【書籍化決定】種付けおじさんIN戦国   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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国丸とマリアのぶっちゃけ話

 えー、皆さんお久しぶりです。

 

 又兵衛の息子の毛受国丸です。

 

 いやぁ……武田信玄……強かったです。

 

 めっちゃ怖かった……いや元々神の下僕なのである程度の神通力は使えますが……まさか大人びてるからって元服前に初陣に連れて行かれるとは思いませんでした。

 

 高貞兄さんは、又兵衛父さんと何処かに連れて行かれましたが、俺は家でゆっくりさせてもらいますよっと……。

 

 ただ……戦国時代の有名人である松永久秀さんをTSさせて嫁にするとは……頭のネジぶっ壊れてるとしか思えません。

 

 ちなみにそんな松永久秀さんであるマリアさんに今僕詰められています。

 

「のぉ国丸……お主……他の子供達と違うな。狐憑きか何かか?」

 

 あー、又兵衛父さんの神通力を大量に流し込まれてTS美少女化されているから感覚が鋭い。

 

 誤魔化す……いや、バレたところでなんとも無いか。

 

「実は僕、又兵衛父さんの事を神から守るように言われた守護天使なんですよ」

 

「ほう、天使とな?」

 

 天使と言っても伝わらないか? 

 

「キリスト教に居た概念じゃな。なんじゃキリスト教に被れておるんか?」

 

 あ、伝わるのね。

 

「まぁ僕からもマリアさんが松永久秀ってことはわかってるから」

 

「な、なんのことじゃ? 儂は何の変哲もない南蛮人のマリアじゃぞ」

 

「いや、取り繕っても無駄なんで」

 

 とりあえずマリアさんこと松永久秀さんとお茶をすることに。

 

「どうぞ」

 

「結構なお点前で」

 

 又兵衛父さんも使っている茶室にて、僕はマリアさんと話をする。

 

「で、又兵衛の事は亡くなられた長慶様から少し聞いておる」

 

「あら? 天界と繋がったのですか?」

 

「分からんが又兵衛に抱かれて死にかけたら、長慶様が見えたのじゃ。そこで又兵衛が神の使いであることが分かった。神の使いなら今まで起こってきた不思議な事の説明も付くわい」

 

 マリアさんは茶菓子として用意した煎餅をバリバリ食べながらTSすることになった経緯を説明してきた。

 

 そして僕の方もそもそも又兵衛父さんは神によってこの世界に飛ばされた人物であると説明する。

 

「なんじゃ神も失敗するのじゃな」

 

「おかげで僕はその責任を押し付けられる形で下界であるこの世界に飛ばされたんですけどね……全く、いい迷惑ですよ」

 

「じゃが国丸。神の使いである又兵衛でも武田には勝てなかったよな? 神の力でも倒せないものなのか?」

 

「又兵衛父さんの力は武神よりも農神……繁殖方向の神様の適性が高いです。武神になりかけていた武田信玄を相手にするには少々相性が悪かったですね」

 

「そうなのか……兄弟は強いと思うのじゃが」

 

「個人では確かに強いですが、経験値の差ですよ。過去の逸話で英雄の軍勢に神の使いが負ける事も普通に起こってますし」

 

「ふーむ、まぁ儂自身が女に転生しているから不思議な力があることはよくわかっているのじゃが……国丸はそういう力は無いのか?」

 

「将来的には又兵衛父さんのやれていることはできるようになると思いますよ……今の僕ですと」

 

 僕は又兵衛父さんが作りかけで放置していた木彫りの……なんだキノコか? これ? に力を込めると茶色い液体が流れ出てきた。

 

「舐めてみてください」

 

「ふむ……ん!? 甘いのぉ」

 

「チョコレートと言う菓子ですね。精力剤としても効果があり、耐性の無い人には媚薬としても使われています」

 

「なんちゅう物を食べさせたのじゃ!」

 

「いや、又兵衛父さんに性転換されたマリアさんは耐性あると思うので食べても大丈夫ですよ。というか健康にも良いのでマリアさんは普通に舐めた方がいいですよ」

 

「そ、そうかのぉ……」

 

 二口目を舐めるマリアさん。

 

 美味しそうである。

 

 ただ僕の力が弱いので湧き出るチョコレートは直ぐに止まり、キノコをチョコレートコーティングするに留まる。

 

「まだ僕の力は微弱なので全然ですね」

 

「いや、それでも凄いと思うぞ……ちなみに国丸が狐憑きなのは兄弟は知っておるのか?」

 

「だから守護天使だって……いや知りませんよ。本来ならこの体に芽生える筈だった魂を押しのけて僕の魂が入ってしまっているので……それを又兵衛父さんが知れば悲しむかもしれませんし」

 

「悲しむかのぉ……それはそれで面白いと笑いそうじゃが……」

 

「まぁ天使なんだからもっとキツイ鍛錬しても大丈夫だろうと言って、ヤバい事もさせられそうですが……」

 

 又兵衛父さんならやりかねん。

 

 高貞兄さんに単独で熊殺しやらせるような父親だ。

 

 僕に単独で城落としてこいって言いかねない。

 

「まぁ儂からは又兵衛には言わないでおこう」

 

「そうしてください」

 

 茶を飲み干して、おかわりを僕は要求。

 

 マリアさんは茶を入れ直してくれた。

 

「武田は強かったか?」

 

「そりゃべらぼうに強かったですね。僕自身も死にかけましたし」

 

「天使でも死ぬのか?」

 

「そりゃ肉体は人間なので、矢を頭に受ければ死にますよ……全身に矢を受けても死ななかった過去の武士達がおかしいだけですからね」

 

「なんじゃ、神の使いの割には弱いのぉ……噂に聞く上杉謙信とかは狙撃されても弾が避けていくと言う話を聞いたんじゃが」

 

「上杉謙信は別の神様に愛されてますからね……毘沙門天の加護ですよ」

 

「武田はなんの加護を受けているのじゃ?」

 

「武田に神は加護を与えていませんよ。武田信玄個人に集まった人々の忠誠や崇拝が力となり、現人神として神の力を得ているだけでは無いかと」

 

「ふむ、となると武田は弱体化するのか?」

 

「武田信玄の加護が護っている間は強いと思いますが、それよりも神に愛されている信長様が居るので……」

 

「なんじゃ、又兵衛じゃないのか?」

 

「又兵衛父さんもどちらかと言うと最初は神からの加護を受けていますが、今は日頃の行いで土着神になりかけているのが現状です。又兵衛父さんを祀る祭りをしていたりしますし……武田信玄の様に個人で加護を振りまく存在になっていきますよ。問題は信長様です」

 

「なんじゃ? 信長様はどんな神に加護を受けているのじゃ」

 

「神では無く魔王に加護を与えられているんですよね……しかも神々も信長様に加護を与えているので手がつけられなくて……」

 

「ふむ……信長の悪運の強さは神の加護ありきか」

 

「それもありますが個人としても異常な運の良さですよ。日ノ本探してもあれほどの運の強い人物は100年に1人いるかどうかですよ」

 

「そんなにか……」

 

「そんなにです」

 

 そんな話をしていると又兵衛父さんが高貞兄さんを連れて帰ってきた。

 

 なんかくノ一大量に引き連れて帰ってきて、その殆どを高貞兄さんの嫁にすると言うぶっ飛んだ話になったが……。

 

「相変わらずやることがぶっ飛んでいるのぉ」

 

「武田のくノ一全員引っこ抜いてくるとか……神の加護以前の話じゃないですかね」

 

 なんだかんだで僕とマリアは互いに中身がバレている同士で仲良くなり、時々茶会を楽しむ年の離れた友人になるのだった。

 

 

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