【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「産まれる! 産まれる!」
そう叫んでいる間に赤ん坊が股からコンニチハして無事に産まれることが出来た。
ちなみに雫の母親も俺の赤ん坊を出産している。
母乳の方は、俺が入念にマッサージをして、色々食べさせたお陰か、肉付きも良くなり始め、母乳もよく出ていた。
玉と紅の子供達は玉と紅から出る母乳を大量に飲んで、すくすくと成長している。
なんなら、玉と紅は村で乳の出が悪い奥さんの代わりに母乳を赤ん坊に分け与える事もしていた。
そのため村人達からも玉と紅の評価は高く、巫女だったこともあり、愛想が良いので村の人気者になっていた。
「少し気に入らないわね……」
そんな村の人気に嫉妬した雫が不機嫌になっていたが、俺が入念に快楽漬けにしてそんな気持ちを吹き飛ばし、玉と紅は再び生理が始まって産める体に戻ったので再度種付け。
それぞれ2人目を授かるに至る。
そして雌牛と牝馬も少しして出産し、それぞれ女の子が産まれる。
ただデカい。
普通生まれたての牛や馬の体重は50キロ程度であるが、両方70キロを超える巨大であった。
しかもバシャバシャと乳が出る為に子供の分よりも乳が採れる。
チーズやバターに加工しているが間に合わないくらいである。
「今日も大量に乳を出しているな」
もぉ~とご機嫌に鳴いている。
俺は桶に牛乳を搾っていると、横からペロペロと子牛が俺の背中を舐め続ける。
「くすぐったいな……お前も大きくなったら孕ませてやるから待っていろよ」
ブモブモ
と返事をしているのかよくわからない鳴き声をするのだった。
「大量大量」
俺は土を掘り返してミミズを採取していた。
ミミズ千匹という淫乱な用語があるのでまさかと思っていたが、俺の耕した畑からはミミズが良く取れる。
ミミズが沢山居るってことは土の状態が良い証拠であり、作物もよく育つのだが、今回は釣りの餌として集めていた。
狙うは川に居る鯉である。
俺の爺さんの田んぼでは鯉を放流する習慣があり、ゲームとかだと合鴨農法が有名であるが、鯉であれば水を堰き止めておけば田んぼから逃げることが無いし、田んぼの時期が終わればため池に放流し、冬の食料となる。
田んぼの隙間を泳ぐ時に水中で土が撹拌されて、稲がより深く根付き、倒れにくくなる効果もある。
水中に棲む害虫をも食べてくれるので戦国時代でも出来る農法である。
そのためにもまずは鯉を集めなくてはならない。
川に向かった俺はミミズを釣り針に引っ掛けて糸を垂らす。
釣れるかなーと思っていると、入れ食い状態である。
「あ、釣り竿の竿は竿姉妹とか言うし、竿を男性器に例えることもあるから種付けおじさんならそりゃ入れ食いか……」
川に浮かべていた籠の中、鯉がうじゃうじゃたまり、ドジョウ、ナマズ、ウナギも釣れていく。
鯉以外は泥抜きして飯行きで、鯉は田んぼに放流していく。
それでも食べきれないほどウナギなどが釣れたので、ご近所さんに譲っていく。
「まぁ立派なウナギ! 良いんですか?」
「ええ、食いきれないほど釣れたんで、旦那さんと息子さんと食べてください」
「ありがとうございます!」
こうしたご近所付き合いもこの時代は特に大切である。
下っ端武士は農民とほぼ変わらないし、戦場で肩を並べることもあるので、近所とは仲良くしておきたい。
そのまま午後には登城する用事があったので、急いで城の方に走るのだった。
「どすこい」
「それまで、又兵衛の勝ち」
今日は上野城で左近様の部下の方々と親睦を深めるための相撲大会が開かれていた。
この時代の相撲は土俵は無く、純粋に相手を倒した者が勝ちであった。
現代では反則とされる蹴りもアリである。
現代人が良く知る相撲の形になったのはもっと後の時代から(正確には江戸時代から)であり、それまでは土俵が無い総合格闘技の様な物が相撲とされてきたのである。
また、これは武家相撲と呼ばれ、鍛錬の一種として武士達から好まれた。
信長様も定期的に配下を集めた相撲大会を開き、勝者に報酬を支払ったという噂が流れるほどの相撲好きであるらしい。
「はっけよーい、のこった!」
相撲大会と言っても鍛錬がメインで、ルールは勝ち残り戦。
連続組手の様な事をやらされていた。
「おいおい、また又兵衛が勝ったよ」
「10戦はしているのに息一つ乱れねぇってどんな体力してるんだよ」
そんな中、俺は左近様から10連勝毎に100文の賞金を出そうと言われたのでやる気になり、10勝を勝ち取って見せていた。
100文というと現代換算だと1万2000円くらいであるが、1000文=1貫で2石……1年間で大人が食べる米の量を1石とするので、100文だと米を約30キロ購入出来る金額になる。
幾ら与力として20貫の金を支払われるようになったとは言え、収入は多いに越した事は無い。
100文といえど俺は全力で勝ちにいく。
「でいりゃぁぁぁ!」
俺の胸に突っ張りの勢いで正拳突きをしてきた男もおり、胸が真っ赤になるが、俺はその男を持ち上げると、そのまま投げ飛ばしてしまった。
「勝者又兵衛!」
ただ20連勝したところで、他の家臣達の鍛錬にならないからと優勝という形になり、良い物を見せてもらったからと左近様より500文もの賞金を貰うのであった。
「で、玉と紅に母様まで集まってどうしたのよ」
前田一家が居なくなった事で、再び離れで玉と紅は生活するようになったが、食事は一緒に集まって食べたりしていた。
ただ今日は又兵衛が城に登城している時に集まったのである。
ちなみに全員子供の服を作るために編み物をしながらであるが……。
「なんだかんだ共同生活を始めて1年が過ぎましたし、私達もっと仲良くなるべきじゃないかと思いましてね」
「そうです。私もお姉ちゃんも雫ともっと仲良くなりたくて」
「いい、私は正室で、あんた達は妾、側室でも無いのよ! 立場は弁えてよ!」
「それは嫌ですね。だって私は長男産んでますし、雫は男の子産んでないじゃないですか」
「そ、それはそうだけど……」
現状玉と雫の母親である望が男の子を産んでおり、紅と雫は女の子を産んでいた。
残念ながら世は戦国時代……男の子を産んだ者が正義なのである。
「まあまあ、嫡男は雫が男の子を産んだらその子って決まっているから良いじゃない。私が一番立場的に微妙なのよ」
望は雫の母親なので、本来は旦那の事を思って子供を作るのは言語道断なのであるが、出来てしまったものは仕方がない。
将来は更に分家を立てさせる事を考えなければならない子であった。
雫に男の子が産まれなかった時のスペアでもあるが……。
「雫ちゃん、よく考えてちょうだい。巫女であった私達姉妹を孕ませるくらい性欲が凄い旦那様よ、これ以降側室が増えない保障は無いと思わないかしら」
「そうそう、旦那様は武芸に秀でているし、政務も若いながら頭角を示しているそうじゃない。同じくらいの地侍の方が縁を深めるために娘を側室でもいいからと差し出してくるかもしれないよー」
「うぐ……確かにそうね……」
事実、4人がかりでも夜戦で又兵衛に返り討ちに遭っている4人は側室が増えても文句が言えない立場であった。
「それに旦那が頑張ってるのに私達はこのままで良いのかなってのもありますし」
「そうそう、旦那様を支えられてるかって言えば微妙じゃない?」
子育てはしているが、朝食や夕食を作ってもらうことも多く、家畜の世話や田畑の管理もメインは又兵衛がやっている。
補佐としてやることはあってもメインでやれていることが少なかった。
巷で聞く良妻賢母には程遠いなぁと思っていた。
「だからせめて私達は仲良くしましょう。もっと子育てと家事の両立をしていきましょう」
玉のその言葉の後は雑談や愚痴の言い合いで親睦を深めるのであった。