【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
1567年……永禄10年。
美濃三人衆と呼ばれる西美濃の有力者3名が織田家に寝返り、信長様は直ぐに軍を出し、電光石火の早業で稲葉山城下へと攻め入った。
軍を動員して1日、翌日には稲葉山城近くに布陣、続々と集まる織田家の軍勢は膨れ上がり、大軍となって稲葉山城の支城に殺到。
木下秀吉殿の活躍もあり支城は落城し、稲葉山城のみが斎藤家最後の城となってしまった。
「詰みだな」
俺は森可成様の陣にて控えており、落城の様子をそこで眺めていた。
「又兵衛、兵が城下で狼藉しないように見張りを頼む」
「は! 森様は」
「信長様の護衛として稲葉山城に入る」
もう勝ち目がないと悟った斎藤龍興は側近を連れ、城が完全に包囲される前に美濃から逃走。
城に残った家臣達は城主が逃げ出した為に降伏を決断し、信長様が美濃に軍を進めて僅か4日で堅城のはずであった稲葉山城は落城するに至った。
「えっほ! えっほ!」
無事に稲葉山城を落とした信長様はこの城を岐阜城と名前を変えて、この城を居城にすると言い出した。
で、俺は稲葉山城の水の便が悪いのでなんとかしろという無茶振りをされたので井戸掘りをしていた。
「大将、俺が思うに、井戸を掘るんじゃなくて、水手曲輪を設置しろってことなのではないでしょうか?」
「そうかもしれないが、俺の嗅覚が正しければ地下から水の匂いがする。せーの!」
俺は岩盤にぶち当たったので拳を地面に当てて処女のきつきつの恥部を開発する感覚で、腕に力を込める。
バスン
地面に振動が行き渡り、小さく地面が揺れると、岩盤の下からチョロチョロと水が湧き出てきた。
「す、すげぇ……本当に水が湧き出てきた……」
「石を退かすから手伝ってくれ」
「は、はい」
石を退けると、水の勢いは増し、俺達が上に避難すると水がどんどん溜まっていった。
「あとは汲む為の滑車を取り付ければ完了だな。霧丸、滑車の用意を」
「はい!」
俺は部下にそう言うと、木陰で休むことにした。
「あの! 大将」
「ん? なんだ?」
「もし良ければで良いのですが……大将の部下として働かせてはもらえませんか?」
「お、おう……というか井戸掘りで一緒になったくらいで上司を決めても良いのか?」
「いや、毛受又兵衛様でしょ……イチモツで城を落とした天狗という噂は美濃でも響いていましたし、前から興味があったんです! どうか末席に加えていただければ……」
「お兄さんや、名前を聞いても良いか?」
「稲葉重通です!」
「稲葉……え? 稲葉!?」
稲葉という苗字は稲葉一鉄という美濃三人衆の1人苗字であった。
つまり普通に偉い人の関係者である。
「父は美濃三人衆の稲葉一鉄(この人名前コロコロ変えるので一鉄で統一)ですね。庶子なので何処に雇われようが文句は言わないと思いますよ」
「そ、そうか……でも一言伝えた方が良いと思うから、親父さんに挨拶しないと……」
「そんな気にしないと思いますがねぇ……」
というわけで、ちょうど岐阜城にて信長様に臣従の儀をし終わった稲葉一鉄様と会うことが出来た。
「なんで信長様も居るんですか?」
「居ちゃわるいのか? 居ちゃ……」
「いえ……」
なんか信長様も付いてきたが、俺は稲葉一鉄様に息子である稲葉重通君が俺の家臣になりたいと売り込んできたので、雇わせて欲しいと伝えると。
「うむ……天狗と名の通った毛受又兵衛殿になら息子を預けても良いと思うが……何か天狗の妖術を見せてはもらえぬか?」
と無茶振りしてきた。
ちなみに稲葉重通君もその場に居るし、他の家臣や美濃の衆の方々も近くで俺のことを見ている。
信長様も目をキラキラさせて楽しませろというのが顔に出ているので、俺は何個かやらないといけないなと思い、まずは水の入った壺を用意する。
「水の入った何の変哲もない水壺ですね」
「どれ」
信長様は周りの制止を振り切って水を一口飲むと普通の水だと言い放った。
つられて一鉄様も水を飲む。
「普通の水だな」
「これを油に変えます」
俺は腕を水壺の中に突っ込み力を込める。
すると水の色が濁りだす。
「流石にこれを飲ませるわけにはいかないのでこれを」
俺は皿に水壺の液体を掬って、垂らすと粘り気が出ていた。
皿に紐を差し、火を付けると、水であれば直ぐに鎮火してしまうが燃え続けていた。
「誰か舐めて確認したい人は居ますか?」
俺がそう言うと、重通君が手を挙げて口に含んでみた。
「爽やかな風味に胡麻や菜種の油とも違い、どちらかと言えば椿油に近い味わい……少し辛味と仄かな苦味が口の中に広がる……確かに水ではありませんね」
息子が試飲したので一鉄様や信長様も試飲することになり、少し飲むと、確かに油に変わっていると驚愕し、信長様は
「馬〜、お主これで鳥を揚げておったであろ〜、城の油で調理させても同じ味にならなくてな……なるほど、これは真似できんわな」
と納得された。
温泉に入りに来た時に偶に唐揚げを食べていたので、それで味を覚えていたらしい。
「でももっと何か派手なのは無いのか?」
信長様は更に無茶振りをしてくる。
「派手……ですか……そうですね……では大きな岩を用意出来ないでしょうか」
俺がそう言うと、広間に100キロくらいある岩が用意された。
信長様や家臣の方々は岩を触ってみたり、木槌で叩いてみたりするが、何の変哲もない岩であると確認した。
「これを男根に変えてみます」
俺がそう言うと周囲は理解出来ないような顔をしていたが、俺が岩に力を込めるとボロボロと岩が崩れていき、あっという間に長さ50センチ、直径5センチ、重さ10キロ程度のご立派様が5本岩から横たわった状態で出現。
灰色にテカリ輝く男根岩の先端からチョロチョロと白く濁った液体が溢れ出てきた。
「ひ、ひぃ……て、天狗じゃ! 本物の天狗じゃ!」
と美濃の衆は恐れ慄き、信長様含めた織田勢は大爆笑。
「これはこれで立派だな……せっかくだ、城に飾っておくことにしよう。生命力に溢れ、子宝にも恵まれそうだからな」
信長様はそう言い出し、岐阜城に飾ることになるのだった。
なお信長様は金玉袋と男根を上手くバランスを取ると立てることが出来ることにいじっていると気が付き、立てれば白濁液がこぼれることも無いので立てて保管する様になり、1本は寝室の花瓶として用いることになる。
しかもそれに花言葉が生命力や元気を表す菊を男根の尿道部分に突き刺して生けるというやばいことをしたが、男根岩に突き刺すと生けた花が1年経っても枯れることが無いという伝説が誕生。
後々信長様は茶人の千利休にこれを見せたところ、卑猥と馬鹿にすることなく、花入として業物と言われ、1本で城1つに匹敵する価値になると言われるのであった。
ちなみに後々この男根岩の1本を褒美として手に入れた信長様の家臣の奥方がこれを使って自慰行為に及んだところ、妊娠してしまった逸話も後々に出来、俺は本物の天狗なのではないか……いや、大天狗かもしれないと以後疑われ続けることになるのであった。
「父上も度肝を抜かれていました! やはり私が仕えるべきは天狗様である又兵衛様に他なりません!」
「天狗では無いんだけどなぁ……」
「なら妖怪の類ですか!」
「う、うーん、まぁ一応人間だけど妖怪かも?」
「おお、徳の高い妖怪すらも従える織田家! これは斎藤家が滅ぶのも仕方がありませんね! どうぞこれより馬車馬の如く私をお使いください!」
「お、おう。じゃあよろしく頼むわ」
「はい!」
こうして俺の部下に20代前半の稲葉重通が加わるのであった。