【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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タコ尽くし

 あの後、手掴みで捕れるタコを十数匹捕まえ、屋敷に持ち帰った。

 

「又兵衛、随分と磯臭いな」

 

 屋敷に帰ると銀子こと上杉謙信が俺の子供達に抱きつかれていた。

 

 子供達は銀子によく懐き、銀子も満更でも無い様子。

 

「男の時は何故か子供が寄り付かなかったからな」

 

 そりゃ殺気に満ちた酒臭い坊主には近づかんし、上杉謙信と知っている領民からしたら軍神その人であるから、おっかなくて子供を近づけはしないわな。

 

 ただ元々子供は好きだった様子。

 

「なんじゃ又兵衛に、銀子。何かあったのか?」

 

「マリアか……いや、タコ捕まえてきたから今日はタコ尽くしってことを銀子に伝えようと思ってな」

 

「ほぉ……タコか」

 

 銀子とマリアが箱を覗くと、生きたタコがうねうねして動いていた。

 

「おお、新鮮じゃな」

 

「タコというとタコ飯か?」

 

「それも良いが別の料理も作ろうと思う」

 

 銀子とマリアを連れて台所へと移動する。

 

 台所には雫が米を炊く準備をしていた。

 

「あ、又兵衛にマリア、それに銀子じゃない。又兵衛は何処行っていたの? なんか磯臭いけど」

 

「海でタコ捕まえてきていた」

 

「……もしかしてこんな冷えた日に海に潜ったのか?」

 

「あぁ、まぁ」

 

「普通死ぬぞ」

 

 銀子にツッコミを入れられたが、まずはタコを絞めていく。

 

 タコの絞め方は、タコの目と目の間やや下をナイフや包丁で突き刺せば良い。

 

 簡単にやるなら目玉の間をハサミで突き刺しながら切ったら確実で、タコが絶命すると、直ぐに色が白くなる。

 

 この状態が、タコが絞まった事になり、絞めたら次は切った部分から指を入れて、広げて頭を裏返す。

 

 すると内蔵が出てくるので、墨袋を潰さないようにしながら取り除く。

 

 内蔵も鮮度が良ければ食べられるため、今回は心臓を茹でていただくことにする。

 

 内蔵を取り除いたら次はヌメリの除去。

 

 雫に俺がマリアと銀子にタコの下処理のやり方を教えている間に大根おろしを作ってもらい、それでヌメリを落とす。

 

 塩が高いので大根おろしでやっているが、塩が多くあるなら塩でやったほうが早い。

 

 刺身で食べても美味しいが、あれは冷凍殺菌されてアニサキスに気をつける必要がなくなっているから食べられるものであり、無いとは思うが、今回のタコは全部茹でていく。

 

 大きな鍋でタコを茹でていき、赤くなってきたら、1つ目の料理はタコ飯。

 

 タコをぶつ切りにして醤油や酒を加え、茹でた枝豆と一緒にご飯を炊く。

 

 炊き込みご飯の一種であり、この時代の一般的なタコの食べ方である。

 

 あとは茹でタコの刺身も一般的だな。

 

「せっかくのタコ尽くしだからもっと色々な料理をね!」

 

「ほぉ、どんな料理があるんじゃ?」

 

「まずは王道から行こうか」

 

 次に作るはタコの唐揚げである。

 

 ぶつ切りにしたタコに醤油、すりおろし生姜、酒を加えて少し漬ける。

 

 10分ほど漬けて味が染みたら片栗粉をまぶして油で揚げていく。

 

 勿論油は俺の能力で生み出すローションオイルである。

 

 この油の方が爽やかな味わいになるからね。

 

 カリッと揚がったら鍋から取り出して網の上に置き、油を落とす。

 

 これでタコの唐揚げは完成である。

 

 他にはタコの酢物も作っていく。

 

 きゅうりは冬まで保存できないので、冬瓜を代用品として使う。

 

 薄く切った冬瓜に乾燥わかめを水で戻し、ゆでダコをぶつ切りにして酒、醤油、酢で和えていく。

 

 さっきからぶつ切りばっかりであるが、タコだから仕方ないね。

 

 あとは芋タコでもしておこうか。

 

 茹でた里芋に茹でタコと一緒に鍋に入れて、醤油と酒で煮詰め、最後に生姜を少々乗せる。

 

 最後に擦った長芋に卵とぶつ切りのタコを混ぜて、フライパンで焼いていくふわふわ焼きも作っておく。

 

 関西人ならここにたこ焼きが付いてもいけるだろうが、タコ飯にたこ焼きは流石にキツイので、今回は辞めておいた。

 

「本当にタコ尽くしじゃな」

 

「おお! どれも美味しそうじゃないか!」

 

 なんか銀子腹ペコキャラにどんどん進んでないか? 

 

 いや、前までは味がよくわかってなかったから美味しい物より味が濃い物ばっかりを食べていたのだろうか……。

 

 だから反動で腹ペコキャラになっているのか? 

 

「さて、じゃあ飯にしますか! 子供達も呼んできてくれ」

 

「おう、まかせるのじゃ!」

 

「はいよー」

 

 

 

 

 

 

 タコ尽くしの夕食を食べ終えて、休んでいると、市が近くに寄ってきた。

 

「兄様の体調はどうでしたか?」

 

「ん、ああ、かすり傷だった。体を触らせてもらったが、悪い部分は特になかったな」

 

「そうですか……良かった」

 

「信長様も市の事を気にかけていたぞ。元気かと」

 

「ええ、元気ですとも。また又兵衛に種を付けてもらいましたからね」

 

 お腹を擦る市。

 

 なんだかんだ6人目の子供がお腹の中に居る。

 

 茶々と初の2人は浅井長政の子供であるが、それ以降の4人は俺の子ということになる。

 

 まだ市も30歳。

 

 俺と種付けエイジング効果により、30歳になっても20代前半の若さを保っている。

 

 現代でも大学生とかアイドルやれるくらい美人だからな……市って。

 

 本人もあと5人は子供を産むと張り切っている。

 

「茶々と初はどうだ?」

 

「相変わらず元気ですよ。今日も子供達といっぱい遊んでいましたし」

 

「はは、それならいいな!」

 

 茶々は現在8歳、元気いっぱいでよく他の子供達と一緒にイタズラをして遊んでいた。

 

 母譲りの美少女かつ、信長様の様に活発と浅井長政の因子は色白くらいで、織田家の因子が色濃く出ていた。

 

 あと俺にすっごい懐いているのと、歳が近い珠子と仲良しで、よく珠子と一緒に居る。

 

 銀子にも懐いており、銀子が木刀で鍛錬しているのを眺めたりもしていた。

 

「色々興味がある年頃なのでしょう」

 

「そうだな……でもそろそろ茶々の嫁ぎ先を探さないとな」

 

「はい、なるべくよい夫を探しませんと」

 

 この件は信長様にも一報入れておかないと拗ねるかもしれないからな。

 

 伝えておこう。

 

 そのまま俺と市は温泉に向かい、お腹の子供にも精力を注入して元気に生まれてくることを祈るのであった。

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