【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
信濃の諏訪には大量の諏訪神社及び分社があり、それ1つ1つが軍事拠点となりうる広さと設備を兼ね備えていた。
鎌倉時代以前から諏訪は信仰の拠点であると同時に周辺でも頭1つ抜けた武力を持っていた。
鎌倉時代以降もその勢力は健在であり、鎌倉幕府滅亡後も諏訪に身を寄せていた北条時行を初め、室町時代でも確固たる勢力を維持していた。
ただそれ以上に勢いがあった勢力が武田である。
武田氏は信玄の父親の代から諏訪方面に度々進出を繰り返していたが、諏訪側から姫を送り出すことで同盟が締結されたのだが、信玄のクーデターにより父親共々甲斐から追放されて諏訪との同盟は破綻。
その後武田による襲撃を受けて、諏訪は武田の直轄地として長い苦渋の時代を迎えることになる。
しかし、諏訪の血を引く武田勝頼の誕生によって諏訪と武田の関係性は更に拗れることになり、そして長篠の戦いで武田首脳部が壊滅すると、諏訪は真っ先に織田家に服従を宣言。
以後は柴田のオヤジ殿の統治で上手く回っていたが、徳川軍が攻め込んでくると、真田昌幸の指揮で迎撃に成功。
以後睨み合いが続いて今に至る。
「柴田のオヤジ殿はまだ合流に時間がかかるとして……となれば津田軍が主軸で動かざる得ないな」
「土地勘は我々真田と諏訪の者がついているので、手に取るようにわかりますが、いかがいたしましょう」
真田昌幸に質問されるが、まずは徳川を混乱させることが大切。
こちらには搦手が得意な忍びも多く抱えているので問題はない。
「さてと、忍び衆に頑張ってもらいますか……」
大量の忍び衆を抱えるうちだからできることであるし、元々武田に所属していた忍びをごっそり引き抜いているので、こちらも土地勘はある。
徳川軍には地獄を見てもらおう。
嫌がらせその1。
食事や飲み物に毒を盛る。
普通の毒ではなく、俺の精液から作った性転換する液体なので、それを飲水を売る行商人に化けて持ち込めば、遅効性故に、気づかれにくく、気がついたら女体化している兵士多数。
食事には種付けおじさんの力で調薬した媚薬をたっぷり食料に混ぜ込む。
すると戦場であるが、ムラムラが止まらなくなり、性行為に移る人が多数。
それに性転換した人物が混じれば……容易に殺傷沙汰へと発展する。
女を犯したい発情した男ども、いきなり女の身体にされて錯乱する者達。
混乱すれば内部に忍び込むことが容易になり、混乱の最中に要人を暗殺したり、機密を奪えば、軍としての機能を失う。
そしてトドメに、噂を流す。
天竜川の水で身体を清めれば性転換は元に戻る。
天竜川に行けば犯されることはない……などで天竜川近くに敵兵を釣り出す。
忍びの合図で堰き止めていた堤を切れば、鉄砲水に流されて、徳川軍は津田軍と戦をする前に壊滅してしまい、更に追撃で朝方に徳川残党に向かって掃討戦を開始。
混乱で指揮系統が乱れまくっていた徳川軍は精強さを見せつけることができず、更には諏訪の狭い地形も合わさって逃げ道がほぼなく、多くの兵士が討ち取られる事に。
「又兵衛!」
「オヤジ殿ご無事で!」
「ああ、北条を倒してから急いで駆けつけた! 戦局は!」
「ついさっき信濃に侵攻していた徳川を壊滅させたところです」
「そうかそうか!」
柴田のオヤジ殿も合流。
これでこっちの軍勢は5万近くまで膨らみ、徳川に占領されていた砦や城を奪還しながら進んでいく。
「全軍指揮は誰がしているのだ?」
「信道様がしています」
「信道様……ということは信長様と信忠様は……」
「……」
実際には信長様は少女の姿で、目の前に居るのだが、言うわけにもいかず……柴田のオヤジ殿は涙を流すが、直ぐに次のことを考えねばと切り替える。
60を過ぎても頭も肉体も現役バリバリである。
ただここから先はほぼ消化試合。
信濃侵攻していた3万近くの軍が壊滅したことで、徳川に織田家を二方面から迎撃する余力は残っておらず、しかも徳川家康という軸を失った徳川家は脆かった。
というか、最盛期を迎えている羽柴秀吉に覚醒状態の明智光秀、種付けおじさんの俺、織田家武力筆頭柴田勝家が揃って負けることはまず無い。
徳川信康は岡崎城で自害。
そして全ての黒幕である天海こと佐久間信盛も捕らえられて、明智殿の部下による激しい拷問の末に全てを暴露したうえで斬首。
彼の語った事を纏めると、一番は長年勤めてきた織田家から追放されたことで憎しみが凄くなっていたこと。
他の同僚が出世していく中、自分だけ信長様に叱責された思い出しかないことから最初から信長様は自分を捨てるつもりだったのでは……という思いから、全てを破壊したいと思い、徳川家にとりつき、水野一族の粛清から負の連鎖で塙直政や織田家に恨みのある勢力を巻き込んで事に及んだとのこと。
最後の言葉は、
「ざまあみろ信長」
だった。
信長様自身、佐久間信盛は追放したとはいえ、思い入れがあったのも事実で、ここまで恨まれていたのだと結構心にきてしまったっぽい。
しかし徳川を倒したことで大きな問題が織田家にはまだまだ残っているのである。