【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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一時の休息

「馬、何が起こっておるのだ! 余の体に何をした!?」

 

 元々信長様は高い声をしていたが、少女らしい可愛らしい声に変わっていた。

 

 信長様はお腹を擦り、先ほどまで切腹で腹をきり裂いていたのに、プニプニもちもちの中学生くらいの健康体ボディに困惑。

 

「時間が無いので質問は後で」

 

 俺は信長様を籠の中に入れて、俺の着ていた布で俺の背中に籠を固定し、愛刀の肉刀と信長様の愛刀である薬研藤四郎の二刀流で、燃え盛る本能寺から飛び出す。

 

「どけどけ!」

 

 取り囲んでいた敵兵をなぎ倒し、敵中突破。

 

 後から追われるが、種付けおじさんが本気で逃げれば誰も追い付けることはできない。

 

 警察に捕まらないのも種付けおじさんの能力で、その脚力は車より速い。

 

「二条城も燃えている」

 

 信忠様が滞在している二条城に俺は向かおうと思ったが、その二条城にも軍勢が取り囲んでいて、近づくことができない。

 

 よく見ると二条城を包囲している軍勢は僧兵と思われる者が多く、信長様が打ち倒してきた宗教勢力の残党もこの反乱に参加しているということが判明した。

 

「今はとにかく逃げなくては……」

 

 全裸で走り続け、俺は京では絶対に安全だろうと思われる竹取家に転がり込む。

 

「父上! どうしたのですか!」

 

「秋定……信長様の家臣の一部が謀反を起こした。どこの誰が協力しているか見当が付かない。ここまで追手が放たれることはないだろうから、少しだけ身を寄せさせてくれ」

 

「……分かりました。とりあえず服を用意します……その籠は?」

 

「中に信長様が入っている。とりあえず部屋に上げさせてくれ」

 

「は、はい!」

 

 竹取家の屋敷にとりあえず転がり込み、情勢をうかがうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「信長様、私の息子の屋敷に逃げ延びました。とりあえず休みましょう」

 

 俺は籠を縛っていた布を解くと、中から赤髪の少女に変わった信長様が出てきた。

 

 元々白い寝間着姿であるが、血に染まっていて、一部赤黒く変色している。

 

 信長様自身には傷が無い。

 

「父上、少女ではないですか!」

 

「私の力で死にかけていた信長様を神通力の力で少女に性転換させた上で、生きながらされた。信長様申し訳ありません。私の力では臓物がこぼれている状態から助けるとなると、性転換させるような代償を支払う治癒しかできなくて……」

 

「で、あるか……いや、馬……神通力を使えるって知ってはいたが、人を少女にできるなどいう怪異は聞いたことがないぞ……使い慣れてる様に感じたが、もしや余以外にも使っているのか?」

 

「はい……個人に使うのは3人目になります。松永久秀と上杉謙信にも使い、越前の屋敷で側室として囲っております」

 

「……ククク……アハハハ! 馬! そうかそうか! 松永の爺と謙信を性転換させておったのか! 傑作だ。しかし、余は本能寺で死んだようなものだな。誰も少女に変わった余を織田信長とは見ぬだろう」

 

 秋定も怪訝そうな目で俺を見ている。

 

「父上……彼女は本当に信長様なのですか? 俄に信じがたいのですが……」

 

「ほらな、馬の息子の竹取にも疑われておるではないか」

 

「とりあえず、信長様今後どうするか決めませんと。ここから一番近い軍勢ですと、本願寺を包囲している滝川殿と丹羽殿の軍勢ですが、ここは本願寺を包囲中で迂闊には動けないでしょう」

 

「うむ……となると明智が次に近いな」

 

「はい、京から北西に向かえば明智殿の領地に向かうことができます。逆に塙直政の軍勢は京東側から北東にかけて兵を配置している可能性が高く、私の所領である越前に向かうことは難しいです」

 

「うむ……しかし何故謹慎中の塙がこれほどの軍勢を集めることができたのだ?」

 

「僧兵が混じっているのを確認しました。比叡山や退去させた本願寺の僧兵が合流した可能性が高いかと。あと鉄砲の数が多かったことから雑賀衆の残党も合流していた可能性が高いかと思われます」

 

「うむ…………余が潰してきた勢力が纏めて刃向かって来たってわけか。しかし京にこれほどの軍勢が集まれば、直ぐに余の忍び衆に引っかかると思うのだが……」

 

「謎は多いですが、これからの対応を考えなければなりません。秋定、夜明けの時に俺は京から脱出する。秋定は親父さんや家族を守ることに注力しろ。最悪滝川殿や丹羽殿の軍勢に逃げ込め」

 

「は!」

 

「信長様、今あるもので何か飯を作ります。それを食べて、少し休んだ後に出発しようかと」

 

「馬は大丈夫なのか? 本願寺で暴れまわっていたようであるが」

 

「凡人には私の体には傷一つ付けられませんのでご安心ください」

 

「うむ……馬を妖怪と恐れる兵の気持ちが分かった気がする」

 

 俺は秋定と竹取のおっちゃんに許可を貰って、台所を借り、料理を作っていく。

 

「簡単な物ですが」

 

「いや、十分だ」

 

 大根の葉と納豆を入れた味噌汁、味噌大根、大根の皮のお浸し、あと塩おにぎり。

 

 信長様はそれを口いっぱいに頬張り、食べ、途中で味噌汁の中におにぎりを入れて、猫まんまみたいにしてから一気に食べた。

 

「軽く寝る!」

 

 信長様は食べ終えると、寝るといって床で眠り始めたので、掛け布団をかけてあげるのだった。

 

 

 

 

 

 

「父上、ご武運を」

 

「うむ、秋定も気をつけろ」

 

 4時間ほど休んだ後に、俺は再び籠の中に信長様を入れて、帯で籠を背中に結び、明智光秀殿の軍勢へと走って向かうのであった。

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