姉の過保護で一日八時間睡眠が解除できない 作:かりん2022
少なくとも一人は楽しんでみてくれていると思うとホッとします。
それにしても感想もここ好きもこない……。
ココスキだけでもあると嬉しいです。
「そのピカチュウ、凄いね。まさか悟に一撃喰らわせるとは思わなかったよ」
「乱丸は私が寝た後に戦う役目を持っているからね」
「は?」
「私は一日八時間眠らないと、プリンの夢美に強制的に眠らされるんだよ。姉が過保護でね。健やかに育つ為だってさ」
「ええ……。戦闘中に寝るって事かい?」
「乱丸が強い上に私が寝た後にしか戦わないから、もう上はそういうの考慮した上で任務を組んでる……」
「クソだね」
「そうだよ。術師だってクソだよ。悟みたいな善人もいるけどね」
「……それでも。それでも、猿にすり潰される術師はもう見たくはないんだ」
「術師だって怪我をする。君の家族も。……私も、死にたくないよ」
「じゃあ力を貸しな。そのポケモンの力があれば、おそらく戦況はこちらに傾く」
「勝つつもりなんか、本当はないんだろ?」
「どうしてそう言える?」
「私だから」
じっと見つめ合い、最初に目を逸らしたのは教祖の夏油だった。
「君は今、弱者生存の思想を持ってると思うけど」
「何それ」
「は?」
「君は何の為に戦うんだ?」
「死にたくないから?」
「なら、辞めればいいじゃないか。術師なんて」
「それはダメにゃ」
「なんでだい? 魁斗」
「魁斗?」
「ご主人様が言ったにゃ。いつか、ご主人様は傑様と争う定めにゃ。だから、最愛の弟である傑様を、ポケモン一同、心して守ってあげて欲しいって。そしてご主人様は、ポケモンごと傑様を屠るから、生き残りたければ傑を育てろと」
「はあ!? どれほど強いんだよ、君の姉!」
「マ、マサラの人の掟とか?」
「多分そうにゃ。だから傑には、いっぱいお友達を作って、まっすぐ育って欲しいにゃ。そんでご主人様を倒すにゃ。信念も願いも祈りも、生き残った後で考えればいいにゃ」
「そ、そんな……。でも、私こう見えても強いし、呪霊もいるし、ポケモンもいるし、それに勝てるのかい、姉さん」
「乱丸を育てたのはご主人様にゃ」
「そ、そうだった。私屠られちゃう……!」
ブルブルと震える私。
「敵は強大なようだけど、それでも情けなくないかな……。これもポケモンとお姉さんに甘やかされた弊害か。決めた。百鬼夜行まで君を鍛え直してあげるよ」
そうして、私は未来の自分にスパルタ形式で色々と教えられたのだった。
その間、美々子や菜々子、利久とポケモン達も訓練を積んでいた。
ポケモンと仲良くしてくれて、私も嬉しい。
もちろん、その間も説得は頑張ったけど、甘やかされて育った子供の言うで、覚悟を決めた大人達の意見を変えられたら世話はないよね……。
12月22日。
ギャラドスが顕現した。
東京に竜巻が吹き荒れる。
もちろんそこは新宿ではない。夏油の拠点である。
五条先生はすぐに駆けつけた。
「やあ、悟。私が彼を暴走させてしまってね。彼を鎮められたなら、降伏してあげるよ。何でも言うこと聞いてあげてもいい」
精一杯の強がり。
ギャラドスの頭には本当の仕立て人と見られる美々子と菜々子が縋り付いており、結構大変な事態である。
学生の夏油は龍滝、戻ってきて、落ち着いて、と半狂乱で呼びかけているが、功を奏している様子はない。
「何で進化させた!? リザードの様子見るまで進化させるなって言ったじゃん!」
「ほらやっぱり。紅丸も進化したらグレちゃったし、マサラ人以外には荷が重いんだって」
「ほら、お前ら、終わった事をぐちぐち言ってないで簡易の治療所作るぞ手伝え」
学生五条と学生硝子。そして硝子医師。
紅丸も言うことを聞かない状態らしい。
夏油二人は呪霊を使って拘束しようとするが、吹き飛ばされてしまう。
「どうしよう、龍滝が人殺しになっちゃう、どうしよう」
「大丈夫だよ、傑。僕が止めてあげるから。大丈夫。僕、最強だから。傑も手伝って欲しいな。落ち着いて。君だって最強なんだから、大丈夫だよ」
狼狽える学生夏油を、五条先生が優しく宥める。
そうして教祖夏油にも向き合う。
「傑、久しぶりに合同任務と行こうか。過去の僕達に、格好いいところ見せたくないかい?」
「わかったよ、悟」
学生五条も学生夏油の手を取って、キビキビと指示をする。
「傑。ポケモン出して。乱丸と優、後夢美を。夢美は強いから、もしかしてギャラドスを眠らせられるかも知れない」
「う、うん」
「未来の俺ら、耳栓持ってきたからして」
ギャラドスは、一度顕現すると全てを焼き尽くすまで止まらない。
怪獣大決戦が始まった。
「夏油様、夏油様」
「助けて……」
必死にギャラドスの頭に縋り付く美々子と菜々子。
「傑じゃなくてごめんね」
五条先生は転移で移動して二人を確保する。
憂いがなくなった教祖夏油は、初っ端から切り札を切る事にした。
「いいかい、私。一度しか見せないから、しっかり見ていなさい。うずまき!」
頭にクリーンヒットしたギャラドスは、クラクラしたようすでブルブル頭を振る。
咆哮。それは音波の余波でビリビリと体が震えるほどのものだった。
「おっ やるじゃん傑! っていうかあれで死なないんだ、ギャラドス……。じゃあじゃあ、僕も! 見ててよ、僕!! 蒼! 赫! 茈! ウッソ、これでも死なないの?」
「乱丸ー! 10まんボルト!」
「ピーカー……ヂュウウウウウウウウウウウウ!!!!」
その間にも、プリンは眠らせるべく必死に歌っている。
そこへ乙骨も駆けつけた。
「先生、手伝います!」
それはまさしくレイド戦だった。
ドラゴンスレイヤーなるか。
ギャラドスの攻撃を五条先生が無限で防ぎつつ、全員で何とか隙を作って攻撃しようとする。しかし攻撃しても中々効かない。
このままでは町に被害が出てしまう、そんな時だった。
「龍滝」
水面に一滴の水が落ちるような、そんな声。
小さくも響く、どこか印象に残る声。
暴れるギャラドスは、ピタッと止まった。
「ギャラドスに成長出来たのね。凄いわ」
「姉さん!」
「こいつが噂の傑のお姉さん!?」
「君が修羅の人かい?」
ギャラドスは咆哮を上げる。
「しー」
ギャラドスは、ぐっと黙ってぺたりと地面に伏せた。
「「「「「!??」」」」」
「いい子ね。これからも傑を守ってあげてね」
「あ、ああああ、あのね、姉さん」
「傑。大きくなったね。大きくなってね」
近くに寄ってきて、女性の容姿が明らかになる。
全身が傷と火傷だらけ。
「姉さん、私」
「迷子の迷子の子猫ちゃん。私の力は必要かしら? 元の時代に送る?」
「ううん。私、頑張れるよ。だって、悟の死の運命も覆したいし」
「そう。受肉した宿儺に殺されるんだったわね。頑張りなさい」
「知ってるの、姉さん? 悟を助けるには……消えちゃった」
姉はさっさと帰ってしまったらしい。
「なんかすげーな、お前のお姉さん」
「私が大人になったら殺しにくるつもりらしいんだ。なんかマサラのしきたりらしい。助けてよ、悟」
「あー。しゃーねぇな。お前も俺のこと助けてくれよ?」
「当然」
ごく普通に悟を頼る過去の自分を見て、複雑な思いを抱く教祖夏油。
それに、五条先生は後ろから首に腕を回した。
「俺、お前のこと助けたから、約束通り絶対服従な!」
「仕方ないね。美々子と菜々子を助けてもらったし、過去の私を死なせちゃうわけには行かないからね」
さて、ここまでの戦いで、実は誰も帷を下ろしていない。
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> 帷を下ろしていないのである <
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実は適当な所で再度秘匿死刑に掛ける計画もあったのだが、恐れがポコポコ生まれ、呪霊が生まれまくり、後始末の大変さに夏油達も駆り出され、全てが有耶無耶にされていくのであった。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
今度からマシュマロ返信していくことにしたので、よろしくお願いします!
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こっそりな感想はこちら
https://odaibako.net/u/karin2022v
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