姉の過保護で一日八時間睡眠が解除できない   作:かりん2022

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お題感想、評価、ありがとうございます!

タイトルがキャッチーだったらしく、PVは激増なのに
お気に入り数はさほどでなくて不安です。

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嬉し恥ずかし未来の自分

「傑くん。乱丸の握手会をしよう!」

「何度も言ってますが、ダメです冥冥さん」

「お金になるのに」

「写真あげますから、それで許してください。冥冥さんのご紹介の人が乱丸に電気ネズミって言って乱丸が攻撃して私が怒られたの、忘れてないですよ」

「彼はどうしてもお約束をしたかったんだよ。喜んでいたよ?」

「だーめ。乱丸は俺の友達なんだから」

 

 揉めていると、悟も後ろから抱きつきつつ口出ししてくれた。

 悟も硝子も私をポケモンの一種と勘違いしている節がある。

 ふざけてアーンとかして給餌させようとするしね。

 

「やれやれ、残念だね。ではせめて魁斗に会わせてくれ。魁斗は私の友人でもあるからね」

「いいよ。魁斗」

「冥冥様、今日も会いにきてくれてとっても嬉しいにゃ!」

 

 ポケモンと仲良くしてくれるのは嬉しいけど、ほのかに嫉妬を感じる事もある。

 硝子と夢美、悟と乱丸と優は本当に仲がいい。

 魁斗も皆のお母さんばりに世話を焼いているし、冥冥さんと本当に仲がいい。

 

 魁斗は、報告書などの雑務を、私達の勉強になると判断した範囲以外は一挙に引き受けてくれるのだ。

 あまりやりすぎると魁斗がいないと何もできなくなってしまうからと、普段は手出ししないのだが、疲れた時、大変だった時はせっせと世話を焼いてくれる。

 

 そして、八時間睡眠の件だが、ポケモンがいるなら問題なしと、むしろ乱丸の戦力を当てこんで仕事を振るようになった。

 乱丸はスパルタで、睡眠中以外は手を出さないし、乱丸が倒したら当然取り込めない。その時寝てるから。それに加え、乱丸が倒したら等級考査には反映されない。報酬も、大半がポケモン口座に振り込まれる。

 まあ、総監部がポケモンを尊重してくれるのはそれはそれでいいのだが。

 乱丸とか対象の任務を、傑に気軽に回してくるのは少し困る。

 

 冥冥さんが帰った後で割り当てられた任務も、特級当ての任務だ。

 

「もう嫌だよ。特級任務。特級呪霊のいる場所で寝るの怖いよ」

「俺もついてくから安心しろ。それに乱丸パイセンもいるだろ」

「わかったよ……」

「私もつれてけ。夢美と紅丸いるし優もいるし心配ないだろ」

 

 将来の自分を見ることができるという噂話。ただし、自分に将来がなければ死んでしまうのだという。硝子も自分の10年後の未来を見たいというのだ。

 

 そんなわけで、私達3人は特級任務へ繰り出した。

 総監部も舐めプだが私達も舐めプだったと思う。

 

 10年後を移す呪霊。

 それが映し出したのは、大人の悟が大人で袈裟姿の私を殺す瞬間と、伏黒に似た少年が大人の悟を真っ二つにする瞬間だった。

 その映像が光となり、私たちに向かった瞬間。

 

「ピーカーヂュウウウウウウウ!!!!!」

 

 かつてない危険を察した乱丸が、私の睡眠を待たずに10まんボルトを放つ。

 パキンと空間が割れ、私達は投げ出された。引き離される!!

 

「乱丸! 硝子を! お願いだ!!」

「ピッカー!」

 

 乱丸に硝子を託す。私のお願いを聞いてくれるかどうかは5分だったが、乱丸は聞いてくれた。ありがとう、乱丸。

 

 

 

 

 

 

 ぽすん。

 私は、膝の上に落ちた。袈裟姿が目に入る。

 きょとんとした目の、呪霊に見させられた年を食った私がいた。

 周囲を見ると、たくさんの人が私に跪いている。

 

「おや? 君は……?」

「夏油様っ!!」

 

 おつきっぽい人が大人の私を心配して叫ぶ。

 

「大丈夫だよ。さて、未来に行く呪霊なんて戦った覚えはないんだけどね? 君はどうしたのかな?」

「未来の姿を見せるっていう特級呪霊を倒す途中で、ここに……」

「うーん。なかったと思うけどなぁ。そんな事」

 

 大人の私は、軽々と、何も持っていないかのようにスッと私を抱き上げて立ち上がった。

 

「今日の説法はこれで終わりだよ。お客人が来たからね」

 

 そうして、私は連れて行かれた。

 

「さて、詳しい話を聞こうかな」

「すまない。睡眠の時間が来てしまったんだ。詳しい事は明日にしてほしい。しっかり寝ないと大きくなれないからね」

「あ、そう……。図太いね君。わかった」

 

 そうして私は眠った。

 着替えを用意してもらい、身支度を整え、食事をして、私は袈裟姿の私の話を聞いた。私はいかにして袈裟を着ることになったのか。そして悟に何故殺されなければならなかったのか。

 

「つまり、大義だよ! 呪術師は神であり、非術師は猿で、それに従うべきなんだ」

 

 や、やばい人だーーーーーーーーーー!!!

 私の将来、やばい人になっちゃったんだー!!!!!

 これは悟に処分される事も残当である。

 

「君も力を貸して欲しい!」

「ひっ」

「傑様を変な道に勧誘しないにゃ! 自分はどうしてるにゃ!? 傑様の教育を放り出したにゃ!? 死んだにゃ!? 後押ししてるならぶっ飛ばすにゃ!!!」

「魁斗!」

 

 魁斗が出てきて私を庇ってくれる。

 

「君は誰かな?」

「「は?」」

 

「ニャースの魁斗だよ。姉さんから譲られた」

「私に姉はいなかった。つまり、君は並行世界から来たんだね。しかし、ニャースか……。どこかで聞いたような」

「そうなの、かい? 悟と硝子が一緒だったんだ。大丈夫かな。合流できるかな」

「ちょうど、今日は宣戦布告に行く日なんだ。悟と硝子の所に行っている可能性がある。それはそれとして、君の話に俄然興味が出てきたな。話を聞かせてくれないか」

「宣戦布告……?」

「東京と京都に呪霊を放つんだ」

「犯罪では?」

「大義だよ」

 

 悟……助けて……!!! どうしよう、私の将来がおかしいよー!!!

 

 それはともかく、教祖の話は狂っている事を除けば楽しかった。

 プリンの監視がなくなったらしたい事、教祖の私は全部やっていた。

 夜更かしして悟とゲーム、3人で行った遊園地、まだ見ぬ後輩達の話……。

 

「そうだ。君が過去に戻る事も考えて、大事な事を覚えている限り、ノートに認めておいた。並行世界の君に役立つかはわからないが、活用して欲しい」

「ノートを見ても?」

「いいよ」

「美々子と菜々子、利久の所在地……」

「私が助けた子供達だよ。私がいないと猿に虐待されて死んでいたであろう、私の子供と言っても差し支えない子供達を助けた場所だ。それと、後輩が死んだ任務。後は、私が依頼を失敗した日の詳細だ」

「依頼を失敗……」

「訓練もしておこう。私は呪霊操術の使い手だから殺される事はないと思うが、それでも悟まで何かの間違いで死んでしまうかもしれない。強くなるに越した事はないからね」

「はい」

「さて、次は君の話を聞く番だよ」

 

 教祖の私も、私の話を楽しんで聞いてくれた。

 それと、呪霊に見せられた悟の死に際も凄く心配してくれた。

 

 美々子と菜々子はポケモンにすごく驚いて、喜んでくれた。

 

 優の正体もこっそり教えてもらった。ミミッキュ、っていうらしい。

 ポケモンゲームも買ってもらい、楽しい時を過ごせた。

 ああ、でも。この人達、とても良くしてくれるけど、悪い人なんだよね……。

 

 午後の宣戦予告を考えると気が重い。

 

 考え直すように説得したけど、聞いてはもらえなかった。

 

 美々子と菜々子に話を聞いたり冊子を読んでみたんだけど、出会いからして大量虐殺してる。

 それは後戻りできないやつだ……。

 

 私は、すぐに切れる癖を改めないといけないと強く思った。

 それに、教祖の私は私より強い。

 多分、学生時代も私より強かった。当然だ。遅くまで起きていられる分、ポケモンに守られていない分。ずっと厳しい環境で長く、しっかりと鍛錬を積んできたのだ。甘ちゃんの私に勝てるとは思えない。

 実際、手合わせはボロ負けしたし、呪霊の数でもボロ負けした。

 私の持ってる呪霊の中には、乱丸にバトンタッチして乱丸に祓われたものも沢山いた。

 

 ところで、魁斗はパソコンで色々調べて、メモしているようだ。

 覗くと、株価情報って見えた。冥冥さん、変な事を教えて、もう。

 

「大丈夫にゃ。魁斗が、必ず傑様を守るにゃ」

「魁斗……」

「プププ」

「夢美、うん、私、頑張るよ」

「キシャシャ」

「うん。優。一緒にいてね」

 

 そうして、私はペリカン便みたいな呪霊に乗せられて、宣戦布告の場に向かう事になったのだった。

 

 




マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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