【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

82 / 202
豊作の秋 お迎え棒

「大豊作だべ!」

 

 今年は台風が何回か通過し、不作になるのではないかと懸念されていたが、尾張、美濃では豊作、俺の領地でも、黄金の稲穂が辺り一面を埋め尽くし異常な豊作と言って良いくらいの大豊作である。

 

「領主様がオラ達に農法を教えて頂いたお陰だ!」

 

「金精大明神のご加護だ!」

 

「男根様万歳!」

 

 皆嬉しい悲鳴をあげながら収穫作業に臨み、各村に千歯扱きと唐箕を贈り、脱穀の速度を上げていった。

 

 お陰で収穫量は例年以上になったが、脱穀作業は例年並みで済み、領民達は皆喜んだ。

 

 さて、収穫及び脱穀が終われば年貢の取り立て。

 

 俺は家臣達に指示を出して年貢の計算を行っていく。

 

 俺の領地は2万千石。

 

 そのうち、米を作る田んぼの面積は大凡1万7千反……1700町という単位の方がわかりやすいか。

 

 今年の1町当たりの収穫量は1町40石、1反当たりだと4石もの収穫量になり、6万8千石もの収穫量を記録した。

 

 例年の4倍の収穫量である。

 

 で、年貢の比率は五公五民……収穫量の50%になるので、3万4千石が税として納められる。

 

 ここから兵士達に給金を支払うが、2石で1貫計算となり、俺の雇っている家臣の全体俸禄が1万5千石……1人平均30石計算で、500人雇っている。

 

 結構無理しているが、今年は十分に支払えそうである。

 

 それでも俺の手元には1万9千石も残ったが、これは殆ど堂洞城改築資金と来年度の軍資金として終わってしまうだろう。

 

 農民達は収入が実質4倍になった事で大喜び。

 

 鉄製の農具を揃えるのは勿論、自衛用に武器を買ったり、家畜を増やしたり、来年の収穫を増やすために金肥という肥料を買ったり……。

 

 それだけでなく、養える人数も増えるからと繁殖活動にも励み、収穫祭で恋仲になった男女も多く、翌年には多くの子供が生まれてくることになるのだった。

 

 

 

 

 

 

「産まれる! 産まれちゃう!」

 

 臨月になった嫁達をお迎え棒で突っついていると破水し、出産に今年もなることになった。

 

 玉や紅なんかは5回以上赤ん坊を産んでいるため、慣れた物で、柱に抱きついて踏ん張ると、ニュルンと元気な赤ん坊が産まれてきた。

 

 下半身がパツンパツンの雫なんかも直ぐに赤ん坊が産まれてきて、踏ん張ったら一気に赤ん坊が飛び出してきた。

 

 出産の痛みでイキまくっていたので、雫はもう末期だろう。

 

 出産経験が3回目のお市も俺に産道を極太の男根で開発されていたので、楽に出産し、元気な女の子が産まれてきた。

 

 その子には江という名前が付けられ、他の子達にも名前を付け、嫁達は同じ日に全員出産するという快挙を達成し、全員布団の上で数日ぐったりするのだった。

 

 嫁達の出産が終わると、秋植えの季節が始まる。

 

 米を収穫して藁の一部を焼いて灰を撒き、更に牛糞等の肥料を撒いて、牛や馬の力を使って地面をかき混ぜる。

 

 土壌を整えたら、秋植えの作物を植えていく。

 

 小麦、蕎麦、じゃがいも、カブ、大根……南蛮商人に取り寄せてもらった白菜やチンゲン菜といった大陸の野菜も育てていく。

 

 チンゲン菜……名前にチンが付いているし、豊作になって欲しいが……。

 

 特に期待を寄せているのは玉ねぎである。

 

 玉ねぎは血液をサラサラにする効果があるのと、下半身の骨盤当たりの動脈に作用して、オーガズム……性的絶頂や感度を上げるのに効果がある食材であるので、種付けおじさん的にも良い食材である。

 

 じゃがいもや米の豊作により、領民達に俺の農法の有用性は広まっていたので、これらの作物を育てるように言えば育ててくれた。

 

 玉ねぎとか種付けおじさんの力を使って品種改良したら、じゃがいもみたいに鱗茎(玉になっている部分)が複数個になったりしないかな……それだと食べ応えがあって良いのであるが……。

 

 そんな馬鹿な事を考えながら作物を植えていくと、冬になる。

 

 冬場は牛や馬の出産シーズン。

 

 種付けおじさんの力で孕ませた牛や馬達を次々に出産させていき数を増やす。

 

 搾乳用の牛はかれこれ250頭、馬も100頭を超えるようになり、最近では双子を孕ませる事をしていた。

 

 牛で実験したが、逆子になる子牛が多くなり、自然分娩で赤ん坊が産まれにくくなってしまい、人の補助が必要になったので、俺は双子を孕ませるのは人でやることは辞めようと思った。

 

「双子は母体に負荷が大きい。俺の品種改良した牛でも人の補助がなければ安全に子供を産むことが出来ない。雫達も肉体改造をして双子や三つ子を産める土壌は出来ているが……無理をさせるのは良くない」

 

「だったら長く楽しませてもらったほうが俺的にはありがたいからな」

 

 まぁ肉体をぶっ壊してもいい相手にはやっても良いかもしれないが……そんな奴と俺は交わりたくないけどな……。

 

 

 

 

 

 1571年も終わりが近づき、戦局を見ていこう。

 

 まず織田家の内情であるが、対浅井戦線に木下秀吉を配置、朝倉に取り返された若狭戦線は後退。

 

 そのスライドで森可成様の穴埋めに丹羽長秀殿が入り、京近くの場所は明智光秀殿が守る。

 

 伊勢は滝川一益殿が入り、尾張西部は柴田のオヤジ殿、一応要所と言える場所は織田家重臣が守っており、信長様の本隊が各所に出向いて各個撃破を狙うという戦術が取れる環境を1年かけて再編した。

 

 で、俺は1年休ませてもらったので、来年からは遊撃部隊として頑張る所存である。

 

 現在浅井、朝倉以外とは休戦状態で、浅井とは休戦を破棄して収穫時期の田畑を昨年に行ったのと同様に燃やしていった。

 

 収穫間際に織田軍によって田畑を燃やされたことで民や家臣から浅井家への不満が更に蓄積しており、しかも最近だと浅井長政が精神不安になり、自害しようとして大怪我を負った事で、現在では先代の浅井久政が大名として家臣の統率をしていた。

 

 ただ浅井の求心力は着実に衰えてきており、家臣達が織田家に寝返る事態が度々発生していた。

 

「浅井、朝倉の連合は他の勢力の援助がなければ成り立たない。頼みの綱であった比叡山延暦寺は焼失し、石山本願寺は和議が結ばれている」

 

「普通であれば詰みですね」

 

 俺は島と将棋をしながら戦局を話し合っている。

 

「これに武田が動けばどうなるかな」

 

「徳川単独では支えきれないでしょう。信長様より津田軍が援軍に向かうのですよね」

 

「一応家臣も増やしたし、1万の兵の運用はできると思うが……」

 

「武田相手には厳しい戦いになるでしょうな」

 

「島の軍略でも無理か?」

 

「私的には又兵衛様の妖術に縋りたいくらいですが……」

 

 それほどまでに武田は強い。

 

 正味、1万の軍が与えられるが、武田とまともに当たって半分生き残れば万々歳だろう。

 

「直臣も何名生き残れることやら……」

 

「誰も失いたくないがな……」

 

 大戦を予期させる1572年がいよいよ始まる。

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