【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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北伊勢侵攻の手伝い

 1567年10月頃……信長様より命令を受け、俺は北伊勢に兵500名を率いて出陣していた。

 

 信長様は北伊勢-伊賀-大和の経路を確保したかったのである。

 

 この連絡路を手に入れることで、従属した松永久秀他畿内勢力との連携を強め、来たるべき上洛の足場を整える事を目的としていた。

 

 ただ北伊勢には四十八家だか五十三家だかの国人衆勢力がうようよしており、立場を表明していなかったのである。

 

 信長様は松永久秀救援のために俺を送ったが、その時に協力した勢力は領地の安堵、日和見や敵対を表明した勢力には滝川一益様率いる軍団が暴れまわっていたのである。

 

 そんな地域に俺を送る理由は伊賀との連携強化……これが目的であろう。

 

 信長様は積極的に伊賀者と呼ばれる忍び衆を雇用したが、里での人気は未だ俺が強い。

 

 その人気のある俺を使い、今年中に北伊勢八郡の制圧を完了させるのが戦略目標だろう。

 

「おいっす、又兵衛元気かー?」

 

「滝川様、相変わらず傾いてますね!」

 

 本陣にて援軍の挨拶に向かった俺を、滝川一益様は歓迎してくれた。

 

「堅城と言える城はほぼ無いが中小規模の城が乱立している。攻め落とそうにも兵が分散すると痛手を受けてしまうからな。信長様に預かった兵をいたずらに消耗させるわけにもいかぬ」

 

「そこで私と?」

 

「美濃攻めでは奇天烈な方法で城を落としているからな。得意だろ?」

 

「小さな城でしたら数日で落としましょう。絵図はありますか?」

 

 滝川一益様に北伊勢の地図を見せてもらうと、赤堀城という砦のような城が目に入った。

 

 海岸沿いに北伊勢を南下する時に邪魔な位置にあり、浜田氏、羽津氏と連合を組んで織田軍に敵対する姿勢を示していた。

 

「赤堀か、連合を合わせても1500かそこらの兵であるが、互いに連携していてなかなか攻め落とすには難しい城であるが……」

 

「でもこの城を攻め落とせれば中伊勢への街道が繋がりますよね」

 

「確かにそうであるが……又兵衛、任せられるか」

 

「お任せください」

 

 

 

 

 

 

 

 赤堀城を攻める事に決まり、俺は自陣に戻って作戦会議を始めていた。

 

「赤堀城は小高い丘に築かれた平城。籠もる兵は500ほどであるが、他の国衆と連携され、援軍が来れば500の兵数では厳しい戦いになる」

 

 集まった家臣達にそう説明すると、少しざわつきが起こった後に、どう短期で攻め落とすかという話になる。

 

「又兵衛様何か策が?」

 

 島の言葉に俺は自信満々に答える。

 

「赤堀城は伊賀に向かう際に何度か間近で見ることがあったが、城内に続く隠し通路を見つけていてな、それを今回使おうと思う。」

 

 種付けおじさんとしての能力なのか、女体の弱点を探るのが得意な様に、城や砦も女体に見立てることで何となくどこが弱いか見定める事ができるようになっていた。

 

 正門を口、裏門を恥部、そして抜け道をアナルと考えれば自ずと答えが導き出される。

 

「島と稲葉(重通)は正面から400の兵を率いて矢を射掛け、牽制をしてくれ、100名の兵を率いて俺が抜け道から城内に突っ込む」

 

「しかし、又兵衛様が危険なのでは!?」

 

「なに、斬られても致命傷にならない俺だぞ、危険な役割を大将が担うことで部下の士気も上がるってものだ。忍び衆は俺と共に抜け道を使い城内に入ったら本丸に続く道を押さえてくれ、本丸に侵入できるようであれば侵入し、本丸に続く門を開けてくれ、それで城を盛大に燃やす。さすれば連合の他の国人衆は落城をいち早く認知して援軍よりも自分の城に閉じ籠もるだろうからな」

 

「「「は!」」」

 

「よし、作戦開始だ。武功を挙げるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

「始まりましたね」

 

 俺達は林の中を進んでいき、城の抜け道の目印になっている地蔵に到着した。

 

 城の方面では叫び声が上がり、島達が城の注意を引きつけてくれている。

 

 菊八が俺に合戦が始まっていることを言い

 

「被害が増える前に俺達で勝負を決めるぞ」

 

 そう命令して、藪の中を突き進む。

 

 すると木の壁で覆われた場所に出て、城から見ると死角の部分になっている。

 

「はしごを」

 

「いや、俺がやる」

 

 熊部がはしごをと他の者に命令するが、俺は壁に近づいて思いっきり張り手を突き出す。

 

 するとドゴォンと爆発の様な音と共に木の壁が吹き飛び、15メートルほど先にある小屋にぶつかり、小屋も倒壊してしまった。

 

「規格外ですね……又兵衛様」

 

 菊八がお世辞を言うが、俺は

 

「道は出来た! 各々武功の挙げ時ぞ!」

 

 叫び声を挙げて鼓舞し、士気を高めた状態で突っ込んだ。

 

 城内から敵兵が現れると思っておらず、直ぐに混乱状態になり、俺は目の前にいる敵兵を横一閃……鎧ごと切断する。

 

「首は後だ! 今は敵兵を討ち取ることだけに集中せよ!」

 

 俺達が突入し、城内が混乱していると察知した島はすかさず正門に突撃を仕掛け、弓矢や石での応酬が少なかった為に、多くの兵が壁を乗り越え、城内に突入し、正門もまもなく破壊される。

 

「おぉ、怖いねぇ」

 

「猿飛大丈夫か!」

 

「あっしは無事ですよ。さっき5人ほど斬ったところです。又兵衛様は」

 

「まぁ5、6人ほど斬った。他の奴らはどこ行った」

 

「熊部が大暴れしていて目立ちますねぇ……あ、今吹き飛んだ敵兵の場所に熊部がいるんじゃないんじゃないですかねぇ」

 

 猿飛とそんな会話をしながらも、俺と猿飛は敵兵を斬り殺す。

 

「本丸の門が開いた……よし猿飛、俺に続け。本丸に突撃する」

 

「あっしでよろしいならば付き合いますよ」

 

 道中返り血で全身赤黒くなっている菊八とも合流し、統率出来た20名程度の兵で本丸に向かう。

 

 ただそこには自害し果てている赤堀一族の男女が事切れていた。

 

 恐らく城内に俺達が侵入した時点で勝敗が決したと思ったのだろう。

 

 突入してまだ30分も経過していないからな。

 

「他に隠れている者が居ないか探せ」

 

「「「は!」」」

 

「どっこいしょっと」

 

 俺が事切れた武将達の首を切り、城の中にあった桶の中に首を詰めていく。

 

 そうこうしていると勝鬨が上がり、戦闘が決着した。

 

 200名ほどの赤堀の兵が捕らえられたが、武装解除して城から逃がし、城内に転がっている敵兵や乱戦で殺られた味方の兵の亡骸を本丸の屋敷に集め、油を撒いて燃やした。

 

 城を破却した俺は兵を連れて赤堀城を退去し、滝川一益様に赤堀城落城及び赤堀一族の首を見せた。

 

「流石又兵衛、攻城名人だな! 信長様もさぞ喜ぶだろう!」

 

「ありがとうございます」

 

 赤堀城を攻め落とした俺は滝川一益様より残りは比較的楽な仕事をすることになった。

 

 まぁ寺を焼く作業である。

 

 この辺の寺は北伊勢の国人衆と密接に連携し、時に僧兵を使って攻撃してくることもあったので、滝川一益様は北伊勢の寺の間引きを指示。

 

 滝川一益様本人がやると、信長様より北伊勢の土地を与えられることになっている滝川一益様はその土地の民意を得られない為に、美濃から援軍で来ている俺にやらせることでヘイトコントロールしようという腹づもりらしい。

 

 俺は流石に寺を事前勧告無しに焼くのは不味いし、寺に保管されている歴史的資料は後世の重要な記録になることを知っていた為、兵達に指示を出して寺の物品を運び出させ、直ぐに復興出来る資材を調達してから燃やすというパフォーマンスを行った。

 

 寺の人から文句は言われたが、忍び達により国人衆との繋がりを示すと、直ぐに態度を変えて慈悲を乞う事をし始める。

 

 そこに滝川一益様に忠誠を誓うことを約束させ、それで駄目なら過激な僧兵の一部を見せしめに処刑することで織田の支配下に入るように指示した。

 

 結果、俺は何故か敵味方から仁将扱いされるのであった。

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