【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
徳川家康様の予想では、武田軍は二俣城の完全包囲は出来ておらず、完全に囲まれる前に到着したばかりの武田軍を襲撃できれば良いという希望的観測で動いていたが、武田軍の進軍速度は徳川家康様の予想を凌駕し、二俣城を完全に包囲。
そして救援に来るであろう徳川軍を待ち構えていたのである。
徳川軍は不利な場所に陣取ることになり、武田軍による猛攻が始まる。
武田の強さの象徴として語られることが多いのは突破力である。
武田と言えば騎馬という印象操作を受けているが、騎馬の数は他の家よりは多いものの、西洋の様な騎馬集団による騎馬突撃は行われていない。
歩兵主体の突撃である。
元々甲斐の兵は強兵と言われ、餓えから来る略奪しなければ冬を越せないので多数の戦を経験していくうちに強くなる……中国の農耕民族と騎馬民族の戦闘力の差に近い。
ただそれだけならば戦国最強の軍団とは言われない。
違うのは情報伝達速度。
武田にはムカデ衆と呼ばれる忍びの集団がおり、戦場での伝達速度を可能な限り高めていた。
武田信玄の強さは情報収集及び虚言により、自軍の有利な場所に敵軍を誘き出すのが戦術レベルで完成していたのである。
そして突撃による突破力を生み出すために坂上や高所を取り、そこから低い場所に敵をおびき寄せたり、川や崖に敵を追い込んで力を最大限発揮できないようにするのである。
これが武田信玄の敗北は城攻めもしくは引き分けに持ち込んだが手痛い打撃を受けた上杉謙信の第四次川中島の戦いみたいな城による優位性がある場合と人知を超えた存在による一撃、もしくは天候不順による連携ができなかった時だけである。
軍略家としての武田信玄の能力がいかに優れていたかがよくわかる。
だからこそ、人知を超えた一撃を叩き込めば武田と言えどもダメージを負うのである。
「徳川軍、武田の先陣に敗れ敗走中」
霧丸からの報告で戦場が分かってくる。
山に囲まれた川沿い……一言坂という場所で戦闘が起こり、高所有利を取られた徳川軍は武田の突撃により第一陣、第二陣の突破を許し、本隊の徳川家康様の居る第三陣に攻撃を受けて、撤退を開始。
第一陣は壊滅状態、第二陣は本多忠勝隊の奮闘により殿として機能し、徳川本隊は戦場を離脱。
本多忠勝隊は包囲の危険に陥っていると報告を受けた。
「男根の陣を敷け、これより津田隊は武田先鋒隊を敵中突破を行う!」
奇襲とは2つの要素によって成り立つと言われている。
1つは時間。
朝駆けや夜襲による攻撃で奇襲を行う場合こう呼ばれる。
もう1つは場所。
敵が居ないと思われる所から攻撃された場合も奇襲として成立する。
どちらも敵の意表を突くことが重要である。
山を駆け上り、崖下に武田軍の旗がなびいているのがよく見える。
「角度55度といったところか……駆け下りるには勇気が居る」
「俺に続け!」
馬を促すと、斜面を一気に駆け下りていく。
大将の俺が突撃したのに、部下が遅れをとるわけには行かない。
しかも連れてきたのは殆どが俺の領地から連れてきた鍛えられた連中である。
その中には俺の長男である高貞や、元服を迎えてないが戦力になるからと連れてきた国丸の姿もあった。
崖から次々に津田の旗印である豊年満作や救民済世の文字が靡き、横木瓜の家紋の旗が次々に武田軍を飲み込んでいく。
「かかれぇ!」
奇襲されると思っていなかった武田先発隊の横っ腹を俺の部隊が突撃し、初々しい生娘の恥部を男根で貫くかのように、敵陣を掘り進めていく。
「立て直せ!」
ただ流石は戦国最強の武田軍。
武田の将が陣の転換を指示すると、乱戦中であるにもかかわらず、武田の陣が動き始める。
これがいかに高度なことか……。
斬り合いをしている最中に陣を動かせば、普通の軍であれば混乱し、押し合いになって身動きが取れなくなるのであるが、武田軍は奇襲による混乱を最小限の犠牲で立て直すと、俺の部隊を包み込む様に囲み始めた。
半包囲の陣形である。
「そりゃ武田ならこうするよな!」
武田が最強なのはよく分かっていた俺はこれも織り込み済み。
包囲のために両脇に軍を伸ばしたということは中央が薄くなるのである。
キツキツのアナルをこじ開ける様に、まだ失われていない突破力で、中央に勢いそのまま突っ込む。
「受け流せ!」
その突撃すら読んでいたらしい武田軍は突撃を正面から受ければ被害が甚大になると判断したのか、わざと道を開けて、突破をいなした。
開かれた道を通り、目的であった徳川第二陣及び敗残兵を回収し、戦場から離脱。
徳川軍は第一陣の混乱で500名近くの兵が討たれたが、それ以外の兵は脱出に成功し、致命傷は避けることに成功。
武田軍は俺による奇襲で300名近くが討死し、目的であった徳川軍に致命傷を与えることはできなかったが、二俣城の包囲は完成し、戦略的勝利を掴み取ることに成功したのであった。
「又兵衛殿、すまない」
撤退の最中、俺が救助した本多忠勝殿が謝ってきた。
「忠勝殿何がですか?」
「又兵衛殿の言うように、全軍で攻めていれば勝敗が変わっていた。しかも救援にまで駆けつけてもらって……」
「俺は援軍としてやるべきことをやったのみです。この後の戦いが本番になりますよ」
「……ああ、そうだな」
事実、二俣城の救援を再度行うにしても、武田本隊が接近しているため、全軍で挑んだとしても兵数が不利。
しかも有利な場所は武田軍によって抑えられている為に、次の戦いはより厳しいものになるだろう。
「島」
「は!」
「軍略家の島であればこの状況をどう打開する」
「正直二俣城救援は無理でしょう。より兵数の多くなった武田を迎え撃つには有利な場所に移動させなければ……」
「忍び衆による圧力は」
「武田の忍び衆とぶつかりますので、相当の出血を覚悟しなければなりませんし、諜報能力が下がれば、決戦時に不利に働くかもしれません」
「……手詰まりか……」
武田とぶつかってみて、恐らくモザイク戦術を使ったとしても対応してくるだろうという確信があり、種付けおじさんの力を使うとしても、新しい何かを行わなくてはならないと思っていた。
「精子を兵に飲ませてのドーピングはするが……それ以上に何か使えないか……」
俺は思考するのだった。
武田に勝つには人知を超える必要がある。
浜松城に帰還した俺は兵達の鍛錬をしながら、どうするべきかと悩んでいたところ、ふと韓国語でモルゲッソヨと言う単語を思い出した。
それは体を銀色に輝かせた男性の像……力と欲望の象徴とされ、筋骨隆々の男が顔を見えないように被り物をするという像のことがなぜか思い浮かんでしまった。
俺は衝動に駆られて、ノミと木槌を用意すると、岩をガリガリと削り始めた。
徳川の家臣や他の兵達は気でも狂ったかのように俺を見ていたが、数刻もすると、男性の石像が露わになった。
それはまさにモルゲッソヨと瓜二つ。
そこに俺は種付けおじさんの力を込めると、股間から白い白濁液がジョボジョボと溢れ出した。
「これは……飲むとまずい奴だな……霧丸」
「は!」
「悪いがこれを末端の兵の一部の食事に混ぜてくれ。なるべく弱兵か素行不良の奴が良い」
「わかりました」
霧丸に任せた後に、その効果を実感することになる。
その液体を食べた者は次々にモルゲッソヨになっていくではないか。
兵士の中にはいきなり苦しみだしたかと思えばモルゲッソヨ化した同僚を見て発狂した者も現れた。
「静まれ! これは神の使いの姿! 金精大明神の使いが現世に降り立ってくださったのだ!」
モルゲッソヨ達は俺の指示に従い、一列に整列すると、不気味な沈黙を貫いている。
それを見た他の兵達は不気味に思いながらも神の使いであるならと半ば無理やり納得させる。
「行くぞ」
俺はモルゲッソヨ300体を率いて武田にダメージを与えるために出陣した。