【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「よしよし、この子も大丈夫そうだな」
信長様より、乳製品が食べたいという要望が多くなり、加茂村でも特産品として乳製品を売り出したことで、商人達が物珍しさで購入するようになっていた。
そこで牛の牧場を新しく作り、乳牛を増やすことを始めていた。
「性転換能力も磨いておかないとな」
俺は買ってきた子牛を雌牛に統一させて、適度に母乳が出やすくなるように肉体改造を施し、ある程度育ったら能力を使って受胎させていった。
その牛達を管理するのは忍びの里から連れてきた家畜の世話に定評がある人達で、牛の管理に関しては、俺の家に居る牛達を除いては、彼ら彼女らに管理させるのであった。
「性転換能力……一番使うのは鶏か」
無精卵の卵を手に取り、能力で受精卵に変化させ、性転換能力を使えば、卵の状態で雌に鶏の性別を固定出来る。
雌じゃないと卵を産んでくれないので、これは死活問題。
なので、性転換の能力の練習も兼ねて、鶏を実験台にすることが多々あった。
「まぁ人には使い所が限られているからな……どうなることやら」
まぁ将来この能力が役に立つ場面が来るのであるが……それはまたの機会に……。
「馬もだいぶ増えてきたな」
利家に譲った馬を除けば桶狭間の年から初めて7年目。
馬房も毎年増築し、今では3頭の母馬と6頭の仔馬が家の周りを走り回っていた。
俺の能力が効いているのか凄い賢く、それでいて第3世代に当たる馬達は大きく成長する傾向が強かった。
例えば2年前に産まれた数え年で3歳……現代の表記だと2歳に当たる馬なのだが、平均して馬体重が480キロ前後ある。
一般的に日本固有で現代まで残っている品種がポニーと呼ばれる小さい馬ばかりであるが、世界水準で中型と呼ばれる馬は戦国時代の日本にも居た。
名馬と呼ばれる馬は大体がこの中型馬であり、現代の競馬場で走っているサラブレッド達からスピードを遅くして頑丈かつスタミナ豊富な馬という印象である。
で、俺の家に居る馬は2歳時点で並みの馬達よりも大きく、順当に名馬の道を歩んでいる。
ちなみに俺が美濃攻めの時に乗っていた愛馬は、繁殖入りして、現在は元気な子供を産んでいる。
ちなみに利家に与えた馬は利家が松風という名前を与え、彼の愛馬になっていたりもする。
(この後紆余曲折あり、松風は前田慶次の愛馬になるのだが……閑話休題)
「お前らもっと大きくなれよ〜、戦で頼りにしてるからな〜」
それを聞いた仔馬達がヒヒーンと嘶くのであった。
「いやぁ、京ではあまり使い道の無かった技能が生かされるとは……人生わかりませんね」
そう言いながら奈々が織物をしていた。
奈々は無事に子供を産み、その子供の衣服を作りたいと俺に相談してきたので、俺は忍びの技術者に聞きながら木製の機織り機を自作して、家に設置したのである。
病弱で家に閉じこもって居た奈々は、編み物をして生活の足しにしていたので、俺から機織り機の説明を受けると、直ぐに使いこなして、布を織っていった。
木綿を自分達の畑で育てていたので、それを布にし、着物や作業着、下着、大きさによっては手ぬぐいとして機能していた。
温泉が近くにあるので、手ぬぐいは人々から多く必要とされ、特に綺麗に織れる奈々の手ぬぐいは温泉に入りに来た重臣の方々からも絶賛されていた。
「産後の肥立ちは大丈夫か?」
「はい、胸も少し膨らんだおかげでちゃんと母乳が出て良かったです」
病弱を俺の能力で全治させたが、家に引きこもっていたことで体力は無い為、出産という体力、気力を使う一大事に、体が持つか不安であったが、種付けおじさんの能力で、安産となり、産後の経過も良好。
絶壁であった胸も母乳を出すために少し膨らみ、バストカップがAAくらいからBくらいまで膨らんでいた。
産まれた赤ん坊も奈々の母乳を毎日吸い尽くす勢いで飲み干し、奈々の乳首は毎日吸われた影響で少し長乳首に伸びているような気がする。
貧乳長乳首……これはこれで味わい深くて良い。
ちなみに今乳が一番でかいのは紅で、乳輪が一番大きいのははじめ、陥没乳首はもも、下半身のデカさは雫……と言った感じである。
「貴族と言えども人は人……教養ある分、私達に色々教えて頂戴!」
と雫が最初に言ったことが良かったのか、身分差に戸惑うことなくちゃんと暮らしていけている。
「あ! 私の唐揚げ!」
「これはもものです!」
こんな感じでおかずの取り合いにも奈々は普通に参加するようになり、奈々が来て約1年ですっかり馴染んで居た。
「はい、手ぬぐい10枚編み終わりましたよ」
「相変わらず綺麗な出来栄えだな……これだけでも食っていけると思うぞ」
「えへへ、又兵衛様の役に立てているのなら幸いです!」
可愛らしい奈々さん15歳(数え年)であった。
「いやぁ又兵衛様……壺作りもお上手で」
ある日俺は壺を作っている工房に用事があり、壺を買い取りに来ていた。
「梅干しやぬか漬けを作るための壺が欲しくてね」
という理由であったのだが、何故か俺が壺を作る流れになり、足踏みで回転する台の上に粘土を置いて壺を作ってみることにした。
で、初っ端から綺麗な壺が出来上がったのである。
それで先程の言葉に繋がってくる。
恐らく女性器の事を肉壺と言い換える事が出来るので、そこに能力が反応したのだろう。
とりあえず手持ちの金が許す限り、壺を作ってみて焼いてもらうことにした。
で、後日壺を取りに来ると不思議な事が起こったという話を壺職人の方からされた。
「又兵衛様の作られた壺はどれも欠けることなく出来上がったのですが……現物を見てくだされ」
そう言われて壺を見る……というか持ってみると、赤い液体が中にたっぷり入っていた。
「血のように赤い液体が壺から湧き出てくるのです。捨てても捨てても湧き上がってくるので恐ろしくて……壊してしまおうと思ったのですが、叩きつけても壊れなくて……」
「どれ?」
その壺からは確かに赤い液体が溢れ出ていた。
手に液体を垂らしてみても特に何も起きず、舐めてみたところ渋みを感じた。
前世で飲んだことのある味である。
俺は壺の液体を口に含んでみると、アルコール特有の重い感じと渋み、仄かな酸味が口に広がった。
「これ葡萄酒ですね」
「葡萄酒?」
「ええ、なんと言えば良いか……俺天狗って言われてるでしょ」
「ええ、又兵衛様は天狗の使いであると噂になっていますが……」
「その神通力が壺に移ってしまい、奇跡を起こしているっぽいんだよね……飲んでも害は無いですし、少し飲んでみます?」
「え! これ飲めるのですか?」
「俺今飲んだじゃん。大丈夫ですよ……美味しいので」
半信半疑ながらも職人さんも飲んでみると、味を気に入ったらしい。
「こ、これは美味い!」
「でしょーとある地域では神の血とも呼ばれる飲み物らしいですよ」
「神の血……そりゃあ美味いわけだ」
肉壺……神の血……ここから導き出される答えは……絶対これ女性の生理を意味するよな……。
それが分かるとあんまり飲んでいて気分の良くなる話ではない。
結局、横にするとワインが永遠に出てくるので、俺はこの壺を温泉の1つに設置してワイン風呂として活用することにした。
お湯が真っ赤に染まるので、血の池と村人達は呼んで入ろうとしなかったが、新しい物好きな我らが信長様は湯が真っ赤な風呂に大興奮。
のぼせるくらい浸かった結果、腹痛(恐らくストレス性の胃腸炎)が治ったと大喜び。
他の武将達も古傷の痛みが治ったとか取れなかった肩や腰のこりが取れたと喜び、神の湯として崇められることになるのだった。
また信長様は垂れ流しされているワインを飲むのにもハマったが……。
(下戸なので少し飲んでベロベロに酔っ払って皆に介抱されていた)
他の壺は特に異常は無かったが、焼いた結果、赤子の様な艶感の肌色に焼けて、実に立派だったので、最近仲良くなって茶器好きの武将である滝川一益殿に何個か壺を分けたところ、凄く気に入られて、度々茶会に誘われるようになるのであった。