「ヴィラン連合と名乗る者達について、警察の方で情報を洗ってみましたが、死柄木という名前、触れたものを粉々にする個性。二十代から三十代に該当者なし。黒霧と名乗る男、ワープゲートも同様です。無国籍、かつ偽名ですね。個性届けを提出していない。いわゆる裏の人間」
オールマイトの旧友であり、AFOを共に追っていた警部、塚内が今回のUSJ事件についての警察の見解を雄英高校ヒーロー科の教師の面々に話していく。
「そして、紫色の牛を象った仮面を被った鎧を装着している謎の男は、近日、時折ヴィランに遭遇しては、正当防衛の名の元ヴィランを倒している模様。頻繁にインゲニウムと遭遇しているようです。彼の、個性とおぼしき力は、絶対防御でしょうか?こちらもやはり個性届けを提出しておらず詳細については不明ですが、インゲニウムの報告によると、危険性はないとのこと。寧ろ、ヒーローとしての素質を持っているとのことです」
バッファ、道長についても教師陣に報告する。
「ヴィラン連合については、なにもわからず。牛仮面については、インゲニウムに聞いてみるしかないか・・・」
「はやくしねぇと、死柄木とかいう主犯の銃創が治っちまったら、またやらかすに決まってる。面倒だぞ」
「主犯か・・・」
「なんだい?相澤?」
相澤は死柄木に対して、なにか懸念点があるようだ。
「思い付いても普通行動に移そうとは思わない大胆な襲撃、とつぜんそれっぽい暴論を捲し立てたり、自身の個性は明かさない代わりに、怪人の個性は得意気に説明したり、牛仮面が怪人を圧倒し始め、思いどおりにいかなくなった途端に露骨に気分が悪くなる。特に、牛仮面に放った捨て台詞がいい例です。
まぁ、大方、オールマイトの行動を誘導するつもりだったのでしょうが、牛仮面に全て台無しにされてしまいましたからね」
「それにしても、対ヒーロー戦において、個性不明というアドバンテージを放棄するのは、愚かだね」
「もっともらしい稚拙な暴論、自分の所有物を自慢する、思いどおりになると思っている単純思考から推察するに、彼は、幼稚的万能感が抜けきらない子供大人、という感じでしょうね」
相澤は、現段階での死柄木の人物像のかなり的を得た推察を行った。
「力を持った子供か!」
「小学生のときに行う個性カウンセリング、受けてないのかしら?」
「で?それがなにか関係あるのか?」
「先日のUSJで確保したヴィランの数は、72名。そのほとんどが、路地裏に潜む小物ばかり。しかし、問題なのは、そういった人間が子供大人に賛同し、付いてきたということです。ヒーロー飽和時代の昨今の現状を鑑みるに、そういった無邪気な悪意が一番厄介なのかもしれません。もしくは、そういったカリスマ性を持っているのか」
子供大人ではあるが、何かしらのカリスマ性を持っているのかもしれないのが、死柄木弔という青年であることを塚内が説明する。今回逮捕できなかったということは、無邪気な邪悪に賛同する連中を増やす、または、死柄木自身が成長するチャンスを与えてしまったということ。ヴィラン連合という組織は、今後大きくなっていくことだろう。
「確かにな・・・」
「個性を持て余している連中はいくらでもいる」
「由々しき問題だけどね」
「ま、ヒーローのお陰で、我々も地道な操作に専念できる。捜査網を拡大し、犯人逮捕に尽力していく所存です。問題なのは」
「牛仮面か・・・」
話題バッファに移っていく。
「彼は、オールマイトを一撃で退けるほどの力を持っています。しかも、死柄木達より後に突然現れた。そうですね?相澤先生」
「はい、光と共に突然現れ、まるで怪人脳無が来ていることを知っていたかのような口ぶりで、死柄木弔に脳無はどこだと聞いていました。その後は、報告書どおり、脳無を圧倒し、鎮圧。勘違いで鎮圧を図ったオールマイトも青と黄色の拳打特化型アーマーでしょうか?それの力により、一撃で致命傷を負わせました」
「でも、インゲニウムが言うには、危険な人物ではないのでしょう?」
「はい、彼が出現し、力を振るっている時は基本的に、ヴィランの被害に合ったときのみだそうで、なんなら、ヴィラン鎮圧時、民間人の救助を行っているときもあったそうです」
インゲニウムによるバッファの報告書の内容を読み上げ、バッファの人間としての危険性についてはないとのことを塚内も教師陣及びオールマイトに周知する。しかし、問題なのは。
「問題なのは、オールマイトを退ける力、か」
そうだ。問題なのはそこなのだ。No.1ヒーロー、平和の象徴であるオールマイトを退けることができる力。それは、世間を揺るがし、日本の治安そのものを揺るがす事実だ。そう易々と見逃せる事案ではない。
「彼がなぜ、あそこに現れ、脳無を撃破したのかはもう一度彼に会って話を聞いてみないとわからないね」
「個性も不明。報告書から推察するに、絶対防御のようなものなのでしょうかね?」
「あのアーマーも、どこの誰が作ったのかしら?」
「インゲニウムに、再接触時に拘束するよう手配しますか?」
「ダメだね、それは危険すぎるのさ」
「彼が、自主的に我々と話をしてくれる状況を作らないといけない。それ以外の方法は、特に拘束し取り調べを行うなんてのは、自殺行為だろうね」
「なかなか厄介な存在が現れたもんだな」
「それでは、牛仮面については」
「ねぇ、その牛仮面って名前やめないかしら?格好が付かないわ」
「そんなことはどうでもいいだろう」
「そうかしら?牛仮面なんて呼びづらいし、活躍に見合った名前ではないわ。うーんそうねぇ、仮面にある角がバッファローに似ているし、バッファ、なんてのはどうかしら?」
「ならそれで、今後、バッファが再出現時、話し合いの場についてもらう交渉をしていくということでいいですね?」
「そうだね、よろしく頼むよ塚内君」
「わかりました。失礼します」
塚内は、報告を終了し退出していく。
死柄木、黒霧、バッファ。厄介な存在が次々と現れ、未だAFOを警戒するオールマイトに悩みの種が増えていく。
仮面ライダーバッファジャマ神
変身者:吾妻道長
神によって仮面ライダーバッファジャマ神の力を持たされ、転生させられた存在。顔も見た目も吾妻道長。無個性。ジャマグラが神によって開催されるまで、無個性ゆえに時給の低いバイトを掛け持ちして食いつないでいた。
仮面ライダーバッファとしての力は、ほとんど仮面ライダーギーツ内にて使われたものと全く変わりはない。
ゴッズホーン
個性を持つ存在へのみの攻撃を数十倍~数百倍に増幅する権能を持ち、対象への心理的威圧とともに格闘能力を大幅に引き上げる。
ゴッズウォール
個性を持つ存在からの攻撃を超圧縮して受け流す特殊能力を持つ。
上記二つの力は個性ではなく、AFOへの最強の切り札にはなるが、フォームによってはダメージを与えられない可能性がある。しかし、ゴッズウォールによって自分も負けることはないという状況を作り出すことはできる。
ダメージを与えられるフォーム例としては、ブースト×ブーストなのかもしれない。