【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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昔話 加賀を救ったお殿様

 むかーしむかし、あるところに農民から出世してお殿様になったお侍様が居ました。

 

 そのお殿様は越前の国を治めて大層豊かにしておったそうな。

 

 しかし、隣の国の加賀の国では意地悪なお坊さん達が国を支配していたそうな。

 

 民が困っている姿を見たお殿様は意地悪なお坊さん達を追い出すために戦を起こしたそうな。

 

 しかし、戦に勝つためには大きな川を渡らなくてはなりません。

 

 困ったお殿様は息子(意味深)に聞きました。

 

 どうすれば川を渡ることができるだろうか。

 

 息子(意味深)は答えます。

 

「お殿様! 私が橋を作ります!」

 

 息子(意味深)はお殿様から飛び出して行くと瞬く間に川を凍らせて橋を作り出してしまいました。

 

 しかし川の流れが早く、氷の橋は流されてしまいそうです。

 

「困った困った……」

 

 お殿様は困り果ててしまいますが、その様子を見ていた鮭達がお殿様を助けるために氷の橋を川の流れに逆らって押しているではありませんか! 

 

「お殿様! 加賀の民をお救いください!」

 

 鮭達も意地悪なお坊さんに苦しめられる民を可哀想に思っており、お殿様を助けます。

 

「ありがとう鮭さん!」

 

 お殿様は兵を率いて氷の橋を渡りきりました。

 

 鮭達はお殿様達が橋を渡り終えると、氷の橋を食べて力をつけ、大海原に向かって泳ぎ始めます。

 

「またいつか戻ってくるからね!」

 

 鮭達は必ず帰ってくると約束してお殿様と別れていきます。

 

 お殿様はそのまま意地悪なお坊さんを退治し、加賀の民を救い出しました。

 

 しかし、意地悪なお坊さんに虐められていて、田畑は荒れ果て、人々は痩せてしまっていました。

 

 何より今は寒い冬……人々は凍えてしまいます。

 

 そんな民を可哀想に思ったお殿様は加賀の山に息子(意味深)と出向き、息子と一緒に山を掘りました。

 

 するとお殿様は下半身から白い液体を振りまき、大地の女神に祈ります。

 

「大地の女神よ、凍える民を救い給え!」

 

 大地の神はお殿様が出した白い液体を飲み干すと、黒い石を生み出し、お殿様達に分け与えます。

 

 大地の女神はこの石を黒い金剛石だと説明し、大地の神である私を孕ませた褒美だと言いました。

 

 お殿様はこの石を石の炭……石炭と名付けて、凍えている人々に配ります。

 

 するとその石は炭のように長い時間燃え続け、人々に温めます。

 

 お殿様に寒さを救ってもらった民達は次に食べる物が無くて困っていると説明します。

 

 意地悪なお坊さんは男の人を次々に加賀から追い出してしまい、残っているのは女性か若い少年ばかりでありました。

 

 これでは田畑の維持もできません。

 

 お殿様は孕んだ大地の女神に再びお願いをしました。

 

 どうか人々に食べ物を与えてほしいと。

 

 すると大地の神は股から大根を産み落とします。

 

 その大根は股の形になっていてまるで人のような形をしています。

 

 大地の女神は

 

「その大根は私の子供の様な物である。飢えている人達に絞り汁を与えれば活力を与えるだろうと言いました」

 

 お殿様は早速この大根を絞ると、甘い汁が大量に絞れ、それを民に与えると、人々は元気になっていきます。

 

 お殿様はこの絞り汁を更に上司である天下人に絞り汁を粉末にした物……砂糖と食料を交換してほしいと頼むと、天下人は大層喜んで、大量の食料と交換してくれます。

 

 食べる物が増えると逃げていた加賀の男達が戻ってきて、田畑を耕し、生活できるようになっていきました。

 

 そして海に出ていた鮭達も帰ってきて、卵を沢山産み落とすと、その川は鮭で溢れ、鮭漁を民が行うことで豊かになっていきました。

 

 そして大地の女神は黒い液体となり、地中に静かに眠ると言い残して去っていきました。

 

 女神に感謝したお殿様は社を建てて祀るのでした。

 

 加賀民謡童話【加賀を救ったお殿様】

 

 

 

 

 

 

 

 現代歴史学者解説

 

 この時出てきたお殿様は津田又兵衛という童話と同じく農民から織田信長に認められ、北陸方面軍司令官に抜擢された人物であり、越前国で朝倉氏を滅ぼした後に支配者となっていました。

 

 意地悪なお坊さんは加賀一向宗のことであり、加賀を約100年支配していた勢力で、織田信長と敵対しており、北陸方面軍の津田又兵衛とも度々戦闘になっていました。

 

 この物語は1576年の第三次加賀一向一揆殲滅戦後のことで、相次ぐ敗戦で加賀では男が殆ど討死してしまい、男手が不足していました。

 

 童話の女性と少年しか居ないはこの事を伝えていると思われます。

 

 一向一揆を鎮圧した時の季節は冬で、凍えるような寒さであったらしく、深い雪も降り積もっていました。

 

 川の話が出てきますが、これは川が寒さで凍っていた様子が橋の様であったと思われます。

 

 そして制圧した加賀では男手が少なくなっていたので薪不足に民は陥っていました。

 

 そこで津田又兵衛は黒い燃える石が出る噂を聞きつけて山を掘ると石炭が大量に採掘できたと津田又兵衛の日記に書かれています。

 

 しかし地政学者的には今でも大量の石炭を採掘できる金沢炭鉱の石炭の品質は世界最高品質とされ、地質的に不自然であると指摘しております。

 

 それに現代までの約450年間枯れない炭鉱というのは現実的でなく、一説では山が石炭を何らかの要因で生み出し続けているのではないかというとんでもない学説すらあります。

 

 事実、大きな地震が発生する毎に新しい石炭鉱脈が発見され、現在でも北陸の火力発電所は金沢炭鉱の石炭を使い続けております。

 

 童話に話を戻し、女神が産み落とした大根ですが、これは砂糖大根……甜菜と呼ばれる砂糖を抽出することができる大根で、加賀の民が一部栽培していたのを津田又兵衛が発見したと津田又兵衛の日記には書かれています。

 

 しかし、同時期に書かれたと思われる津田又兵衛の家臣や津田又兵衛の息子である毛受近国の報告書によると、ある日津田又兵衛が大根におもむろに精子を振りかけて漬けると、大根が変異して花を咲かせ、その種を植えると甘い汁を出す大根に変わったと複数人が記述しています。

 

 津田又兵衛についての考察は現代でも続けられていますが、キリストの様な奇跡を度々行う人物だったのでその一種である可能性もありますが、現実的には明と密貿易をしていたので、大陸経由で砂糖大根を入手した説が正しいと思われます。

 

 天下人は織田信長のことで、砂糖を翌年数トン贈った記載が残っております。

 

 ただ食料が提供された記載は無く、越前が豊かだったので余剰な食料を又兵衛が買い付けて、加賀に安く売ったというのが日記に残っています。

 

 加賀の伝承では織田信長が食料を送ったと言い伝えられていたので、織田家の統治をスムーズに移行するために津田家が流布した情報と思われます。

 

 そして鮭ですが、津田又兵衛が加賀で養殖を成功させ、ブランド化し、畿内に高値で売ることをしています。

 

 初歩的な人工養殖でありますが、鮭が卵を産みやすい場所を整えたり、鮭が川上りをしやすい支流を作ったり……現在でも手取川の鮭は大ぶりで脂が乗っていて美味しいと有名です。

 

 津田又兵衛の友人で後々手取川周囲に領地を貰った前田利家が鮭養殖で一財産を築き、城を建てた事からこの城を鮭取城という名前が付けられたなんて逸話も存在します。

 

 最後に大地の女神が眠りについた社では、津田又兵衛が神主に日本が困った時に大井戸を掘りなさいと言い残しており、その教えを守り続け、1900年、世界が石油に動力を移行していく時代に時の政府が油田を日本各地で探しまくった結果、この社から石油が湧くことが発見され、採掘場が設置された。

 

 すると当時の日本で必要だった石油量の数百倍の石油が噴き出し、日本のエネルギー事情を改善させたのでした。

 

 現在でも石川油田ではイランの石油産出量と同等の石油を産出し続けて、日本経済を支えている。

 

 石川県が日本で5番目の規模の人口が居るのもこの石油産業による利益によるものである。

 

 これも地質学的には不自然と言われているし、津田又兵衛の記載以外石油があることを示唆する文献が残っていない事から、津田又兵衛による未来の子孫達に贈った遺産とする説もある。

 

 民謡童話【加賀を救ったお殿様】であるが、加賀統治に関する津田又兵衛の数年の動向を示唆した物語であると結論づける。

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