【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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木津川口の戦い

 俺が越後統治で悪戦苦闘? 白濁液をばらまいていた頃、摂津の方では再び石山本願寺の包囲が再開されていたのと、織田家の水軍である九鬼水軍と滝川水軍が1年以上をかけて鉄甲船を量産していた。

 

 津田家が開発した大砲を満載した7隻の鉄板に覆われた大型船と数十隻の船が瀬戸内海と石山本願寺に通じる大坂湾を海上封鎖し、再び石山本願寺を兵糧攻めを行う。

 

 信長様は石山本願寺攻めの責任者である塙直政殿に青田刈りや焼き畑を命じ、収穫前の田んぼや畑を荒らして石山本願寺の兵糧を絶つ動きに出ていた。

 

 石山本願寺は摂津争乱によって一次的に兵糧や弾薬が大量に本拠地の石山に持ち込まれたのであるが、同時に大量の門徒を抱え込む事に繋がり、前まで5万人前後だった籠城する人員が10万人近くにまで増えており、しかも老人や子供、女性達も抱え込んでいたので、非戦闘員の数も多かった。

 

 更に信長様は石山本願寺の兵糧を削るために各地から流れてくる浄土真宗本願寺派の流民達を石山にわざと流して、兵糧の消費量を上げさせて、持久戦を困難にする戦略を実行していた。

 

 秀吉の軍師である竹中半兵衛殿から見ても信長様のこの戦略は見事な一手であるが、民をも巻き込む鬼畜の一手と評していた。

 

 徐々に兵糧の備蓄が乏しくなった本願寺は毛利に海上での兵糧補給を緊急依頼する。

 

 毛利側は大将の1人である吉川元春とそれに付随する山陰方面を担っていた精鋭兵がごっそり又兵衛により消滅したことで建て直しに躍起になっていたが、本願寺を助けなければ次にすり潰されるのは自分達であると理解しているため、小早川隆景と村上水軍に命令して海上輸送を実行。

 

 こうして戦国時代で最大規模の木津川口の戦いが幕を開けるのであった。

 

 

 

 

 

 

「又兵衛様」

 

「ん? どうした霧丸」

 

「大坂湾の木津川口にて織田水軍と毛利・村上水軍が激突し、織田水軍が勝利したと」

 

「そうか……ならば来年には本願寺が落ちるな」

 

 霧丸より海戦の流れが伝えられた。

 

 天候は良く晴れた快晴で風は微風。

 

 遠くまで良く見渡せる状態だったらしく、先に毛利・村上水軍を発見した織田水軍は鉄甲船を前に出して、敵の火力を鉄甲船で全て受け止めることを選択。

 

 これにまんまと引っかかった毛利・村上水軍は鉄甲船に向かって焙烙火矢(手投げの爆弾)を投擲したらしいが、鉄板に覆われていた鉄甲船には効果が無く、逆に搭載されていた大砲によってことごとく敵船は海の藻屑へとなっていったとのこと。

 

 そして敵船群が混乱している最中、鉄甲船以外の船は戦場を回り込んで後方に進出し、本願寺に送るために物資を満載した船を次々に火矢を放って燃やしていったのらしい。

 

 毛利・村上水軍は前面に鉄甲船、後方に燃え盛る輸送船が壁となり逃げ道がなくなり、結果包囲殲滅を喰らう格好になってしまい、村上水軍の大将格数名と400隻以上の船が沈められ、事実上毛利・村上水軍は壊滅……これにより毛利の瀬戸内海の制海権も怪しくなってきたということになった。

 

「海の戦力を失った毛利ももう終わりだろうな……秀吉殿がこれで負けることもなくなっただろう。戦線も備後の宇喜多家を寝返らせたらしいから、備中にまで進出しているし」

 

 現在織田家の主要な戦線は3つ。

 

 塙直政殿率いる石山本願寺戦線、羽柴秀吉殿率いる中国地方の毛利戦線、そして柴田のオヤジ殿率いる関東の北条戦線。

 

 特にオヤジ殿は息子が今年で2人目が産まれたのが嬉しかったのか、北条相手に大暴れしており、上野を北条から奪い取る大活躍を見せていた。

 

 ただ毛利も北条もまだまだ力が残っている国であるので、油断はできないのであるが……。

 

 これの他に丹波、丹後戦線があるが、丹波は復帰した明智光秀殿が、丹後は丹羽長秀殿がそれぞれ担っていて優勢に進めていて、織田家をここから潰せるような勢力はもう残っていないといっても良かった。

 

 織田家の支配領域だけで既に石高は1200万石を超えており、他国が束になっても勝てないレベルで国力差が出てきているのが、忍び達の報告でよく分かる。

 

「歴史は大きく変わっていると思うが……気になるのは本能寺か」

 

 歴史にあまり詳しくない俺でも知っている歴史的事件……本能寺。

 

 もう何年に起こった事件かも忘れてしまったが、今の現状で明智殿が信長様に手を出すとは考えられない。

 

 明智殿はストレスを溜めやすい気質の人だから積もりに積もって……というのが史実ではあったのかもしれないが、長年苦楽を共にした奥方は元気だし、長男も明智殿には劣るが後継者としては十分な活躍されている。

 

 明智殿の娘が嫁いでいた荒木村重殿とその息子殿は亡くなってしまっていたが、娘さんは救出して、今は明智殿の側で過ごしている。

 

 それに俺の嫁に珠子が居るので良く愚痴の手紙が送られてきたりするが、信長様関係で困ってることは無茶振りされるけどやり甲斐があると書かれていたので特に大きなストレスを溜め込んでいるとも思えない。

 

 前に傷を気を流して治癒した時に悩んでいたヘルニアも治したので、それで困っているとも思えないし……。

 

「明智殿が本能寺を起こすとは思えないんだよなぁ……」

 

 それで気になるのは明智殿が少し言った徳川家康に気をつけろ……これも俺は武田との戦を共に戦った家康殿を疑いたくはないんだが……。

 

 しかし、それを揺るがす事件がこの少し後……1579年の正月に起こるのであった。




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