ〜シロコちゃん」

「それは……どこなんですか? ホシノさん」

「うへ〜、みんな、そんなに知りたい?」

   

ホシノさんも、アヤネさんも、ノノミさんも、もちろん先生も頷くのを見ると、

  

「それじゃぁ、みんなでストーカーになっちゃう?」

 

一拍置いて彼女はそう言った。

 

 




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