【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「猿飛、高雉……はじめの親父さん……敵は討ったからな」
戦後処理を終えて、俺はすぐさま越前への帰路についたが、道中美濃の加茂村に立ち寄り、家臣達には温泉で戦の疲れを癒すように指示し、その間俺は三方ヶ原で亡くなった家臣達の墓参りをしていた。
「又兵衛様……」
俺と一緒に菊八、熊部、栗犬の3人も墓に手を合わせていた。
「安心しろ猿飛、高雉……お前さんらの息子や嫁さん達は元気に暮らしていんじゃけぇ。子供が大きくなるのは早くてな、もう少ししたら又兵衛様の小姓入りの話もでちょる。ちゃんとお前さんらの意思は次世代に繋がっとるよ」
栗犬が墓石に水をかけてやる。
俺は次いつ来れるか分からないので墓を綺麗に掃除すると住職が、挨拶に来た。
「お久しぶりです津田様」
「おぉ、住職久しいな。元気にしていたか?」
「はい、残った村の民と一緒に平穏に暮らしておりました。ただやはり津田様が居なくなったからか、農作物の収量が少し減ったと嘆いておりましたが」
「うむむ……」
まぁ川に精液ばら撒くファラオ式農法をやらなくなったからだろうな……たぶん。
まぁ現在は奇祭として村から選ばれた男性が川に射精するという儀式が残ってしまったが……。
「どれくらい収量が減ったのだ?」
「減ったと言っても大豊作が豊作になったくらいで、津田様が統治をしていた村々は今でも裕福な暮らしができております」
「そうか……それならいいんだが……」
領地から千人近く人口を引っこ抜いたから生活も少し苦しくなっただろうに、住職は嫌な顔をせずに対応してくれている。
墓地から村に戻ると、村の民からも久しぶりに会えた俺に声をかけてくれる。
加茂村の皆との触れ合いで自分が愛されていることがよく分かる。
俺も温泉に向かうと、涼み処でゆっくりしている島とばったり会った。
「島、改めて合戦では全体指揮を執ってくれてありがとうな」
「いえ、私は又兵衛様の補佐をしただけですよ。勝敗を決定したのは又兵衛様と部下達の頑張りです」
「俺は今から風呂に入るが、島も良かったら入らないか?」
「主に言われたからには付き合わなければなりませんなぁ」
島はさっきまで風呂に入っていただろうに、俺に付き合ってくれた。
薄暗い蒸し風呂の中、裸の男が2人……何も起こらないわけもなく……。
「何馬鹿な事を言っているんですか」
「ちょっとノリでね……まぁ信長様だと本当にこういう場所で襲ってくるけどね」
「信長様……今回の武田との決戦で大勝したことで東の重しが取れましたが、信長様の目線は次にどちらに向かうとお思いで?」
「いよいよ本願寺に注力することになるんじゃないかな。武田が居なくなって織田は包囲網を食い破ったことになるし、石山本願寺を落とせば畿内の安全を確保することにはできるから」
「本願寺攻めに我々津田軍は投入されるのですかね?」
俺は手ぬぐいで顔の汗を拭き取りながら
「いや、信長様は本願寺には信長様の本隊と明智光秀殿率いる畿内軍で倒す腹づもりらしい」
「兵力は足りるので?」
「まぁ8万くらいは集まるだろう。で、秀吉殿は中国地方平定を指示されたので、そちらにも3万から4万の兵が動員され、残りの殆どが武田領の切り取りに動いているからねぇ」
「つまり北陸方面は我々津田軍しか居ないと」
「まぁそうなる。上杉謙信がどう動いてくるか分からないけど、武田領の切り取りに兵を割いてくれるのなら上々、こっちに来るようなら柴田のオヤジ殿や織田信忠様の軍が信濃を切り取って越後本領への圧力をかけてくれるでしょう。上杉は遅かれ早かれ織田に臣従するしか家を残す道は無いよ。まぁ関東の北条にも言えることだけど」
「信長様は上杉をどうするおつもりなのでしょうか」
「上杉謙信公を恐れているからねぇ……信長様。だから俺が交渉をする役目を担っているのだけど……」
「交渉するにしても加賀の一向衆が邪魔ですな」
「ああ、あいつらが加賀に居座る限り上杉との連絡が取れないからな。今年……いや、来年には北陸軍を更に強化して、殲滅することにしよう」
「一向衆は烏合の衆となっていますからね、数だけ多くて碌な統制が取れていない。簡単に策にハマりますからね」
「まぁ油断せずに詰ませて行こう」
蒸し風呂で汗だくになった俺達はお湯を汲んだ桶で汗を流して、水風呂に入る。
「おお、これよこれ」
「心の臓がキュッとなりますな」
「年老いてくるとそれが命取りになることもあるが、俺達くらいだと血管の伸縮や血液の流れを良くして健康に良いんだがな。冬に水風呂入ると凍てつく寒さで体がガチガチになるから、春から夏にかけてのこの時期の水風呂が一番良い。夏はぬるくて気持ちよさも半減よ」
「又兵衛様にはこだわりがあるのですね」
「ああ、風呂に関しては色々口煩いぞ」
「私はゆったり入れればそれで良いのですが……」
水風呂から上がった俺と島は椅子で少し休んだ後に、普通の温泉に入った。
「島、湯から上がったら何を食べる?」
「そうですねぇ……せっかく加茂村に戻ってきましたし、鶏ちゃんを食べたいですな」
「お、良いね。俺も一緒に食べよ」
鶏ちゃんは現代では岐阜県の郷土料理で、俺も前世で作ったり、居酒屋で食べていた経験があり、養鶏と玉菜が広まった時期に村人達に振る舞って、広がったため、加茂村の名物料理となっていた。
信長様も味付けの濃い鶏ちゃんは大好きで、チーズハンバーグの次に加茂村の温泉に来ては食べていた気がする。
そうそう、俺が居なくなった後も加茂村では牛の飼育が続けられ、チーズが作られ続けていた。
作られたチーズは信長様の住む岐阜城に届けられていた。
今築城している安土城には新鮮な牛乳を飲む為に牛を飼育するスペースを城の中に造っているらしく、城造り担当の丹羽長秀殿が頭を抱えていた事を思い出した。
安土城……予定では来年には居住スペースは完成らしいがどうなることやら……。
俺と島は鶏ちゃんとざる蕎麦を食べ、腹一杯になり涼み処でゆっくりするのだった。
越前に帰るとすっかり臨月になった珠子が出迎えてくれた。
「又兵衛様! お帰りなさい!」
「ああ、ただいま!」
すっかり大きくなったお腹を撫でると珠子はびくびくっと体を震わせた。
「あの……又兵衛様が良かったら奥さんの皆さんにしているお迎え棒をしてはくれませんか」
お迎え棒……それは臨月の妊婦と性行為をすることにより出産を促すという行為である。
精子には子宮を伸縮させたり強い衝撃を与える成分が混じっており、それを利用して陣痛を起こすというもので、科学的根拠はほぼ無い行為なのであるが、女性へのスキンシップが取れたり、出産へのストレス軽減にはなると言われているものである。
で、津田家に嫁いだ珠子がなぜお迎え棒をせがんできたか……それは俺がいる時に出産する妻達の殆どがお迎え棒……ボテ腹セックスを経験して、それで出産に至った事が必ず1回はあったからである。
津田家の子供達が一切早世することが無い秘訣ともまことしやかに囁かれていた。
せがまれたらやるしか無いわな。
俺はその日の夜、寝室に珠子を呼ぶと何度も激しくピストン運動をするのだった。
種付けおじさんの能力のお陰か、本当に陣痛が始まり、珠子はアヘ顔を晒し、陣痛でヨガり狂いながら出産し、元気な男の子を出産するのであった。