【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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鮭の養殖 前編

 ファラオ式農法のお陰でアワビは何とかなりそうなので、明との密貿易は乾燥椎茸、蜂蜜、工芸品に乾燥アワビを中心に売却していくことになるだろう。

 

 どれだけ利益が出るか楽しみである。

 

 明との密貿易により弾薬の補充は秋の紀伊攻めまでには何とかなりそうだと思い、兵力の回復は順次行っているため、俺がやるべきことは加賀の農村の復興だろうか。

 

 俺の息子達を中心に、復興の人員は送っていたが、それでも一度崩壊した村落を復興するのは並み大抵のことではないし、推定になるが、一向宗が子供や老人を集めて抵抗した事もあり、10年前には20万人近くの人々が住んでいたらしいが、国から逃げ出した人々も多かったので、現在は10万人を下回っているとのこと。

 

 しかも労働力となる男性は戦死したり、女体化させられた影響で更に少ない。

 

 加賀だけ男女比1対10のエッチなゲームの世界の様な比率へと変わってしまっているのである。

 

 完全に国として崩壊してしまっているので、復興事業を行った。

 

 まずやった事は20年間の減税の約束である。

 

 今の加賀では労働力の低下により、作物の生産力も大幅に低下している為、織田家基準の五公五民の税率を一公九民にまで引き下げた。

 

 これは信長様にも許可を取ってあるし、20年間とちゃんと期間を決めている。

 

 それでも現状の加賀の民は生きていくのにやっとだと思った為、土地の整理命令を断行。

 

 普通なら一揆が起こる。

 

 民の土地の領分に手を加える行為であるが、それをしないと土地が余りまくっていて農地として機能しないのである。

 

 まず各村に津田家から農業技術に富んだ代官を派遣し、所在が曖昧になって飛び地になっている田畑を今村で生活している人々で再分配。

 

 及び農作業がしやすいように一反単位(田んぼ1枚分)で区画化させていく。

 

 土地替えも容赦なく断行していったが、それで各村で耕作及びちゃんと収穫できる土地を整えていく。

 

 それが終われば生産性を上げるために灌漑設備に集中投資である。

 

 人口が少なくなったことで水の利権にも手を加える事ができるし、そもそも加賀は大聖寺川やその支流を中心に山奥でなければちゃんと農業や生活に活用できる川が存在する。

 

 井戸を掘っても水が湧き出る土地だし、俺が各村を巡り、生活に必要な水は井戸掘りで湧かしていき、農業用水も確保していく。

 

 元々抵抗する気力を失っていたが、俺が指差した場所を掘れば水が湧き出てくるのを見て、信仰心が芽生え、そこにスッと神仏ガブリエル教が浸透してくる。

 

 広める気が無いのにどんどん新興宗教が広まるのは恐怖であるが、荒んだ加賀の民の心を癒すのには丁度良い為見逃している。

 

 更に各村の行き来をしやすくするため、加賀にも種付けおじさんの石化能力で舗装路……岩の道を作っていく。

 

 真っ平らの岩の道ができれば自転車やリヤカーでの行き来が楽になり、物流が活発になるからな。

 

 そうすれば行商人が行き来するようになり、銭が生き渡るようになるので、貨幣経済に組み込むことができる。

 

 あとは親を亡くした子供達には忍び衆を派遣して孤児院を建て、そこで蜂蜜や椎茸栽培に従事させることで孤児院の運営費を賄いながら働いてもらう。

 

 大きくなれば適性に合わせて仕事も割り振れるからな。

 

 あとの余った広大な土地は畜産に割り振る。

 

 人が増えるのには時間がかかる。

 

 それにどうしても家畜を育てるには十分な土地が必要なので、牧場をどんどん作っていき、どんどん生活を良くするためにやって来る伊賀や甲賀の忍び達に土地と仕事を与えて、空洞化した加賀を復興させるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「石川県はイカが有名だったけど、流石にイカ漁のやり方は知らねーけど、戦でも見かけたが、鮭が多くいる川があったな」

 

 調べてみると手取川は鮭が生息しているらしく、加賀で暮らしていた坊主達がよく食べていたのだとか。

 

 鮭は日本人にとって馴染み深い魚であり、養殖された鮭はサーモンと寿司のネタにもなっているが、川で捕れる鮭は寄生虫の問題で、歴史的に焼いて食べる魚である。

 

 京……いや、畿内でも鮭はよく食べられる魚で、現地で新巻に加工され、保存性を高めてから各地に販売する方法が取られていた。

 

「でももっと美味しく手軽に鮭が食べられるようになった方が売れるよな……」

 

 それに鮭を取りすぎると個体数が減ってしまうので、戦国時代でもできる技術で養殖もしなければならない。

 

「養殖に関しては卵から養殖して稚魚放流は無理だから、鮭が川を登りやすい様にするのがいいのかね」

 

 前世の自衛隊時代、北海道に勤務する経験があり、その時に鮭の博物館に暇だったので何度か足を運んだ記憶を掘り起こす。

 

 まぁ目的は博物館に隣接する道の駅で食べられる鮭料理を食べることだったが、その時に鮭については博物館のおっちゃんに教えてもらった記憶がある。

 

「まさかそんな豆知識的なのが役立つ日が来るとはなー」

 

 鮭は秋から冬に川で産卵が行われ、孵化から数ヶ月川で生活し、春になると稚魚達が集団で川を下って海へと向かう。

 

 海に出た鮭達は北海道北部やベーリング海を回遊して成長し、産まれた川に戻ってくるのである。

 

 で、鮭が一番過酷なのは川を逆流して上流や中流に産卵することであり、お腹に卵を抱えたまま亡くなる鮭も多い。

 

 ならば産卵しやすい鮭用の産道を作ってやれば良い。

 

 地元の住民から聞き取り調査をし、鮭がよく産卵している場所に目星を付け、鮭が登りやすい支流を作り、産卵しやすいようにツタや草、藁を編んだ柵を作り、それ以上登れないようにすると、鮭はその場で産卵を始めるのである。

 

 支流の工事は俺が人を募ったら1ヶ月半で工事は終わってしまった。

 

 管理に関しては近くの農村と代官に任せ、代官には鮭が大漁になれば、代官としての手当も多く付くし、農民達も豊かになるからと手伝わせた。

 

 まぁあとは稚魚達が居そうな場所に俺の精子を数日かけて放流させる……みたいな事もしたが……。

 

 どうなるかは来年の楽しみである。

 

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