【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
拝啓 浅井長政へ
長政とは政略結婚で夫婦になり、長政は顔も体格も正直好みでした。
色白の肌にふくよかな体型、顔も整っていて、この人に嫁げて良かったと思いました。
ただ、私にはその前から好意を抱いていた人が居たのです。
彼との出会いは私がまだ幼かった時、信長兄様の奥方である帰蝶様の祈祷を行っている時に覗いて、何をしているか聞いた時から出会いが始まりました。
彼は元々低い身分だったのですが、懸命に努力して出世していき、信長兄様に気に入られてドンドン戦に駆り出されるようになりました。
彼はその度に武功を挙げて帰還し、戦の事を面白可笑しく話してくれるのが好きでした。
彼は私を喜ばせる為に色々な国のお話をしてくれました。
中華の王朝のお話や、大陸の天竺よりも遠くの国のお話……そのどれもが面白可笑しく、私は彼の話を聞くのが好きでした。
しかし、彼と私の間には身分の差が広がっており、とてもではありませんが恋仲になることは許されなかったのです。
信長兄様も私があなたに嫁ぐとなった際に謝られました。
しかし、それが武家の務めであると思い、私はあなたに嫁ぎました。
婚姻の儀を終えて初夜になり、私は緊張していました。
私は優しく扱ってくれるのであろうと思っていましたが、あなたは私の胸を強く揉み、そして昂ったイチモツは爪楊枝の様に小さかったのです。
私の中に出されましたが、そこに気持ちよさは全く無く、ただ義務感と落胆が広がっていました。
しかし子供を産むのが私の務めです。
夫婦仲があまり良くなかったとしても、女として務めを果たさなければなりません。
ただ茶々を産んで、初を産んで……あなたは2人を産んだ時に私への労いの言葉ではなく、次は男を産んでくれと冷たく言ったことは忘れられません。
お腹を痛めて産んだ我が子に対してそれですか。
あなたと私の間に愛は無かったのですね。
私がボソッと彼の事を呟いた後にあなたは私を紐で縛って犯す様になりましたよね。
さぞ征服感が高まったことでしょう。
私は痛くてしょうがありませんでした。
そして運命の日がやってきました。
私が彼に助けられたあの日……私の世界は広がりました。
彼は私の事を愛してくれます。
夜もあなたが爪楊枝なら彼は攻城戦で使う丸太です。
私の事を満足させてくれますし、彼は女の子が生まれてきてくれても愛してくれました。
それに今ではあなたに懐かなかった茶々や初も、彼に実の父親の様に懐き、家族として扱ってくれています。
正直に言います。
あなたが信長兄様を裏切ってくれて良かった。
お陰で私は本当の愛を手に入れることができましたし、子供達にも良い影響を与えています。
あなたは恐らくこの手紙を読んだ後に死ぬことでしょう。
私は悲しみません。
茶々も初も悲しむ事はありません。
自分のした選択を悔やんで死んでください。
お市より
「なかなかえげつない手紙だな……お前だろこんな事を書かせたの」
浅井長政が捕縛されて、織田本陣に引きずり出される少し前、松永久秀ことマリアが手紙を俺に見せてきた。
その内容が上記の通りで、これを見たら浅井長政がどうなるか見当もつかない。
「この世に未練を残して悪霊になるくらいだったら良いじゃろうて……儂はあの世にいる三好長慶様を見たからな! 兄弟もあの世はあると思っておるのじゃろ?」
「まぁそれはそうだけど……これ市が書いたのか?」
「ノリノリじゃったぞ。相当鬱憤を溜め込んでいたらしいのぉ……それだけ兄弟は愛されているってことじゃが」
「うへぇ……愛が重いねぇ」
そんなやり取りをしていると、小谷城が落城し、籠っていた浅井の家臣が縛られて陣に並べられた。
信長様の許可を取り、浅井長政だけ手を縛っていた縄を解かれると、俺が彼に手紙を渡す。
読み始めた彼は涙を流し始め、続いて血涙を流し、最後は泡を吹いて倒れてしまった。
「馬、長政に何を読ませた?」
「読みますこれ?」
俺は信長様に渡すと、信長様は爆笑し始めた。
「余を笑い殺す気か! 市と仲良さそうで何よりだ! そうだな! こんな物を読まされたらそりゃ父親であった長政はこうなるな。だが、彼奴なりには愛していたのかもしれんぞ。あの反応だと」
「不器用過ぎましたね。愛が伝わらなかったのですよ」
NTRレターを読まされて脳破壊されてしまった長政を見た他の家臣達は手紙1つでこんな状態になる者を当主として今まで担ぎ上げてきたのかと落胆の表情を浮かべる。
信長様も
「余はこんな奴を義兄弟として重宝しようとしたのか……恥ずかしいな」
と黒歴史にしてしまった。
顔も見たくないと言われた浅井長政はその場で斬首されることになったが、せめてもの情けと俺が首切り人を買って出た。
「長政……市や茶々、初は俺が大切に育てるから安心してあの世に行けや」
「アバババババ」
もう言葉を喋ることもできなくなった長政を俺は斬首し、首の皮一枚残し、首が重さで下に垂れ、そのまま千切れて首を入れる桶の中に入る。
ふと長政の下半身をみると袴に白い液体が大量にこびりついていた。
「死に際に射精してたのかよ……こうはなりたくねぇな」
浅井家の家臣達も次々に斬首されていくが、こんな無様な長政の死に様を見ていたので、あの世で仕えるなら父親である久政様に仕えたいと願って死んでいった。
ここに浅井家は滅亡し、第一次、第二次織田包囲網の一翼を担っていた浅井、朝倉家は両者滅亡し、第二次織田包囲は瓦解となるのだった。
「津田又兵衛、お主に越前半国を任せる。以後半国主としてこれからも織田軍を支えるように」
信長様より正式に任命され、俺は越前半国を有する領主になることになった。
なのでこれから数ヶ月かけて引っ越し作業である。
長年住んできた美濃の屋敷ともお別れで、村人達とも別れると思うと込み上げてくるものがあるのだった。