プロローグ
個性。
それは、我々が住んでいる世界。純粋な物理法則のみで構成された世界とは、全く違う意味を持つようになった言葉。
DNAがどのように作用したのかわからないが、物理法則をねじ曲げ、さまざまな事象を引き起こす超能力が産まれ、人類や一部の生物へ浸透していった。
その後、人類はその超能力を、個性と名を付けていく。
個性は、人類にさまざまな発展をもたらしたが、反面、悪影響も及ぼした。
個性を悪事に使う者が現れ始めた。強盗、恐喝、詐欺、暴力。さまざまな方法で悪事は行われた。
だが、それを止める者たちも現れ始めた。
人々はその者達をヒーローと呼び、讃えた。
時が過ぎ、100年の月日が流れた。
個性という超能力は当たり前に世の中に浸透し、個性を持たぬ人間の方が少なくなり、寧ろ差別の対象になってしまっていた。
ヒーローも、仕事ととして確立されてしまい、完全にビジネスに成り果ててしまい、100年前にいたヒーロー達のような高潔な精神を持つ者は少なくなっていった。
ヒーローでない者達も、ヒーローに頼りきりとなり、基本的には自分は自分で守るという意識が消え去ってしまった。
「そんな世界に君は転生します」
「おい、若干腐ってないかその社会?」
そう軽々しく青年に説明する真っ白なヒト型の何か。おそらく神か何かなのであろう。青年は若干困り顔で説明を聞き、自身が転生する先の世界に違和感を覚えたようだ。
「まぁ、そうかもねぇ。だって、一般人の防衛意識が欠けちゃった世界だし」
「なんでそんなめんどくさい世界に・・・」
青年はイラつきながらため息を吐くと、諦めたように質問を続ける。
「そのままほっぽり出す訳じゃないんだろ?」
「もちろんさ!君にはこれを渡そうと思ってね」
神とおぼしき存在は、
黒色の楕円型で、中央に紫色の巨大な角を持った牛のようなマークがついたバックル
檻のようなものに鍵がついた紫色のアイテム
キラキラで騒がしい見た目のスロットのようなアイテム
バイクのハンドルにマフラーが2本ついた赤いアイテム
銀をベースにオレンジの差し色とボタンだけという簡素な作りのアイテム
そのアイテムの差し色が青に変化し、剣にくっついたもの
を渡される。
「これね、君がその世界に持っていくの。それでなんとか身を守ってくれるかな?」
「これでねぇ」
「あ、あと、それ特別仕様にしてあるからよろしく」
「その特別仕様ってのは?」
「まぁ、有り体に言えば、転生先世界特有のジャマ神って感じかな?」
「はぁ、意味わかんねぇよ。なんだよそのジャマ神って」
「まぁ、行って使ってみればわかるからさ!それじゃあ、早速ぅ~レッツら、リィンカーネーショ~ン!!」
「あ、おい!!」
神は青年の質問を無視して転生を開始。青年は光に包まれ、その世界へと送られた。
僕のヒーローアカデミアの世界へと。