【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
いきなり楽田城から内通願いが続々と寄せられたため、最初は何かの策略ではないかと疑っていた丹羽長秀だったが、俺が事の顛末を説明すると大笑い。
「くふふ、い、イチモツで城を落とすなど聞いたことが無いぞ」
「自分の中でこちらの損害を少なくして、かつ効率的に調略するにはこれが最適かと思った次第で」
「まぁこれはなかなか信長様も好きそうな策略であるな。で、落とした姉妹はどうするのだ?」
「俺の子供を孕んでいるので他所に出すことも出来ないでしょうし、姉妹も俺以外満足できない体にしてしまったので責任は取ります」
「城に詰めていた者達は城から退去させるが、城主だった和田には色々聞くこともある。私と一緒に楽田城に入城してくれるな」
「はい!」
というわけで、俺は楽田城に丹羽長秀様と一緒に入城し、城主である和田定教と面会することとなった。
ストレスですっかり白髪になってしまった和田さんは俺を見るなり震えだしてしまい、初対面した時の勇ましさは無くなってしまっていた。
和田さんは城を明け渡す代わりに、もう兵の指揮を出来る状態ではないので出家することを約束。
残った和田家は丹羽様や信長様に任せるとまで言い切り、娘達は心を俺に奪われてしまっているので好きにしてくれと全てを投げ捨てる勢いであった。
「又兵衛、お前、追い込みすぎだ」
「すみません、やり過ぎました……」
そんなやり取りをした後、楽田城は落城し、丹羽長秀様が占拠。
信長様も兵を率いて、そのまま犬山城への攻撃に取り掛かるのであった。
丹羽長秀様より信長様に俺の活躍の詳細と、無事に落城させたことを報せると、俺は直ぐに信長様に呼び出されることになった。
「大義である……駄目だ、笑ってしまうわ! イチモツで城を落とすとは馬は道鏡(巨根を用いて平安時代朝廷の奥方を魅惑した僧侶 日本三大悪人に数えられることも)の生まれ変わりか何かか?」
「無知ですみません、道鏡が誰か分かりませんが、凄い侮辱されていることは分かります」
「いやいや、褒めてるんだぞ……小者の信清は城を捨てて逃げるであろうから、犬山城が落ちれば美濃攻めに取り掛かる。と、城を落とした褒美を与えなければならぬな。引き続き小姓として居てもらいたいが、織田家としては馬は将として育てた方が良いと重臣達に言われてな。これより足軽大将に任ずる。それに伴い知行も100石に増加させる……美濃を攻める時も活躍するようであればさらなる出世も約束しよう」
「ありがたき幸せ」
「ただ今は疲れたであろうから、一度ゆっくり休むが良い」
「はっ!」
というわけで、俺は落とした和田姉妹を連れて一度家に帰るのであった。
「久しぶりに家に帰ってきたと思ったら……また女の人が増えてるじゃない!」
俺が和田姉妹を連れ帰ると雫が相変わらず噛み付いてきた。
「ごめんごめん、出世の為に必要だったんだ」
「女を連れてくるのに、なんで出世が絡むのよ!」
俺は和田姉妹を惚れさせた理由と、それに伴って城を陥落させたことを説明する。
「はぁ……相変わらず無茶苦茶するわね……死んだらどうするのよ!」
「多少の無茶は許してくれよ、戦場に出る以上危険はあるんだから」
「それはそうだけど……」
俺は雫の頭をポンポンと叩いて
「でも無事に帰ってこれたし、足軽大将に出世出来たことを今は喜んで欲しいな」
「……馬鹿!」
そんなやり取りをしながらも、元巫女の2人やくノ一の4人にも心配させて済まなかったと伝えた。彼女たちもなんだかんだ協力して畑や田んぼ、家畜などを守ってくれていた。
「本当に今年は収穫時期にも立ち会えずに悪かったな」
「いえ、又兵衛様が元気で良かったです!」
はじめ含めて、他の娘達からはそう言われた。
この日の晩は半年以上会えなかった皆と夜の大運動会を開催し、会えていなかった寂しさを癒していくのであった。
「よし、孕んだな」
飼っている牛や馬に触れて、能力で孕ませると、前まで子馬や子牛だった奴らも子供を産める大きさに成長したので孕ませた。
豚達は十分に大きくなっていたので、冬には数匹は屠殺して肉になってもらう予定である。
そんなことを考えながら、俺は仕事を終えると、城を落とした褒美として渡された金で、大量の小麦を町で購入し、それを挽いて小麦粉を作った。
それを鹹水を加えながら麺を作り、それを茹でて、自家製の味噌に味付け玉子、熱田で薬草として育てられていたほうれん草も入手して、湯がいていき、それにもやしを乗っけたら特製味噌ラーメンの完成である。
「んん!? 又兵衛様って料理の腕も凄いのですね!」
「そうなのよね……えっと文さんだっけ、又兵衛様の料理は見たことも無いような料理ばっかりだけど、どれも凄い美味しいのよ!」
「「「そうそう」」」
ラーメンを皆で食べながらそんな話をした。文も白も城主の娘から豪農クラスまで生活水準が落ちてしまったが、それを気にすることなく生活を続けてくれている。
というより温泉に毎日浸かれたり、俺が信長様の小姓になる前に作ったサウナ……この時代だと蒸し風呂をいたく気に入り、しかも食事も城で生活していた時より美味しい物が出てくると、今の生活を楽しんでくれていた。
「それよりも凄いですね……文も妹の白と一緒に又兵衛様に気絶するまで毎晩抱かれましたけど……この人数を相手でも全員返り討ちにされるんですが……」
「性豪を超えた性神だよね~、まぁどうせまだまだ奥さん増えると思うから私達も仲良くしましょうね」
「はい、紅さん」
ラーメンの方も評価は上々で、特に米より安い小麦粉を使ってこんなに美味しい料理が出来上がることに感動していた。
「麺にしてしまうと日持ちしないけど、油で揚げると日持ちするようになるんだよね」
揚げ麺……皿うどんやかた焼きそばを作る時に使われる麺を作ることができる。
これの良いところは日持ちするので戦とかに持っていっても直ぐに食べられるところである。
まぁそれよりはおにぎりを揚げた揚げおにぎりの方が腹持ちが良かったりするのであるが……。
「今までは短期間の戦や諜報による活動が主だったけど、長期戦も起こり得るからな。色々準備をしておかねぇと」
俺はこの休みの期間中も武芸の鍛錬は欠かすことなく、他にも嫁達だけの時に村の人々が収穫作業などを手伝ってくれたらしいので、俺はお礼に千歯扱きを作製して、来年の脱穀の時に使ってくださいと新しい農具を配っていったのだった。
「はいよー!」
馬術の方も今まではチート任せであったが、無意識でも十分に乗りこなせるようになり、馬に負担をかけない乗り方の工夫をしたり、馬具の改良を行ったりもしたのであった。
年が明けて1564年、信長様は犬山城を陥落させると、美濃に攻めるため木曽川対岸に砦の建築を開始。
美濃攻めの準備に取り掛かる。
ただ信長様にとって戦略目標は京への上洛であり、兵を率いて上洛することで織田家の尾張統治の正統性がこの頃は欲しかったと信長様は言っていた。
俺が休みを頂いている間に信長様は一度上洛を検討し、京へ向かうための道中にある勢力の浅井家との同盟を結ぼうとするが、この時は両者利害が合致せずに流れてしまう。
これにより美濃を攻略して安全を確保してから上洛した方が勢力も広がり、兵数も多くなって戦略の幅も広がると感じた信長様は美濃攻略に重きを置くようになる。
で、今年は嫁さん達を全員孕ませてしまったので、農作業は厳しいので、捨て子を10人ほど拾ってきて、面倒をみる代わりに俺の居ない間の農作業や家畜の世話を手伝ってもらうことにした。
捨て子達に教育を施して数週間、信長様からいい加減戻ってこいという命令書が届き、小牧山城に戻り、信長様のマッサージをしたり、音楽や物語を読んで楽しませたりするだけでなく、武具の商人との取り次ぎも任され、商人達との交渉事をよくするようになるのだった。