【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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大きなカブ……ではなく大根……巨大二股大根

 水野一族が徳川家康様の手により粛清されるという大事件が発生し、織田家としても慌ただしい正月が過ぎていき、1月中旬……俺の管轄する北陸では例年以上の大雪に見舞われていた。

 

「うう、寒……こういう日には湯船につかるに限る」

 

 越前の津田屋敷内にも俺が掘った温泉が湧き出ており、そこに冬の間はよく体を温めるために浸かっていた。

 

 キューキュー

 

「なんだ玄武……今日もこっちに居たのか」

 

 うちのマスコット的になりつつあるペットの玄武。

 

 亀なので普通冬眠にはいるはずだが、うちの玄武は温泉に入ってよく泳ぎ、偶に温泉を囲んでいる仕切りの岩に上がると甲羅を乾かす姿が見られていた。

 

 種付けおじさんの力で育った超生物の巨大亀の玄武……今日も風呂に入っている俺に泳いで近づくとキューキュー鳴いて餌をよこせと頭をこすりつけてくる。

 

「はいはい、わかったわかった。ほら持ってきてるから」

 

 俺は白菜を1玉を持ってくると、玄武は温泉から上がってむしゃむしゃと食べ始めた。

 

「お前さんはよく食べるなぁ……それで本当に亀なのか疑いたくなるよ」

 

 キュー

 

 上機嫌になって白菜を丸々食べ終えると、次は甲羅を洗えと頭をこすりつけてくる。

 

「はいはい分かったよ」

 

 藁を編んで作ったたわしを使い、玄武の背中を擦って汚れを落としていく。

 

「ここが気持ちいいのか? どうなんだ玄武」

 

 キュキュイ

 

 気持ちよさそうに手足をバタづかせている。

 

 軽くやっているように思えるが、子供を背中に乗せて歩いているくらいでかいからなこいつ……。

 

「よし、綺麗になったな……ふう……もう一度浸かり直すか……」

 

 ご機嫌の玄武はぷかぷかと温泉で浮いて泳ぎ始め、俺は温泉に浸かり直す。

 

 酒があれば良いが、この後また政務に戻らないといけないので自重しておく。

 

「戦国時代にゆっくり温泉に浸かって疲れを日常的に癒やす……この時代だと最高の贅沢だな」

 

「ま、又兵衛様!」

 

 温泉に慌てた家臣が走ってきた。

 

「何事だ? 今は湯に浸かって休んでいたんだが……」

 

「又兵衛様の掘り当てた井戸水を使って育てた作物が凄いことになっておりまして……農民達が不気味がっております。神通力に通じる又兵衛様ならご存知かと」

 

「わかった……直ぐに行くから着物を用意してくれ。あと冬着も」

 

「は!」

 

 

 

 

 

 

 

 家臣に言われて畑に行くと、巨大な白い柱が地面に突き刺さっていた。

 

 大きさを例えるとまるで数百年物の杉の木の幹と同じ太さをしていて、大きな葉っぱに白い根っこ……これは……

 

「カブか?」

 

「いえ、大根です」

 

 童話に出てくる大きなカブかと思ったが、大きな大根らしい。

 

 聞くところによると、元々ここらに掘られた井戸で育てた野菜は大きく成りやすく、その水を飲んでいたここの村の子供達とどんどん大きくなり、7尺(2メートル10センチちょっと)ある若者を多く輩出し、うちの部隊である巨人隊とか大筒隊に配属されることが多かったらしい。

 

 そんな飲めば大きくなる神水(俺が掘り当てた井戸水)を沢山使えば作物も大きく育つのではないかと思いついた若者がいて、毎日大根畑に撒き続けたのだとか……するとどんどん大きくなり、遂には水をあげなくても成長を続け、報告が俺のところまで届く頃には背丈の低い杉の木見たいな大根が出来上がったのだとか……。

 

 絶対種付けおじさんの力だろう。

 

 種付けおじさんの力で人や作物大きくする力の根源が最近わかったのだが、性的用語に労作肥大という言葉が存在する。

 

 意味としては男性器が性行為や自慰を経験することで大きくなっていく……というものであるが、確かに俺の息子や娘達は歳を重ねるごとに大きく育つ……早熟性が高くなっているし、身長も俺を超すのが出始めていた。

 

 つまり何かを回数を重ねるごとにその物は大きく育つという効果である。

 

 米とかもそう。

 

 俺が丹精込めて育てたのと毛受米と津田米を交配させたことでとんでもない収穫量を叩き出す米ができた。

 

 俺がファラオ式農法をするごとに川の魚とかはどんどんデカくなっていく、そして性行をした女性達の肉付きも基本良くなる。

 

 恐らくこれらの由来が労作肥大という性的な言葉から来ているのだろう。

 

 となれば、俺の力がたまたま多くのこっていた井戸水を吸収し続ければ、大根もそりゃ大きく育つわな。

 

「ちょっと退いていろ」

 

 俺は地面から出ている大根の葉っぱを掴むと、渾身の力で引き抜いた。

 

 すると見事な二股大根が現れたではないか……。

 

 二股大根は色白の女性の太い太ももに見えるから、大黒天(男根様)へのお供えものとして重宝された歴史がある。

 

「おお、大黒天様の加護だ!」

 

「これも現人神の又兵衛様のお力だ!」

 

 村人達は万歳三唱で大喜び。

 

 さてさて、この引っこ抜いた大根をどうするか……育てていた若者は、俺にその大根を譲るというので、そうなれば……

 

「調理部隊に食材と調味料を持ってこさせろ! 村の人達は周囲の村々にこの大根を使った料理を振る舞うから呼んでこい!」 

 

 俺はそう命令すると村人や家臣達は慌てて動き始めるのだった、

 

 

 

 

 

 

 馬鹿でかい二股大根を俺は包丁で皮むきをしていき、どんどん切っていく。

 

 食べやすい大きさに切ったら調理部隊の者達が次々に料理を作っていく。

 

 にんにくとバターで焼いた大根のステーキ、漁師の村人やが持ってきた沢山のタコや近くの村人が持ってきた鶏の肉を煮込んで作った煮物。

 

 大根と玉菜(キャベツ)、チーズ、小麦粉を混ぜて作ったハッシュド大根。

 

 これに年貢として徴収していた城の米を放出してその場で祭りを開催するのだった。

 

 そしてそれからその若者は大根を作り続けて、普通の大根より2回り大きくて二股の大根の品種を作り出し、越前二股大根という新種を作り出してしまうのだった。

 

 そしてどういうわけか、その大根を食べると子宝に恵まれやすくなったり、体の不調を整えてくれる効果があると広まり、一躍越前の特産作物になっていくのだった。

 

 そしてこの年からこの地域では採れたての大根を振る舞う祭りが毎年開催されるようになり、大根祭りと呼ばれる冬の寒さを吹き飛ばす盛大な祭りになるのだった。

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