【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「今年も田んぼづくり頼むぜ」
ブルルと家で飼っている牝馬が嘶く。
重機がない時代、田んぼの土を掘り返すとなると、人の手か家畜の力を借りなければならない。
そのため、俺の家では牛と馬が居るので彼女達に手伝ってもらっていた。
流石に子馬や子牛はまだパワー不足なので母親達にやってもらうが……。
「又兵衛様大丈夫です!」
「じゃあ誘導を頼む、俺は後ろから犂(すき)を押さえていくから」
この時に使うのは犂と呼ばれ、地面を深く耕す為の道具である。
牛や馬にこれを引かせて、田んぼの土づくりをしていく。
某米作りゲームに出てくる馬鍬(まぐわ)とは別で、馬鍬は土をある程度柔らかくした状態で更に土を撹拌させる為の道具であるため、使い時を間違えてはならない。
やり方としては牛を誘導する人と、犂を地面に押さえつける人の2人1組でやる作業である。
「じゃあよろしくな桜大福(牝馬の名前)」
ブモと返事を牝馬がすると、ゆっくりと歩き始める。
すると冬の間に硬くなった地面がどんどん耕されていく。
「はじめ、隣に移動」
「はーい!」
ちなみに俺とはじめのペアと玉ともものペアで2箇所で耕す行為を行っている。
田んぼの総面積は約5反(1反で50メートルプールくらいの面積)なので、これを耕していく。
「でも今年は人数も増えたし、子供のことを考えると田んぼと給金だけでは贅沢はできないな……」
一応1日2食(時々3食)に一汁三菜生活を続けているが、収入が心許ないのは事実。
子供も今後更に増えるし、収入を増やす方法を考えなければならなかった。
「うむむ……1つ種付けおじさんの能力に頼ってみるか」
俺はキノコ栽培に挑戦してみることにした。
確かキノコの中に男根という意味のキノコがあり、それが食用だったはずなので、椎茸栽培の要領で枕木を用意して、ナタで傷を付けて、俺の精液を振りまき、キノコが生えてくることを願った。
まぁこれはできれば良いな程度で、本命は養蜂だ。
巣箱を用意し、ミツバチを捕まえてきて、それを俺の能力で肉体改造を施すことで女王蜂に変えて、巣箱に住んでもらい、蜂蜜を作ってもらうことにしたのである。
戦国時代において蜂蜜は薬の一種とされ、平安末期では蜂蜜を税の代わりとして納税することもあった。
ただ蜜の採取量は少なく、1国で3升(4.5キロ)しか採れなかったという記録があるほどの貴重品である。
「蜂蜜が全く無いな〜と思って利家に聞いたらそれほど貴重な物だとは思わんかったわ……」
なおこの情報は俺が出入りしている商人から聞いた話なので信頼性は怪しいが、蜂蜜が貴重な物には変わりない。
「種付けおじさんの能力で、女王蜂量産出来るし、巣箱もそんなに場所取らないから頼む、上手くいってくれ!」
俺はそう願うのであった。
さて、田植えシーズンとなり、今年は肥料として米ぬかを使ったぼかし肥料を投入した。
この肥料は米の栽培だけでなく、野菜の栽培にも効果のある肥料であり、化学肥料には即効性は劣るが、じわじわと土の栄養素を整えてくれるありがたい肥料である。
作り方も比較的簡単で、米ぬかにぬるま湯、納豆を混ぜて袋に入れて雨の当たらない日陰の場所に保管し、1日1回空気の入れ替えで軽くかき混ぜるだけ。
納豆から菌が繁殖して発酵し、約2週間ほどでぼかし肥料となるのである。
田んぼ1カ所辺り10キロ投入すれば効果があると前世で聞いたことがあるので、事前に撒いておき、それに即効性の強い鶏糞の肥料も水を張る直前に撒いておく。
そして水を張ってからは昨年と一緒。
新しく嫁になったはじめ、もも、里子、鈴には困惑させながらも正条植えをやってもらい、ある程度したら、ため池で育てていた鯉を田んぼに放って今年も頑張ってもらうのだった。
さて、この年は信長様と松平元康という人物が清洲城にて同盟を結んだという話が少し前にあった。
俺の中で松平と言えばケンであり、某サンバのイメージがめちゃくちゃ強かったので、そのご先祖様かな? と思ったり……。
他には利家の家で嫡男が産まれたので俺と秀吉含めた同僚達でお祝いをしたこともあった。
「相変わらず利家殿はお盛んだな」
「何を言うか又兵衛、お前さん4人も嫁を増やしたそうじゃないか……しかも全員お腹が膨らんでいるって聞いたぞ」
「いやぁ、皆いい娘で孕ませてしまいましたよ」
そんな話をしていると秀吉殿が
「良いなぁ、オイラも愛人増やしたいけど、ねね(秀吉の奥さん)に不倫したのがバレるとおっかなくて……」
「ねねさんも器量良い良い奥さんじゃないか……何か不満なのか? 藤吉郎?」
「不満はねーけど……1年種蒔いたんだが孕ませることが出来なくて」
「うーん、又兵衛、何かコツとか無いのか?」
「そうですね……食べ物を工夫するとか色々ありますが孕ませたいだけなら秀吉の奥さんのねねさんの方を見ればわかったりもするのですが……」
「ほ、本当か!」
「ねねさんの手に触れさせて貰ってから、その日の夜に励めば多分孕みますよ」
「胡散臭いが、ねねの実家から子供はまだかと急かされているからな……藁にも縋る気持ちで試してみよう」
「まつにも出来るか?」
「まつさんは子供を産んだばかりで子供を作るための部屋が体内にまだ準備出来てないので無駄打ちになりますよ」
「そうか……」
「まぁ秀吉殿のを見てから決めてくださいな」
ただ秀吉の体内の状態も確認しておきたかったので、状態の確認を目視でしてみると……
種無し
と書かれていた。
そりゃ幾ら畑に種を蒔こうが発芽しないわな……。
ちなみに種付け能力は視覚化した際に色々見ることが出来たが、低かったのは柴田のオヤジで種付け能力が1だった。
これは加齢による衰えだと思われる。
対して知り合いの中で女性を孕ませる能力が凄かったのは利家と信長様である。
両者10という数字で、普通の人が5のところ、2倍以上の強い精子を排出することが出来る能力持ちである。
(参考、信長の子供の数24人、前田利家の子供の数は12人である 利家も凄いがまつも母体としての能力が10と他の人の倍以上だった為に相性抜群の夫婦である)
というわけで、秀吉殿に連れられてねねさんを紹介され、ねねさんを見ると、ねねさん自体には問題は無く、秀吉が種無しだから子供が出来ていないだけだった。
そこで俺は秀吉に握手し、俺の力を1日だけ分け与え、種無し状態を解消させ、更にねねさんに強制排卵、強制着床状態にしてやって今夜2人で性行為をするように伝えた。
数ヶ月すると、お腹が膨らんでいるねねさんと子供の事を喜んでいる秀吉の姿があったのだった。
「秀吉って子供居たはずだよな? ……じゃあ歴史に大きな影響も無いし、いっかー」
なーんて事を考えていた俺は秀吉とねねの妊娠を手助けし、そのまま帰って、お腹が膨らみ始めた嫁達を抱いて、眠りに就いた。
ブヒブヒ
猪って豚だし、雌豚の調教って意味で猪の家畜化出来ないかなーと思ってやってみたら普通に出来たわ……。
「おーよしよし、お前には沢山子供を産んでもらうからな」
ブヒ
ちなみに既に妊娠済みである。
鶏と似たような餌を食べさせているが、問題は無さそうである。
猪(もう豚って言った方が良い)は良いとして、鶏の数がついに50羽を突破した。
温泉の廃湯を使った孵化器を作ったらめちゃくちゃ増えた。
おかげで毎日卵が食える生活になっている。
「食生活もっと豊かにしたいなー」
「まだ豊かにするんですか!」
俺の言葉に望さんが反応した。
「まだまだ足りないでしょ……もっと皆に美味しい物食べさせたいし……」
そんな事を考える俺であった。