【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

129 / 202
毛受の兄達と毛受近国の飲み歩き

 どうも皆さん、元服したての国丸改め毛受近国です。

 

 今日は元服済みの兄上達を紹介していこうと思います。

 

 まず高貞兄上は既に津田屋敷から独立していて、忍び達が暮らす一乗谷近くの山の中に屋敷を構えています。

 

 そこで武田から引っこ抜いてきたくノ一達50名を嫁にし、酪農や畜産、養蜂、椎茸栽培、養蚕等をしながら、1000貫の俸禄を津田家から貰って暮らしています。

 

 又兵衛父上が一番武将として信頼しているのと長男ということもあり、弟妹の多い津田家でもまとめ役として家中を纏めるのに一役買ってくれています。

 

 ちなみに副業の数々により実質的な収入は3万貫にもなると言われていて、小金持ちでもあります。

 

 最近ではポコポコ産まれる子供の育児に奔走していて、津田家の年長者である望さんに育児を手伝ってもらうために度々高貞兄上の屋敷に呼んでいたりします。

 

 又兵衛父上よりは精力は落ち着きますが、それでも絶倫で、毎日10人近く相手しているとのこと。

 

 うーん、産めよ増やせよを神が言っていましたが、このペースで増えると日ノ本は200年後には殆ど又兵衛の子孫で埋め尽くしそうだけど……。

 

 まぁ俺を送り出した神もそれを踏まえて監視の為に俺を現世に落としたのだろうから、又兵衛の血で日ノ本を汚染して良いのだろうけど……。

 

 さてさて、次は次男の毛受初鳴(はつなり)。

 

 はじめさんを母親とし、次世代の忍びのまとめ役を担う事を望まれている人物で、現在は霧丸さんの下で忍びの術を学んでいます。

 

 既に中忍クラスの実力はあるのだとか……。

 

 初鳴兄上のやったことと言えば、パチンコを開発したことで、ゴムを用いた非殺傷兵器なのだが、弾丸に唐辛子粉を内容した物を使うことで、対象に当たって破裂し、唐辛子粉の成分と当たった衝撃で相手に激痛を与え、逃走を容易にする為の道具……まぁ忍びの道具として作られた。

 

 俺達兄弟はこのパチンコの扱いが他の人より異様に上手かった。

 

 おそらく又兵衛父上の種付けおじさんのチートを一部受け継いでいる我々兄弟は絶倫かつ巨根、体格もこの時代の人より2回り大きくなるのが約束されていたが、チートの部分……父上だったら射精することで農作物の実りが良くなる見たいなのも一部引き継いでいると思われる。

 

 特にパチンコなんかはパの字を抜けば男根を意味するちんこという文字が浮かび上がる。

 

 これは種付けおじさんのチートを僅かながら保有する我々兄弟にも効果覿面であり、狩猟で鳥類を仕留める時にもパチンコを活用し、獲物を沢山捕まえることが度々あった。

 

 そんな初鳴兄上の性癖は未亡人が大好きというちょっと度し難い性癖をしていて、又兵衛父上に懇願して三方ヶ原で亡くなった猿飛さんと高雉さんの奥さん……俺達からすると一時期共に生活したお姉さん方と再婚したいという話をして、又兵衛父上は一時激怒したが、お姉さん方が子供の養育費をただ津田家から遺族慰労金として貰うだけなのは申し訳ないという話をしていた為、本人達が納得しているのであれば許可すると言った。

 

 結局本人達も納得して結婚し、お姉さん方を懐妊させるに至っている。

 

 菊八兄さんとか共に過ごした人達は凄い複雑そうな顔をしていたが、初鳴兄上も猿飛さんと高雉さんの残した子供を実の子の様に可愛がっているので、家族仲は良好とのこと……。

 

 ただ度し難い性癖は津田家に広まり、あだ名が未亡人好きになってしまう初鳴兄上だった。

 

 続いて、三男で鈴さんの息子の毛受音将(おとまさ)は大のシスコン。

 

 現在も津田屋敷で暮らしていて、嫁いでない妹達と仲良く暮らしている。

 

 で、音将兄上は又兵衛父上に負けない怪力の持ち主で、まだ元服前に美濃から越前に引っ越すとなった際、妹の1人が越前でも栗を沢山食べたいと言っているのを耳にして、加茂村に生えていた三度栗の1本を両手で幹を持ち、力を込めると、根元から引き抜いてしまったのである。

 

 しかもその木を担いで越前まで歩いて向かうという化け物っぷり。

 

 津田家では定番になっている熊殺しの儀式でも武器を使わずに、素手で熊の腹を思いっきり殴ると、熊が吹き飛び、木々に叩きつけられた熊は心臓が殴られた衝撃で破裂して死ぬという人外に両足どっぷり浸かっていた。

 

 父上はそろそろ結婚を勧めているが、結婚したら妹達と遊ぶ時間が減るからと断っており、困ったお人でもある。

 

 この前の長篠の戦いでも、大筒巨人隊の部隊長として兵を指揮して戦果を挙げていた事も話しておこう。

 

 最後に四男の毛受継成兄上……はじめさんの次男で俺と一番年が近い兄上であり、彼は料理隊の副隊長をしている。

 

 本人が幼い頃から料理に興味を持ち、父上に料理を教わって、最近では父上と一緒に朝食を台所で作っている姿もよく見かける。

 

 戦では料理隊を纏めたり、小荷駄隊の指揮をしたりと補給や裏方で活躍していた。

 

 もちろん熊の儀式は突破済み。

 

 得意料理は揚げ物で、料理を習いたての最初期以外で揚げ物をミスった事がないくらい、油の温度を見分けるのが得意だった。

 

 彼の性癖はデブ専。

 

 まぁこの時代だと美人の基準が小太りなので、普通の性癖なのであるが、自分の作る料理をよく食べてくれる女性が好きという一面も持っていた。

 

 現在は織田家家臣(身分はだいぶ低い)の娘さんと結婚し、津田屋敷の近くの屋敷(と言っても現代の農村にある平屋をイメージするくらいの大きさ)に住んで、奥さんと仲睦まじく生活をしている。

 

 たぶん高貞兄上は絶倫過ぎる点以外は完璧なので、その次くらいにはよくできた兄が継成兄上であろう。

 

 そして五男が俺となる。

 

 中身天使だけど、せっかく人として過ごしているので人並みの幸せは掴みたいところである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな俺こと近国の楽しみは越前の領内をぶらりと飲み歩きすることで、今日も仕事を終えるといつもの居酒屋に立ち寄っていた。

 

 父上から給金は頂いていて、年50貫ほど。

 

 それを毎月に分けているので1ヶ月4貫と少しでやりくりしていた。

 

 家臣がいる訳でもないし、津田屋敷で寝泊まりしているので特にお金がかかることも無い。

 

 武具を買い揃えたり、こうやって食べ歩きするくらいしかお金は使わないので、ほぼ貯金になっているが……。

 

「大将やってるかい」

 

「お、近国の坊っちゃん数日ぶりだね。忙しかったのかい?」

 

「まぁね、年貢の確認とか決算の手続きとか色々あってこの時期は忙しいからね」

 

「まぁ俺も津田様のところで働いていた時はそうだったもんな」

 

「でも大将はよかったのか? 最初は美濃で店出すって言っていたじゃないか」

 

「そりゃ坊っちゃん、津田様が移動するってんなら付いていくのが家臣ってもんよ」

 

「大将家臣から独立したのにかい?」

 

「それでもおらぁ津田の殿様の家臣だよ」

 

 居酒屋の大将は三方ヶ原までは津田家の家臣として槍働きをしていたが、武田との戦いで負傷し、足に大怪我を負って、走れなくなってしまったことで引退。

 

 その時の負傷手当と退職金で津田領内で流行っていた居酒屋形式の店の出店を計画していたが、父上が越前に移動ということで、家族と共に移動し、早いうちに場所取りに成功したことで、一乗谷再開発の際に良い場所で店を構えることができたのである。

 

 今日は俺は仕事が休みで午前中から大将の居酒屋に来ているが、昼から夕方にかけては大将の店は人でごった返すくらいの賑わいを見せる繁盛店である。

 

「いらっしゃい近国様、今日も来てくれたんだ」

 

「また来たよすみれちゃん」

 

 大将は娘さんが3人居て、長女とその婿さん、そして末っ子のすみれちゃんが店で働いていた。

 

 次女は大将の引退で津田家との繋がりが無くなるのを恐れて、津田屋敷で侍女として働いている。

 

 ちなみに俺は大将に会いに来るのもそうだが、すみれちゃんに会いに来る為に休みの日は必ずこの居酒屋で1刻(2時間)は過ごす。

 

「じゃぁ菊花のわさび酢あえとれんこんとゆり根の梅肉あえ、あと適当な焼き鳥3本、タレたっぷりで頼むよ」

 

「あいよ」

 

 才能のあった大将は美濃時代、各居酒屋で食べた味を自宅で再現する趣味があったらしく、食べて味を盗んで、更にアレンジを加えて店を出す際に色々なメニューを生み出していた。

 

 特に季節に合わせたメニューが絶品で、秋だと俺がさっき頼んだメニューの他にキノコの胡麻和えや長芋を四角く刻んでオクラと菊で色合いを付けた三色あえなんかのメニューがある。

 

 夏はナスの梅肉だれが絶品だし、冬はイカのよろずあえというイカの胴とほうれん草、油揚げに生姜醤油で味を整えた料理がこれまた美味いんだ。

 

「はい、菊花のわさび酢あえとれんこんとゆり根の梅肉あえ、焼き鳥はももと皮とねぎまにしておいたよ」

 

「お、きたきた、大将、あと熱燗ちょうだい」

 

「はいよ」

 

 熱燗をすみれちゃんが運んできて、1杯目をお猪口に注いでくれる。

 

「ではごゆっくり」

 

「ありがとう」

 

 熱燗を1口飲んでカラッとかつ爽やかな風味を楽しみながら喉を潤す。

 

 天界だとこういう料理は味わえないからな。

 

 役得役得。

 

 菊花のわさび酢あえは薄紫色の菊の品種を使い、心地よい歯ごたえと微かな苦味、そしてまぶされた海苔の味わいを堪能しながらわさび酢の辛さ、甘さを堪能する。

 

 れんこんとゆり根の梅肉あえは酸味の効いた梅肉と淡白なれんこんとゆり根をきっちりと纏めてくる。

 

 青菜の軸を使うことで新しい食感を楽しませてくれる。

 

 旬の野菜を使っているのでどれも美味しい。

 

 タレのたっぷりついた焼き鳥もももは弾力、皮は染み出した味、そしてねぎまは長葱の甘辛さと鶏肉の味が絶妙にマッチする。

 

 炭火で焼いているので風味も素晴らしい。

 

 焼き鳥、和え物、そして熱燗を回しながら食べる。

 

 あっという間に無くなって追加で注文をする。

 

 結局焼き鳥を8本、和え物を4品に熱燗を3本頂き、お会計は60文。

 

 週に1回か2回しかいけない贅沢であるが、これでも現代換算だと2500円くらいである。

 

 十分安い。

 

 週2だとして約8回、480文で1貫にも届かない。

 

 まぁ時には同席した客が気に入ったら奢ることもあるのでもう少し高くなったり、すみれちゃんや大将にプレゼントを持っていったりするのでもう少し散財しているが……。

 

「さてと、次は何処に行こうかな」

 

 俺はまたふらりと一乗谷の散策に戻るのだった。

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