【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「ほぉ……島を口説いたか」
「ええ、部下になってくれました」
「それはよかったな兄弟」
俺は筒井城に戻ってきた松永久秀殿に女性を宛てがわれ、互いに性行為をしながら会話していた。
「しっかし兄弟の足みたいなイチモツを突っ込んでも女性がよがり狂うとは……なんという技量」
「普通に突っ込んだら痛みを伴いますからね。それを快楽で上書きするのがコツです」
「うむむ、参考に成るのぉ……」
松永久秀殿は若い側室の方を、俺はお付の侍女の方を抱く。
侍女の方は顔面をぐちゃぐちゃにしながら、喘ぎ続けているが、俺は無視して松永久秀殿と会話を続ける。
「大和制圧おめでとうございます」
「うむ、これで大和は安定化した。国衆も儂に忠誠を誓い、三好家の争いも当主をこちらが握っていることで三好三人衆も迂闊に手を出しては来ないだろう。信長殿は何時ごろ上洛を?」
「越前にいる足利義秋様と連絡を取り合っていますので、かのお方を保護でき次第上洛に移るかと思われます」
「うむ……ふぅ」
どうやら松永久秀殿も射精したらしい。
「もう良い、下がっておれ」
「俺も十分に楽しませてもらいました。ありがとうございます」
側室の方はそのまま部屋を後にし、侍女の方は他の侍女達にかかえられて部屋から退室していった。
「ふう……兄弟の性行為を見ると、新たな発見が次々に分かって見ていて楽しいな」
「性技に関しては自信があるのでね」
手ぬぐいで体に付着した体液を拭い取り、全裸で床に座り込む。
松永久秀殿はそのままキセルを取り出すと一服を始める。
「キセルですか」
「お、よく知っておるな。南蛮商人から譲ってもらった物だ。いい匂いがして心が落ち着くのだ」
ぷはぁと煙を吐き出す。
「援軍の役割は十分に果たせましたかね?」
「十分じゃねぇなぁ、十二分に果たしてくれたよ。特に敵本陣への奇襲……あれは痺れたねぇ」
「ありがとうございます」
「織田信長殿が桶狭間で今川の大軍に勝った様に、部下のお前さんも十分に強い。部下がこれなら大将の織田信長殿はどれだけ強いのやら」
キセルをひっくり返し、燃え尽きた煙草を取り出し、キセルを掃除しながら、話を続ける。
「そうそう、兄弟……性技は四十八手だけじゃねぇな」
「流石久秀殿、今度会ったら渡そうと思っていたのがこちらになります」
俺は荷物から新しい書物を取り出し渡す。
そこには裏四十八手と書かれていた。
「表裏合わせて九十六手……他にも色々ありますが、体系化出来ているのはこれになります」
ペラペラと松永久秀殿は書をめくり、ニヤリと笑う。
「本当に性の探求者であるな」
「お褒め頂き感謝します」
新しい知識を得られて興奮が隠しきれない松永久秀殿は、一呼吸して落ち着かせると、服を着始める。
俺は松永久秀殿であればと思い、問いかけをしてみる。
「久秀殿、もし私を兄弟と慕ってくれるのであれば、将来私と共に信長様の天下を見ませんか?」
そう言うと松永久秀殿は悲しそうな顔をする。
「儂と兄弟……いや、又兵衛お主はよく似ている。儂とよくな」
「久秀殿と?」
「又兵衛にとって主君が織田信長殿であるように、私の主君は死してなお三好長慶様であるのだ」
三好長慶……三好の巨人と言われ、天下人とも言われた人物である。
三好最盛期を作り出し、彼の死により三好の没落が決定的になった……優しき巨人である。
「長慶様は孤児同然であった私と弟を家臣として引き立ててくださり、最終的に右腕と認めてくださった。どれほど嬉しかった事か……そして長慶様の死によってどれほど絶望したことか……儂は残滓だ。三好長慶様の残滓である」
「織田信長殿に協力するのも三好長慶様にどこか似ていたからだ。もし、信長殿が儂の思う天下人と違った場合……儂は容赦なく牙を剥く事になるだろう」
その瞳には絶対的な忠誠心と共に狂気を宿していた。
将軍暗殺、大仏殿を焼くなどの悪行をしてなお止まらない理由が故人への忠誠心であると俺は今理解した。
「全く……天才と言われる人は何でこうも狂気を宿しているんですかねぇ」
俺はあぐらをかき、頭をかきながら久秀殿に問いかける。
「時代を動かすには狂気が必要じゃよ。それが分からないとは兄弟はまだ若いのぉ」
「へいへい、二十歳(数え年)の若造ですよ」
援軍の任務も終わり、尾張へと帰還する。
松永久秀殿から受け取った書状を信長様に見せると
「相変わらず余の予想の上を行くなぁ馬は。本陣への奇襲とは余の桶狭間の真似か?」
「出来ると思ったのでやってみました。まぁ今回の戦で優秀な武士を引き抜くことが出来ましたので、それをしなくても勝てる作戦を立てられる様になるよう努力しますが」
「そうしろ……馬に戦で死なれては困るからな……今回の援軍はよくやった」
「は!」
「土地はやれぬが活躍に見合った金は出そう」
「ありがとうございます!」
「うむ、では下がれ」
「は!」
又兵衛を下がらせた後に丹羽長秀が信長の執務室に入ってきた。
「又兵衛はよくやってくれましたね」
「ああ、伊賀の者と仲が良いのが実に良い。それにこの度の戦で将として戦局を左右する事が出来る能力を示してくれた……まぁ個人の力量に頼り切ってしまっていた節があったが、島という優秀な武将を引き抜き、補佐に回すことで、不足は補えるだろう」
「相変わらずのお気に入り具合……他の者が嫉妬しますよ?」
「能力があるのに出世させない方が罪であろう。猿と馬は互いに競い合わせることでどんどん上に行くぞ。五郎左(丹羽長秀のこと)もうかうかしていられんな!」
「私は織田家の力になってくれるのであれば自らの立場を抜かされても構いませんが」
「無欲よのぉ……五郎左は。そういうところが好きだぞ!」
「ありがとうございます」
「ただ競い合わせるとしても……もう一人くらい出世欲の強いのが居ると良いのであるが……」
「滝川一益殿はいかがですか?」
「あやつは外様であるが、重臣として十分な力量を皆に見せておるからな。あやつは個人でも上がっていくだろう。そうではなく……幕府との取り次ぎが出来て貴族との交渉も出来るような人物が居ればよいのであるが」
「貴族には何故か又兵衛が異様に好かれていましたね」
「馬の奴前に京で祈祷を多くの者にしたらしくてな、礼法も教えれば直ぐに吸収したから実利や人徳で人気なのだとか……ただそれも付け焼き刃……本物には敵わんからその道に精通している者が居れば良いのであるが……あーあ、そんな人物居ないかなー」
「流石にそんな人物は……」
すると小姓頭の加藤が幕府と連絡役をしている人物が来たと言ってきた。
そのまま入るように言い、入ってきた男こそ……明智光秀である。
「信長様! 自分鉄砲上手く使えます! 幕府との距離も近く、美濃出身なので明智の名を出せば美濃から人材を引っこ抜けます! 朝廷での礼法も幕臣の方々から教わり完璧です! なのでどうか雇ってはくれないでしょうか」
信長に会うなり土下座をかまして雇ってくださいと言う中年のおっちゃんを可哀想な者を見る目で見ながらも、信長はそれほど自信満々に言うなら雇ってやると雇うことにした。
「言っていることが本当であれば使えるのですが……」
「まぁ言ってることの半分でも出来れば上出来であろう」
そう信長は思っていたが、言ってること全てが本当であり、能力も十二分発揮し、凄まじい有能ぶりを発揮して明智光秀は影響力を拡大していくことになる。
ただ彼の欠点は能力はあるのであるが、出世に貪欲かつやや自己中であり、秀吉の様に上司にごまをするわけでも無く、又兵衛の様に好かれるような行動をするわけでもなく……がむしゃらに出世しようと他人に構うこと無く動くので、織田家重臣からも下級の家臣からもあんまり良い顔をされないのであった。
言ってしまえばチームに馴染まないメジャーから来た助っ人外国人(能力は本物)みたいな人物なのである。
ちなみに明智光秀は信長に雇用されるまでほぼ無名であったが、評価した人物が2人いた。
朝倉宗滴と毛利元就である。
両者共に能力は認めていたが、貪欲で他人とのコミュニケーションに難ありという見解を示していた。
ただ信長は自身も天才であるから言わなくても勝手に望んだ行動をしてくれる明智光秀に感心し、どんどん出世させていくのであった。