【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
秀吉殿の城に滞在すること数日。
流石に添い寝以上の事はお市様とはせずに、時々料理を作ったり、城兵と稽古を付けたり、お市様が俺の今までしてきた話を聞きたいと言うので、京の祭りや戦の事、領地での生活のことを面白可笑しく説明したり、貴族から習った笛や琴の演奏で、今までの苦労を労ったりしていた。
そんな事をしていると、信長様より手紙が届いた。
要約すると
『馬、市を救い出してくれてありがとう。これで浅井に憂いる事なく攻めることができる。浅井長政はもっと武勇に優れていると思ったが、金ケ崎以降やることが小者の様で、馬に嫁を奪われる始末……状況に右往左往するのみで、何とも情けない』
『馬は猿(秀吉殿)と協力して美濃との街道を回復致せ、市は馬の嫁にする。祝言は盛大に行うぞ。わかったら市を泣かせるんじゃないぞ』
とのこと。
信長様からお市様を嫁にして良いと許可を頂きました。
お市様にもこの手紙を見せると顔を真っ赤にしてから、抱きつかれました。
それを見ていた秀吉殿がまた脳が壊れると叫んでいたが、妻であるねねさんにビンタされて再稼働。
俺が秀吉殿に祈祷をすることでねねさんに3人目を仕込むことになるのだった。
「又兵衛様、本当に無理しないでくださいよ」
「ごめんごめん島。他の皆も悪かったね、任務とは言え、大将が抜けてしまって」
俺の部隊も無事に横山城に到着し、島から比叡山延暦寺を囲んでいる織田軍の様子を聞いた。
曰く、信長様は持久戦の構えを見せていたが、各戦線から悲鳴の様な救援要請が各所から上がっているので、見過ごすことも出来なくなっていたので、そのうち和議になるだろうということを言われた。
その前に美濃と京の道を回復させないと……。
「お市様は横山城にて滞在してもらい、俺達は甲賀の里に向かうぞ」
「甲賀の里ですか?」
「忍びの力を借りにな」
甲賀の里は六角に元々仕えていた忍び集団であり、過去には幕府十万の軍勢をゲリラ戦術で撃退した実績もある。
ただそれでも忍びというだけで下賤な者として見られることが多く、最近では信長様が評価をしたので、六角を見限って、織田軍に協力をしていた。
なので、比較的友好的ではあると思っていたが
「毛受又兵衛様ですか! 我々忍びを高く評価していただいて本当に助かっております! 伊賀者だけでなく、こうして甲賀の里を頼っていただけるということは!」
なんか好感度バグってないか?
「俺のことなんでこんなに評価高いの?」
「え!? 又兵衛様は我々忍びにとって救世主の如き人物なのですよ!」
彼らからすると伊賀の忍びでもちゃんと評価して、結果を出せば武士身分に引き上げるし、甲賀の里も信長様に評価されて、大口契約を獲得出来ていたので、俺は神様みたいな評価になっていた。
「又兵衛様は我々忍びにとって希望なのです! そんな方が我々を頼ってくれるのは、我々の地位を引き上げることに繋がるのです!」
なるほど……そういう事か……。
「すまないが、近江で発生している一揆をなんとかしたい。報酬は……手付金として、俺の領地の穀物と一部は家臣として召し抱えるでどうだ?」
「おお! 是非ともよろしくお願いします!」
忍び達のやる気は凄まじく、扇動をしていた人物の暗殺は勿論、虚言を使って多くの人数を一揆から抜けさせ、纏まった狂信者達には毒饅頭を食わせて、戦力を大幅に弱体化させた上で、俺の部隊で鎮圧を続けた。
十数箇所で起こっていた一揆は、甲賀衆の尽力により20日程度で鎮圧し、こちらは大きな損害も無く改めて忍びの能力の高さを実感した。
任務を達成した甲賀の忍び達は大型犬の様にご主人褒めて褒めてと尻尾をブンブン振っているイメージが見える見える。
俺と秀吉殿が一揆を鎮圧した頃、信長様は石山本願寺に対して土下座していた。
本当に土下座した訳では無いが、天皇も和議の仲裁に入るくらい大事になり、石山本願寺はとりあえず矛を降ろすことに成功する。
石山本願寺だけでなく、朝倉家も長陣による疲弊と冬が近づいてきて、雪による本国との連絡路が遮断されることを恐れ、この講和に参加。
浅井家も長政が失態をしたものの、一度本軍を戻さないと体制を立て直せないと判断し、講和に合意。
三好三人衆は幕府と和議を結び、一度全体での合戦は終結。
結果、信長様は領地は殆ど失わなかったが、権威は大幅に低下することになり、反織田勢力を勢い付かせる結果になるのだった。
何より痛いのが、美濃のバランサーであった森可成を失ったことである。
その他にも伊勢長島一向一揆により織田家の一門衆も多く討ち死にしており、重臣がごっそり居なくなる異常事態。
信長様は俺や秀吉殿、明智光秀殿等の外様だったり下から成り上がってきた者を積極的に席順を上げて失った家臣の補填をしつつ、より実力主義を表に出していく。
あと忘れていたが、荒木と中川の2人は池田家をパージして和議直前に織田家に寝返り、池田家は荒木によって破壊され、荒木が他の家臣も吸収。
池田家は荒木によって事実上乗っ取りされて滅亡することになった。
京で一仕事終えた信長様は俺と秀吉殿の居る横山城に立ち寄り、お市様や姪っ子の茶々様、初様と初めて会うことになる。
「おお、市……馬に助けられたそうだな」
「ええ、又兵衛に助けられました。それで信長兄様」
「あぁ、わかっておる。浅井とは絶縁だ。市は馬に嫁ぐが良い」
「ありがとうございます」
「馬、市を頼むぞ」
「は! そうなりますと……お市様を正室にした方が良いですよね……」
「いや、側室で構わん。正室の娘も立場があるだろう。ただ馬はこれより津田の名跡を与える。津田は織田家一門に与えられる名だ。その意味は理解できるな」
「は!」
つまり正室は雫のままで良いが、津田家の家督はお市様と男子が出来た場合、お市様の子供に継がせろという事だろう。
後は他の人達への牽制も含まれているか……。
まぁ今回の戦で一門衆が減ってしまったので、埋め合わせの意味もあるだろう。
「又兵衛」
ギュッとお市様……いやお市が抱きついてくる
「はい!」
「これからよろしく頼むわね」
「幸せにしてみせます」
織田軍はそれぞれの拠点に戻り、お市と茶々、初の子供達を連れて俺も家に帰るのであった。
「お、お、お市様を嫁にした!?」
叫んだのは雫である。
「ということは……私はお払い箱ってこと」
「いやいや、そんな事ないだろ」
俺はお市は側室として俺の嫁になることと毛受家は雫の長男に継がせ、津田はお市と今後出来るだろう男子に継がせると説明する。
「つまり毛受家は津田家の一門衆になるってこと?」
「まぁそうなるな」
後々は家老格に毛受家……雫の息子達を添えて、他の男子達も津田家の家臣として働いて貰うことになるだろう。
他の嫁達は自身の息子や娘達がどういう立場になっていくかを理解してホッとし、雫も正室を続けれるが、お市との関係は徐々に築いて貰うしか無いだろう。
「又兵衛……今夜はどうか……」
「雫、他の嫁達にも今夜だけは市に与えるから我慢してくれと伝えてくれ」
「それはあんたが言いなさいよ!」
ゲシっと蹴られてしまう。
「ふふ、戦場ではあれだけたくましいのに、家では嫁に逆らえないのですね」
「いやいや、夜になると雫も踊り狂って」
「又兵衛! 言わなくて良いから!」
「ふふ、じゃあ今夜は楽しみにしていますね」
結局夜になると俺の男根がお市様を貫き、長政の爪楊枝に比べてなんてたくましいの! と俺専用にカスタマイズする作業を行うのであった。