【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
雪も溶け切ったある春のこと、市とたまたま2人っきりになる事があった。
「珍しいですね、皆が何かしら用事があって、2人っきりになるの」
「たしかにな」
なんだかんだ市は俺と5人の男女の子供を授かっていて、茶々や初を合わせると7人の子供を孕んでいることになる。
そして年齢も数え年で今年30歳……見た目は20代前半にしか見えないが、三十路の年齢を迎えていた。
肉体的な変化として、胸の大きさが妊娠、出産を繰り返した事と、俺の種付けおじさんの力を存分にあびたことで、胸と尻が浅井から救出したときより2回りほど大きくなっていた。
そのおかげか知らないが、母乳がよく出ること……市の子供達には市の母乳だけで事足りるのが多かったのと、育児に関しても広い知見を得ていたため、乳母いらずと市は呼ばれていたり……。
「市は最近マリアと居ることが多いよな? 楽しいのか?」
「ええ、様々な知識を持っているので、話していて飽きないの。マリアと茶道をするととても楽しくて、育児の疲れも吹き飛ぶわ」
「それはよかった……マリアを今度褒めておくか」
他にも一応正妻である雫との関係は良好であり、雫の足りない分は市が他の嫁達を引き締め、市の足りてない部分は雫が引っ張るといった、うちの奥屋敷では、2頭体制が敷かれていた。
まぁ互いに立て合っているし、毛受家は雫の子供が、津田家は市の子供がそれぞれ引き継ぐと決めていたので、家督相続に関する問題も出てきては居なかった。
なんなら俺の長男の高貞に関しては雫の母親である望の子なので、雫からしたら年の離れた弟に当たるため、関係性が結構複雑化していた。
まぁ戦国時代はこれくらい血筋関係がグチャグチャになっていても気にしない人が多く、従兄妹での結婚だったり、叔母と息子の結婚も普通に行われていたので、何も問題はなかった。
そんな法律も無いからね。
「せっかくだし、最近新しくできた菓子でも作ってみるか?」
「良いですね? どんなお菓子ですか?」
「チョコレートっていう菓子を使ったカステラを作っていこうと思う」
「チョコレートカステラですか?」
「そうそう」
この時代南蛮由来の焼き菓子全般をカステラと呼ぶので、ケーキもカステラと呼んでいる。
市にも分かりやすくするためカステラと呼んだのである。
まぁ言ってしまえばチョコレートケーキである。
まずは各所を巡って材料集め。
「鈴、牛乳と卵いただいていくぞ」
「あ、わかったよ! 持っていって良いよ〜」
嫁の鈴とはじめがうちの家畜は管理しているので、声を掛けてもらっていく。
はちみつは忍び衆から譲ってもらい、チョコレートは俺が広めたお陰か、うちの忍びが経営している薬屋で仕入れることができるので、チョコレートを購入。
あとは小麦粉、酒粕、バターを用意したら、作り始める。
まずチョコレートとバターをお湯に浸した器の中に入れてかき混ぜながら溶かしていく。
次に卵を割って別の器に入れ、かき混ぜる。
途中ではちみつを3回に分割して流し入れるともったりした感じに泡立つのでそこで止める。
そこに小麦粉と酒粕を入れてまたよくかき混ぜる。
チョコレートとバターが溶けてきたら牛乳を入れてかき混ぜてから、卵の入っていた器と合わせてまた混ぜる。
そしたら型に入れて少し生地を休ませてから竈で焼き上げるとふっくらするのでチョコレートケーキの完成である!
「んん! 嗅いだことの無い、いい匂いがします!」
「だろ?」
一応うちの領地で作られるチョコレートは、ビターチョコレートだと媚薬としての効能が強いが、混ぜ物をして薄めることで、効能を抑えることにも成功していた。
なのでチョコレートケーキにしてしまえば大丈夫だろうと俺は思ったのである。
「本当の名前はチョコレートケーキというのだよ」
「ケーキって言うの? どういう意味?」
「南蛮では穀物の粉を使った甘い焼き菓子全般をケーキと呼ぶことがあるんだ。カステラもケーキの一種と言えるね」
「なるほど……大枠だとケーキと言うのですね。相変わらず又兵衛は物知りですね!」
出来上がったケーキをいざ実食してみる。
「んん! 甘くてとても美味しいわ! 黒く光るチョコレート? って言う部分がほろ苦くて、それが甘さをより引き立てていて!」
「南蛮の作り方を再現してみたんだけど、美味しいって言ってくれて安心したよ。残りは皆と食べようか」
「そうね……皆と一緒に食べましょう!」
そう言いながらも、俺と市は1切れずつ食べ終えると、体がポカポカしてくるのを感じた。
「……又兵衛、このチョコレート……媚薬の効果を薄めたって言ってなかったかしら?」
「そのはずなんだけど……おっかしいな?」
「……ダメだわ。我慢できない……寝室に行きましょう! 又兵衛!」
「おう!」
薄めても媚薬の効果が強かったのか、それとも俺が作ったことで種付けおじさんの能力が発動したのか……発情してしまった俺と市はそのまま寝室でハッスルしてしまうのであった。
「ふう……気持ちよかったよ、市」
「うん、私も気持ちよかったわ」
お腹が精液でボコッと膨らみ、精液ボテ腹状態になっていたが、市も慣れたもので、特に言うことは無くなっていた。
最初の頃は浅井長政より大きいとか薄い長政の精液よりドロドロしているわ……なんて引き合いに出されることもあったが、3年も経過する頃には長政の形や大きさも忘れてしまったらしく、俺の形に開発が済んでしまっていた。
その頃には長政の事も引き合いに出さなくなったが……。
「市を救出してかれこれ6年が過ぎたのか……」
「そうなるわね……私ほぼ毎年産んでるわね」
「そうだな6年で5人も産んでいるからな」
「又兵衛と最初出会った頃は面白い年下の少年で、信長兄様のお気に入りって思っていただけだったけど……浅井家に嫁ぐ時になって私の気持ちが恋だったんだって気がついて……」
「じゃあ俺も市に恋心を寄せていたけど、届かぬ恋だと思っていたんだけどな……出世して届く位置になったら、取り戻したくなってね」
「あの脱出劇は今でも鮮明に覚えているわ。空を飛ぶ経験なんて普通できないもの」
「それもそうだな……なぁ市。俺とこうして夫婦になれてよかったか?」
「もちろん! 又兵衛は私の愛しい人よ! 絶対に離れたくないわ」
「俺もだ……これからも俺の為、子供の為、家の為に頑張ってくれるか?」
「うん……でも今はもう少し寄り添わせて」
市は俺の膝の上に横になると安心したように眠りにつくのだった。
なお残ったチョコレートケーキを食べた息子が意図せぬ精通を迎えてしまったのは別の話である。