取り敢えず息抜きで書いた単発ものです
決して今書いてる奴の次が煮詰まったとかそう言う訳でなく……
いやね、ラノベだったらまだしもゲームとか……就活中の学生にはちとキツイ
暗闇に覆われた幻想郷
そんな中暗がりの中を雄々しくかける少女が一人
名前をフランドール・スカーレット
幻想郷のなかでも一際異彩を放つ紅魔館に住んでいる吸血鬼の少女である。
今彼女は弾丸のような速さでとある人物のもとへ飛んでいる。
ここ最近この幻想郷へ来たと言った彼はフランドールの固く閉ざした心を簡単に開け
放ちその身に巣食う狂気すら『美しい』と言ってくれた人物である。
お兄様と呼び、慕っている彼がこの幻想郷を脅かすような異変を起こすはずがない……ッ!と信じ切っている少女はその身に宿る力の全てを発動させて異変の中心地へと
向かう。
ここで一つ幻想郷を知らない人に異変とは何なのか?を説明しよう。
とある高名な先生の話によると異変とは、幻想郷規模の広範囲に渡る事件のうち発生
時点で原因不明とされたものとのことだ。
本来これは幻想郷のバランスを保つためであったり、妖怪が暇つぶしに起こすもの
だったりと様々な理由があるがそれらに関係しているのは全て大妖怪が起こしている
という点だけである。
彼女が慕う彼の種族は人間、普通は吸血鬼などに搾取される種族である。
霧雨魔理沙、博麗霊夢など例外もいるがそれは所詮少数派でしかない。
この幻想郷で人間が妖怪に淘汰されず生き延びているのはある種の奇跡と言っても
過言ではないだろう。
お兄様もその例外の中に入るがそれでもこんな大規模なことを起こす程の甲斐性は
無かったはずだ。
幼い自分が言うのだから間違いない。
黒雲の中心が見えた。
そこには愛するお兄様の家がある。
みすぼらしい一軒家だが中はしっかりと掃除されていて清潔感があった。
何度か御呼ばれして遊びに行ったことのあるお兄様の家だ。
そんな彼女にとっての第二の紅魔館ともいうべき家が半壊していた。
そこには優雅に座って紅茶を飲む血だらけのお兄様の姿
体にはナイフだったり、矢だったり、皿の破片だったりと色々なものが刺さっており
体には殴打の痕や刀傷、火傷の痕が残っている。
「お兄様!」
フランドールの胸にはお兄様と呼ぶ彼の心配の2文字しかなく危機感を持たず真っ
直ぐに突っ込んでいった。
「コラ、フランドール……敵に向かって真っすぐに突っ込んだらただの的にしかなら
ないぞ?」
優しく語りかける彼が放った霊力?で練られた弾丸はフランドールを真っ直ぐ打ち
抜いた。
「何故自分に向かって弾幕を打ったのか分からないって顔をしているね、
フランドール」
彼が優しく彼女に言い放った言葉はあまりにも残酷な現実だった。
「そんなの、僕が起こしたこの異変……仮に『虚無異変』とでも言おうか……この
虚無異変を起こしたのが僕だからだよ」
彼の口はまだ止まらない。
「フランドール、最初に言ったね?僕は壊れていると……まさにその通りなんだよ」
そう彼は自分にあった当初自分の事を『壊れてしまったタダの人間』と言っていた。
共に過ごすうちにそれを忘れてしまったが……それが何だと言うのだ。
「コラ、壊れたことを自覚するものを侮ってはいけないよ?そう言う者たちは皆自分
の快楽の為に死を受け入れることのできるから、そう言った死を恐れないものは君達
不死の妖でさえ凌駕してしまうものだ」
現に僕は幻想郷にある全勢力を迎え撃ってまだこれだけの傷で済んでいるからね、と
付け足す彼の笑顔は今まで見た中でも群を抜いて綺麗だった。
「僕にとっての快楽は大事なものを破壊すること、この前まで何も大事なものを持た
なかった僕としてはとても贅沢なことなんだよ」
彼が済んでいた前の世界はとても退屈で生きていることさえ苦痛だったと聞く。
とある巫女はそんなことは無かったと言うがフランドールにとっては彼の謂うことが
絶対だった。
「だからこそ君がここへ最後に来てくれたことが嬉しいよフランドール……君のその
愛らしい顔が歪んでいくのを想像するだけで絶頂に達してしまいそうだ」
フゥ、と彼は息を吐いて一言
「さぁ、フランドール。ここでの選択肢は2つに1つ、1つは僕に倒されて幻想郷が
壊れていくのをじっと見ていること。その中には君の愛する紅魔館の住人の死も
混じっている」
「そしてもう1つは僕を倒すこと……どちらか一つをとっても僕は得をするわけ
だけど賢い君の事だ。何をすればいいのかわかるね?」
そう言いながら彼は立ち上がる。
半死半生の身である彼はそう長くは無いだろう。
「前に言ったね?僕の能力の名は『ありとあらゆるものを騙す程度の能力』騙すと
言うのは誤魔化すこと、君が持つすべての感情を、記憶を、知識を、言葉を僕の
全身全霊を持って誤魔化しつくしてあげよう」
なら私がこの手で引導を渡す。
決意のこもった眼で前を見るフランドールの目は赤く充血していた。
「と言っても壊すと言う事象の究極点にある力を持っている君にはどこまで通用する
のかわからないけどね?」
「誤魔化させないわ……私の持っているこの気持ち、お兄様にすべて届ける‼」
「それじゃあ、最後の弾幕ごっこを始めようか……My Little Honey?」
この弾幕ごっこの結果は皆さんの予想通りの結果に終わる。
まぁ、敢えて言うならば半壊した一軒家の近くに真新しい石が突き立てられそこに
毎年7色の花が添えられている……と言うことぐらいだろうか?
フム、やはりスカッとした悪役にはならんな
どこか薄っぺらいものを感じてしまう