【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「ふう、ここが越前なのね」
私、雫は子供達を引き連れて、又兵衛達と一緒に越前の新しい領地に来ていた。
道中、織田軍と朝倉軍の激戦が行われた場所を通ってきたが、無縁墓が無数に作られていた。
あの場所は空気が淀んでいて、霊気が溜まっているような……そんな感じがする場所で、通り抜けるまで胃がキリキリしていた。
そして越前の一乗谷と言う町に到着すると、なんと見事な町並みか。
綺麗に区画分けされて、大通りも広くて綺麗に整えられている。
町人の人々は新しい支配者に少々怯えている感じもするが、人数も多く、私達が今まで住んでいた加茂村とは大違いの大都会である。
そのまま朝倉館と言う朝倉氏が本拠地にしていた館に入り、館の広さに驚く。
常御殿……生活をするための場所に、主殿……政務を行う場所、会所……面会室や会議室の様な部屋に、茶室、立派な花壇のほか、広々とした台所に、厩(うまや)、多くの蔵が並んでいた。
広さ的には1町の田んぼに引けを取らない広さであり、その広さが分かるだろう。
(正確にはサッカーグラウンド程度の広さ)
ただここは仮住まい。
又兵衛曰く、もう少し北の場所に元々足利将軍様が滞在したことがある屋敷があり、そこを増改築して生活するための場所にするらしい。
子供達は広い屋敷に大盛りあがりで、屋敷の中を走り回って遊び始めてしまった。
元気なことで……。
「母上、体調は大丈夫ですか?」
「ん、問題ないわ、ありがとう国丸!」
「いえいえ」
私の長男である国丸もそろそろ元服を又兵衛にお願いしないと……。
元服させないで戦に駆り出している又兵衛も又兵衛よね。
「さてと、皆、庭も広いんだから庭で遊んできなさい!」
「「「はーい!」」」
子供達を庭に追い出して、私は屋敷の中を散策する。
「あ、玉ちょうど良いところに」
「どうしました?」
「一緒に屋敷を散策しない?」
「ええ、行きましょう!」
玉を引き連れて散策を始める。
まず見るのは台所。
私達も立って料理をするかもしれないので見ておく。
「窯の形状が少し違いますが、それ以外はほとんど一緒ですね」
「そうね! これなら料理しやすいかもね」
玉の言葉に私も返答する。
又兵衛に鍛えられて、私達の料理の腕前はだいぶ上がっていたし、又兵衛は広い領主となったことで、台所に立つ機会が減るかもしれないから、私達がそれを支えないと。
「お手伝いさん雇うんですかね」
「どうだろう。雇うんじゃないかな」
雇うとなったら津田家のしきたりというか習わしというかを慣れてもらわないと……。
普通上級武士の奥方は台所に立つ事は無いけど、私達は普通に立つし、なんなら色々な趣味をしているからね……。
台所を移動して寝室を確認する。
「ここはちょっと狭いわね」
「又兵衛様と妻全員で寝るとなると少し狭いかもしれませんね」
寝室は前の加茂村の屋敷の方が広かった。
今だに妻全員で挑んでも又兵衛に勝てた試しが無いし、なんなら又兵衛の精力は年を重ねるごとに強くなっている気がする。
「又兵衛様、三十路になった私にも優しく抱いてくれて……嬉しい限りで」
「玉は三十路って感じがしないじゃん。他の人からまだ二十歳前に見られることもあるじゃない」
「そうですけどやっぱり少しずつ衰えみたいなのは感じますよ」
「そういうもの?」
「雫さんもあと数年すれば分かるようになりますよ」
「ふーん」
続いて庭を見に行く。
そこには立派なツツジが植わっていて、梅の木やイチョウの木、モミジの木が植えられており、春と秋でそれぞれ季節を感じられる作りになっていた。
今はまだ秋には早いので紅葉もしておらず、青々とした木々を眺めることになる。
「桃の木とか植えても良いかもしれないわね」
「そうですね、柿の木や栗も良いかもしれませんよ」
「玉のは食べたいだけでしょ」
「バレましたか」
「バレバレよ」
庭を歩いていると、子供達と鬼ごっこをしているマリアが居た。
「鬼さんこちら! 手のなる方へ!」
「ちょ、ちょっと待つのじゃ……お前ら体力がありすぎるのじゃ……」
マリアは舌を出して汗だくになりながら子供達を追いかけていた。
マリアは教養人なのに子供達と遊ぶ事も好きで、よく走り回っている。
「マリア、あなた妊婦なんだからあまり無茶はしない方が良いわよ」
「そ、そうするのじゃ」
私が声を掛けると、疲れたのか座ってしまった。
子供達ががんばれ~とか言っているが、マリアは動けそうに無い。
「皆、マリア疲れたって。あんた達で新しい鬼を決めてなさい」
「「「はーい」」」
子供達は新しい鬼を決めるため、又兵衛が考案したじゃんけんという遊びをしながら鬼を決めていく。
「た、助かったのじゃ……雫、玉」
「お腹の子供に響くわよ」
「すまんすまん……走り回れるのが嬉しくてのぉ」
「全く、老人みたいな事を言うわね」
又兵衛がマリアは松永久秀って言っていたけど、女だし、南蛮人だし、年齢も全然違うし……。
「私が介抱しますから、雫は散策続けては?」
「そう? いや、流石に1人だと何か起こったら対応できないから、私もついて行くわよ」
「すまんのじゃ」
「もう、無茶しちゃ駄目よ」
マリアを介抱してあげるが、屋敷の井戸の場所が遠くて結構苦労する。
台所近くに井戸があると便利だけど……又兵衛の事だから新しく作る屋敷はそこも凝るんだろうなって信頼している。
ただ、結構動いたので小腹が空いてきた。
何か軽く作って食べるか。
台所横の暗室に壺が並べられており、色々な食材が入っているが、そこから小麦粉と蜂蜜、牛酪(バター)を取り出す。
鍋で牛酪(バター)を溶かし、少し冷ましたら、小麦粉と蜂蜜、牛酪を溶かしたものを入れて手でこねる。
すると黄色い生地が出来上がってくるので、麺棒で伸ばして、四角く形を取る。
そして平鍋(フライパン)で焼いていく。
先程の牛酪(バター)をしいた鍋に四角い生地を並べて焼いていく。
火を弱めて蓋をして火を中まで通したら、ひっくり返し、今度は蓋はせずに焼き色をつける。
完成したのを器に並べて冷まし、又兵衛が持ってきた白濁液が湧き出てくる竹の茶器から原液を取って、他の茶器に入れて水で割ったのを3人分用意してマリアと玉が休んでいる部屋に持ち込む。
「えっと又兵衛曰くクッキーだったっけ……焼き菓子作ってきたから食べましょ」
「おお! 美味しそうなのじゃ!」
「雫も料理上手になりましたね」
2人が褒めてくれるので、私も嬉しくなる。
3人でクッキーを食べてゆっくりするのだった。
夜、私は又兵衛に寝室に来るように言われた。
「今日は私だけですか?」
「あぁ、久しぶりに雫だけを抱きたいと思ってな」
「全く……仕方ないわね」
寝間着を脱いでいき、裸になると、又兵衛に抱きついて接吻(キス)をする。
又兵衛のゴツゴツした手が私の胸と股の気持ち良いところを絶妙な手さばきで攻めてくる。
「ぷはぁ……」
舌を絡めた接吻を終える頃には私の股は大洪水。
何度もイかされてしまう。
「股を開け」
「はい」
股を開いた私に又兵衛の巨大なイチモツが中に入ってくる。
ニュルルンと開発され尽くされた私の中でも、又兵衛のイチモツが全て入ることは無い。
それでも気持ちよくしようと、必死に股を絞めるが、又兵衛の運動についていけなくなり、今回も私が負けてしまう。
「ふ、ふう……まだできるわよ」
「じゃあ遠慮なく」
新しい環境でも私と又兵衛の仲は変わらないのであった。
じゃんけんの起源は江戸時代なので戦国時代にはまだ無いんですよね……。