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161 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
速報キターーーーーー(゜∀゜)ーーーーーーーーーーーーーー
渋谷 翠明学園の生徒の遺体が発見される。連続殺人か
http://news23.hkt.jp//news//202606170026.html
162 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
顔面を潰された遺体って、例のあれでしょ
163 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
顔面レモンな
今回のは#2品目ってとこか?
164 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
渋谷で連続猟奇殺人って、これやっぱあれじゃない?ニュージェネ
165 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
懐かしいな、もう10年以上経つのか
167 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
再来から数えたら、ちょうど10周年だなwww
168 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
でもハッピートリガーと同一犯なのか?
ニュージェネ事件で、同じ手口の犯行は2回もなかっただろ?
169 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
基地外の犯人の思考なんて分かるわけないだろwww
170 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
まあ再来の時と違って模倣犯っぽくはないよな
171 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
警察はハッピートリガーとは個別の事件として扱ってるらしいぞ
172 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
そりゃ警察は大っぴらにニュージェネ再来なんて言わねぇだろ
市民の不安を煽るだけなんだから
173 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
まあ今のとこはマスゴミとSNSで騒いでるだけだな
その目誰の目みたいな共通点もないし
174 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
それ以外もニュージェネとは違うとこが結構ある
ハッピートリガー#2発目と、前回の顔面レモンは同時発生だっただろ?
ニュージェネで複数の事件が同時に起きたことはなかった
175 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
渋谷で起きた猟奇事件ってとこ以外、ニュージェネとの共通点はない
だからなんか別の名前で呼ばれてるんだよな
なんだっけ、確か
176 名前:名無しさん@渋谷 2025/6/11
ネオジェネ
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人生をいかに効率的に生きるか。
俺は常にそれを考えている。
例えば、俺が今やってるこの仕事、だだっ広い物流倉庫で、物を右から左へ運ぶだけの単純な作業だが、頭を使えばこれだって効率的に行える。
ゲーミングチェアの入った段ボール箱を手に取り、下におろして引きずって運ぶ。
ただ引きずっているだけではなく、俺は段ボールの角を地面にあてて引きずっている。
こうすることで地面に接地する面積を最小限に抑えて摩擦を少なくし、楽に運ぶことができる。
段ボールが多少傷つこうが中の商品に影響はそれほどない。
そもそもゲーミングチェアなんてたかだか椅子のくせに数万もするようなものを買う連中のことなど、俺が気を使ってやる必要もない。
まあ引きずってる分、スピードは落ちるが、俺が荷物をいくつ運ぼうが時給が変わることはないのだから、最低限の仕事をするのが、俺にとって最も効率のいいことなのだ。
「コラァ
その時、大柄な男が怒鳴り声をあげる。
30代後半くらいの作業着を着た筋骨隆々のおっさん、絶対俺よりも学がないであろうこの男、間島健吾は、この職場においては俺の上司に当たる。
「お客様の荷物だぞぉっ!」
「ひっ、す、すみ……」
「てかおせぇんだよ!もっとキビキビやれ!」
「はい……」
俺は仕方なく荷物を持ち上げて、非効率なやり方で荷物を運ぶ。
「くそ、今のパワハラだぞ。俺が訴えたらお前は負けるんだからな……」
うるさい上司に小声でぶつぶつ呟きながら、俺は仕事にいそしむ。
大学を中退して半年あまり、俺、
上司も同僚も、脳みそに筋肉が詰まっていそうな頭の悪い連中ばかりだが、時給は悪くないし、そもそも転職のためにあれこれやるのも非効率的だ。
話の合う人間はいないが、そもそも職場の人間と仕事以外で関わるのは無駄だ。
「よう鈴代、またダンナにどやされたのか?」
考えている傍から、邪魔な人間が俺に話しかけてきた。
目の前に立っているのは、40代くらいの小汚いおっさんで、他の連中と違いムダ毛まみれの手足は細く、伸ばしっぱなしの髭と、タバコの臭いは生理的嫌悪感を覚える。
「
俺はさっさと離れようとするが、手ぶらな向谷は素早く俺の前に回り込む。
「つれねぇな。ここじゃ俺とお前ははぐれもんの仲間だろ。ヒヒヒ」
一緒にするなと言ってやりたいところだが、ここで揉め事を起こすのも無駄だ。
俺は適当にあしらって仕事に戻ろうとするが、向谷は俺の肩に手を回す。
「うっ……」
タバコと加齢臭の混じった臭いで、思わず吐き気を覚える。
そんな俺にお構いなしに、向谷は続ける。
「実はいい台を見つけたんだよ。どうだ?一発当てにいかねぇか?」
「いえ、俺はパチンコとか興味ないんで」
あんなコスパも頭も悪い遊びなど、俺がやるはずがない。
だが、タバコで脳みそも腐ったこいつは、俺の話など聞きはしない。
「食わず嫌いはよくないぞ。わけーうちに何でも経験しとくもんだぜヒヒヒ」
「だから……」
「そうだ!一緒にくりゃ、俺が当ててお前に分け前を……」
「向谷!サボってねぇで仕事しやがれ!」
そこで今度はタイミングよく、間島が怒鳴り声で向谷を追い払ってくれた。
「おめぇも一々付き合うな。だからあいつも調子乗んだよ」
感謝したのもつかの間、完全に被害者であるはずの俺にも叱責を飛ばす。
やっぱりこいつも、俺の味方じゃない。
とはいえ、邪魔ものが消えて仕事が捗る。
俺は上司の目を盗んで、効率的な方法で作業を再開した。
◆
昼休み、俺は近くの食堂で昼食をとることにした。
中はお世辞にも綺麗と言えず、席もカウンターが十五席と、奥に申し訳程度のテーブル席が四席あるだけの狭い店内に倉庫で働いている連中が押し込まれている。
「あら、あんたいらっしゃい」
カウンター奥のおばちゃんが俺の入店に気付いて声をかけてくれた。
「おばちゃん。えーっと」
「どうせいつもの定食ご飯大盛りでしょ」
俺が席に座ってしばらくして、この店で一番安い定食が出てきた。
大盛りのご飯に、豆腐しか具のない味噌汁、白菜の漬物、そして豚肉と大根の炒め物。
これだけあってわずか税込み500円、しかもご飯と味噌汁はお替り無料、味もそれなりに旨いとなれば、店の内装に文句など言えない。
「いただきます」
俺は格安定食にがっついたところで、つけっぱなしのテレビでニュースが流れていた。
『先日、渋谷区の路上で発見された遺体について、警察より、身元が判明したと発表がありました』
女性アナウンサーが原稿を読み上げると、被害者の顔写真が映し出される。
『被害者は翠明学園の高校二年生、鈴木直樹さん。顔を鈍器のようなもので複数回殴打され殺害されました』
『凄惨な現場から、SNS上ではニュージェネレーションの狂気の再来ではないかとの意見もありますが』
『ニュージェネ事件ってもう10年以上前ですよ?模倣犯が出るようなブームはもうとっくに過ぎてるんですよ』
そこでコメンテーターの男が割り込む。
テロップで、その男が犯罪心理学者であることが紹介された。
『今回の顔面レモン、そして先月起きた連続薬物殺人、ハッピートリガーとか呼ばれてますが、それぞれ個別の連続殺人です。現に、顔面レモンの被害者は共に翠明学園の生徒という共通点がありますし、ハッピートリガーの被害者は反社会的勢力と何らかの繋がりがあります。それぞれ異なるターゲットを狙った犯行であることは明らか、渋谷で起きた猟奇事件を全部ニュージェネに結び付ける安易な考え方は感心しませんな』
ニュージェネレーションの狂気、通称「ニュージェネ」。
渋谷で起きた全部で七つの猟奇事件で、各事件には「集団ダイブ」「妊娠男」「貼り付け」「ヴァンパイ屋」「ノータリン」「美味い手」「DQNパズル」といったふざけた名前がネットの掲示板でつけられたらしい。
俺はその当時まだ2歳だったから、詳細を知ったのはその六年後に起きた、ニュージェネレーションの狂気の再来の頃だ。
そして現在、渋谷ではまたもや猟奇殺人事件が起きていた。
一つは薬物を大量投与されて殺された事件で、被害者のトリップした不気味な笑顔、そして遺体に残っている複数注射痕が弾丸でハチの巣にされたように見えることから、「ハッピートリガー」と呼ばれている。
二つ目は今ニュースでやっている顔面を殴打された事件。
顔は深くめり込み、まるで「レモンミーム」を思わせることから「顔面レモン」と呼ばれている。
これらの事件はどちらも2件ずつ発生しており、この辺が個別の事件が連続したニュージェネとは大きく異なるらしい。
「怖いわねぇ」
おばちゃんがニュースを見て深刻そうな顔でため息を吐く。
「おばちゃんはニュージェネ事件の頃、渋谷に住んでたの?」
「えぇ、若い頃からここで店をやってたわ。あの頃は一時期客足も遠のいてね」
「おばちゃんおかわり」
俺は話半分に聞きながら茶碗を差し出した。
「あんた、このニュース見ながらよく食べるわね」
「自分と無関係な事件で気分を害するなんてエネルギーの無駄。それに昼のうちにカロリーを多めに摂取して、夜に食べる量を減らすのが、一番エネルギー効率のいい活動だ」
「……あんたはうちの客で一番作り甲斐がないよ」
おばちゃんは文句を言いながらも、ご飯と味噌汁をよそってくれた。
「ていうか、そもそもテレビつけなきゃいいのに。利益につながらないのにつけても電気代がもったいないでしょ?」
「あんたみたいになんでも効率とか省エネでやってないの。うちは昔からこのスタイルでやってるんだから」
俺としては、少しでもこの店が続くようにアドバイスしたつもりだが、おばちゃんには必要ないらしい。
「ご馳走様」
俺は500円玉をカウンターに置いて店を後にした。
◆
仕事を終え後、俺はすっかり日も暮れた夜道を歩いていた。
渋谷は人が多いことで有名だが、住宅街ともなればそうでもない。
街頭に照らされた道には人の姿が見当たらない。
俺は帰りに買った「フルーツオレ」のペットボトルキャップを開ける。
「っん……ぷはぁ」
そして中の飲料を喉に注ぎ込んだ。
このフルーツオレは省エネ生活をモットーとする俺の数少ない贅沢だ。
税込み108円で内容量は500ml、その割にカロリーが高くてコスパがいい。
特に今日のような梅雨入りで蒸す夜にはこの冷たさと甘味がちょうどいい。
俺はペットボトルの蓋を閉めた
その時、
「っ!」
街頭がパチパチスパークし、一瞬辺りが暗くなる。
街頭はすぐに明るさを取り戻し、いつもの夜道に戻るが、俺は驚きのあまりペットボトルを落としてしまった。
「くそっ、脅かすなよ……」
俺は不具合を起こした街頭に悪態をついて、転がったペットボトルを拾い上げた。
そこでふと、裏路地の方に目が行った。
「そういえば、この辺って、ニュージェネ第三の事件、張り付けの現場じゃなかったか?」
昼間にニュージェネの話をしていたせいで、嫌な想像が頭を過る。
「いやいや、ないない……よな?」
俺はしばらく考えた末、自分の想像を否定するという名目で、路地裏の方へ歩き出した。
「うっ……」
そして、俺はその決断を後悔した。
目の前に転がっているのは、学制服を着た金髪の男。
泡を噴いてぐったりとうなだれた様子で、死んでいることはすぐにわかる。
瞳孔は開かれ、口角が持ち上がり、そのおぞましさに反して、まるで幸せそうに笑っているように見えた。