適正があるそうなので旧友のスタスクと制空権取りに行きます    作:D-4466

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お待たせしました!やっとトランスフォーマーが暴れ始めます!
それと今回ちょっと長いです。
前半部分は流し読みでOKです。


満身創痍の大決戦

 

 

食堂

 

俺たちはテーブル席に腰かけていた。

メンツは俺、ラッキー、ハルバート、それから織斑に気の強そうなポニテの女、えーと名前は確かシノなんたらだったはず。

まさかあれがあのISの開発者の実の妹だったとは驚きだ。

ただ少しだけ哀れにも思う、化け物な兄、姉を持つと妹、弟も化け物であることを期待されるからだ。その点ロタールはエースパイロットになるほどの腕前だったので問題はなかったがその重圧は計り知れなかっただろう。

 

俺の昼食はえんどう豆のベーコン添え、まさかあるとは思わなかった。

皆で皮肉いっぱいのあの歌を歌ったのが懐かしい、彼らも歌の通りにあの世でもこれを食べているのだろうか。

 

テーブルの上では腕時計から変形したスタースクリームとノキアから変形したブラックアウトが取っ組み合いをしていた。

メガトロンのことで不和が生じたようだ。

それをキラキラとした目でラッキーと織斑が観戦し、シノなんたらはその2人を呆れたといった目で見ていた。

 

「ねーねーちょっといい?」

 

萌え袖の女子を筆頭にする三人組が話かけてきた。

そこから少し世間話をした。

その話の中であのポニテ女の名前が篠ノ之ということが分かり、昨日扉を竹刀で穿ったのも彼女だと言うことが判明した。

他に特筆すべきことと言えば彼女は織斑の幼馴染らしい。

 

「そういえばファルクナー君達も物凄く仲良いよねー」

 

「そりゃ俺とハルバートは同じ日に同じ病院で生まれて家族ぐるみの付き合いだし、ラッキーも幼稚園からの仲だしな。」

 

「へーそれってすごい運命的だね。」

 

それから話題は俺たちについてのものに変わった。特にラッキーは整備科なので関わりがないからいろんなことを聞かれていた。

ラッキーは実は愛称で本名はルチアーノだったりということにみんな驚いていた。

逆にこちらが驚かされたのはラッキーの奴は俺たちと同部屋ではなく女子三人組の1人、鏡ナギと同部屋であったことだった。

 

「ね、ねぇマイアグリム君」

 

「ん?」

 

「今日は部屋に残ってくれるかな?」

 

「あぁいいぞ、後マイアグリムじゃ言いづれーだろ?コイツらみたいにラッキーかルカでいいぞ。」

 

目の前で起こったやり取りに俺は口から砂糖が出そうになったと同時にラッキーに手が出そうになった。目の前で女の子が顔を赤らめながら話ているのになんだその態度は。

 

今すぐこの握りしめた拳をラッキーに振り下ろすべきか悩んでいると…

 

「そういえば、今日の織斑先生やたら機嫌悪かったよね。」

 

「えーウェストバーグ君知らないのー?」

 

「織斑先生車盗まれちゃったんだって〜」

 

はぁっ!?

と俺が言う前に横で聞いていた織斑と篠ノ之が机を立ち上がった。

コイツら大丈夫か?顔が真っ青になっている、まるで死人みたいだ。

 

「「犯人は無事か!?」」

 

そっちか!?

しかし、まぁ分からんでもないか…

とはいえだ、このままどんどん彼女の俺を殴るパワーがエスカレートしてもらっても困る。

犯人探しでもしてやるか…

 

「織斑、先生の車ってどんなのだ?」

 

「この際だし一夏でいいよ。どんなのって…車種は分からないけどスポーツカーみたいな奴だった気がする。色はシルバーで…」

 

ん?

  

「えーとなんて言ったかなあの昔の映画で過去から未来に戻るやつ?」

 

「バックトゥーザフューチャーのことかな?」

 

「あーそれだ、あれに出てくる車と同じドアの開き方してた。」

 

おいおい嘘だろ…

まさか?

俺はペンと紙を取り出して一夏に見せる。

 

「もしかしてこんなエンブレムだったか?」

 

「あぁーそれだ。っておい!?大丈夫か!?顔色悪いぞ?」

 

今度は俺の顔が青くなる番らしい。

俺は頭を抱えた。

 

「君の言う通りだとするとそれはメルセデスベンツのSLS.AMGという型だね。かなりの高級車だよ。」

 

「へぇー」

 

拝啓、第五突撃大隊の皆様、第五軽騎兵連隊の皆様、第一戦闘航空団の皆様。

案外早くヴァルハラには行けそうです。

 

やっちまった…それ、昨日起こしたサウンドウェーブじゃねぇーか!

 

━━代表決定戦、当日

 

とりあえずサウンドウェーブのことに関しては後回しにした。

やつはもう宇宙で諜報活動に勤しんでいるところだ、呼び戻すことはできん。

幸い、スタースクリームが事前に周辺の監視カメラだのなんだのをダウンさせていたおかげで足はついていない。

しかし…至極当然のことだが一向に織斑先生の機嫌は悪いままだ、何か対策を考えなければ…

 

さて、俺は現在進行形でもう一つ問題を抱えている……

「ゴホッ、ゴホッ……ッ、ゲホゲホッ!ゴファッ!」

 

喉が焼けるように痛み、胸がえぐられるみたいに咳が止まらない。頭は揺れるように痛み、身体の節々が針に刺されたかのように痛く、思うように動かない…

 

「やっぱり無茶だよ!今日は休んだ方がいいって!ほら熱が40℃もある!」

 

「いいからラッキーを呼んでこ…ゲホッゲホ!」

 

風邪を引いた…

俺は昔から人一倍体は強かった、だがひとたび体調を崩すと、病魔がまるで電撃戦を仕掛けるかのように急速に悪化する………いや待て、この場合、電撃戦を仕掛けるのは免疫側、つまり俺では?

ダメだ、熱に浮かされてアホな考えしか浮かんでこない。

 

枕元にあったカフェイン錠剤を取り出して飲む…これで少しマシになるはず…

いや、ダメだ…ちっともマシにならない。よく考えれば分かることだ、どう考えても効き始めるのに10分いや20分はかかる…

目の前であたふたしてるハルバートを見る、

そういえば…

 

 

数時間後……

 

「しゃあ!やってやるぜ!!」

 

「おい、アイツ朝やばかったよな?」

 

「バカなことをやったとだけ言っておくよ……」

 

ラッキーは信じられないものを見たとでも言うように目を丸くしていた。

瀕死の病人が、打って変わって今はピョンピョンとまるでウサギのように元気溌剌に飛び跳ねているのだ。

 

 

ラッキーは疑問に思ってそのことをハルバートに聞いてみるが、ハルバートは苦笑いをしてはぐらかすだけだった。

しかしその苦笑いからは少しの怒りと呆れが感じとれたという。

 

フリッツは颯爽とアリーナへと走る、ラッキーはその姿に少しの焦りを感じたという。

 

 

━━アリーナ

 

「おぉ!それがお前の専用機か、様になってるじゃねぇか!」

 

「お前の専用機はどうした?というかその服装はどうした?」

 

アリーナに立つフリッツは肋骨服の上からコートを着ているといった格好だった。

首には黒いマフラーが巻かれている、端の方には赤い糸で何かが刺繍されているようだ。

 

「これISスーツ」

 

「マジ?」

 

「マジ」

 

一夏は目を丸くした。

ISスーツといえばスク水やウェットスーツのような見た目と相場で決まっていたからである。

ISスーツは体にピッチリとフィットし、ボディラインはかなり強調されてしまう。

フリッツは学校から渡されたスーツを見た瞬間にゴミ箱に捨て、新たにウェストバーグ財団に作らせたのだった。

 

「先生、遮断シールドを解除してください。彼らにはここは些か狭すぎます。」

 

ハルバートが山田先生に遮断シールドを解除するように進言する。

織斑先生の許可も得て遮断シールドは解除された。

 

瞬間、光る物体がアリーナに落ち、轟音とともに爆ぜた。

フリッツは爆炎に飲み込まれた。

 

「なぁっ!?おいっ!大丈夫か!?」

 

一夏が叫ぶ。

さっきの爆発、あれは明らかにフリッツの周りに集中し、威力もとんでもないものだった。

もしかしたら死んでいるかもしれない。

 

その時だった…

白銀の物体が猛スピードで音の壁をも超えてアリーナへそして爆炎の中へ突っ込んで行った。

 

爆炎がおさまる…

そこに現れたのは10mはある逆三角形の機体を持つ異形の期待だった。

その白銀の機体にはタトゥーのような黒い紋様が走っている。

 

「さぁやろうぜ!」

 

その異形からフリッツの声が聞こえてくる。

 

その場にいた誰もが、その光景に驚愕した。

 

「「な、なんだ(ですの)あれは……」」

篠ノ之とセシリアは目を見開いた。

 

「ウェストバーグ君……あ、あれって……ほ、本当にISなんですか?」

山田先生が半ば震える声で尋ねる。

 

千冬はただ鋭い視線をその機体に突き立てていた。

 

「えぇ、正真正銘、我が財団…正確には傘下の企業が開発したISですよ。」

 

ハルバートは涼しい顔でそう答えた。

嘘は言っていない。

――Iron Soldierの略で、IS。

 

心の中で皮肉めいた注釈を付け加えながら。

 

観戦していた者たちとは対象的に

一昨日、スタースクリームの模型を眺めていた一夏は、今まさに“本物”を目の当たりにして興奮していた。

「やっぱりカッコいいなその機体!」

 

「やっぱり彼いい趣味してるね」

「だな」

 

スタースクリームをカッコいいと形容する男性陣に女性陣は若干引くのであった。

 

戦いの火蓋は切られた。

 

スタースクリームの腕部が変形を始めた。

金属の装甲がひしゃげ、滑らかに回転しながら新しい形状へと組み替わっていった。

変形した腕からミサイルが放たれる。

六連のミサイルを一夏は避けきれずまともに喰らってしまった。

ミサイルの炸裂に反射的に目を閉じてしましまった。

次に目を開けた瞬間――赤く光る二つの瞳と視線が交錯した。

 

巨大な鉄の腕が足を掴んで一夏を放り投げる、ISにまだ慣れていない一夏は止まるに止まれず慣性の法則により地面へと叩きつけられた。

そこへ容赦なくマシンガンの弾とミサイルの雨が降り注ぐ。

弾丸とミサイルが地面を抉り、砂埃が巻き上がる。

しかしここで予想外なことが起こった。

 

「ふん、機体に救われたな馬鹿者め」

 

砂埃を突き破って一夏の機体が姿を現したのだった。

 

「一次移行ってやつか、面白い、だが…断ッ然俺たちの方が強い!」

 

スタースクリームがF22に変形し、ミサイルを放ちながら高速で体当たり攻撃を仕掛ける。

一夏は紙一重で回避するが、フリッツはすぐに追撃へ転じた。

スタースクリームを再度ロボットモードに変形させて鋼鉄の腕を振り落とす。

一夏はこれをモロに受けてしまいまたしても地面に叩きつけられた。

 

「これでトドメだぁ!」

 

スタースクリームの腕が変形し、丸鋸となる。その殺意の塊は音を立てて回転しさらに破壊力を増していき、一夏へと振り下ろされる。

一夏は身構えるがついぞその追撃がされることはなかった。

顔の横でその回転機構が地面を裂いているのを横目で見て冷や汗をかいたがその回転機構は徐々に勢いをなくしついには止まってしまった。

恐る恐る目を上に向けて見ればスタースクリームが棒立ちしている、先ほど合ったあの赤く恐ろしく光る目は光を失っていた。

何かがスタースクリームの胸部からドサッと音を立てて落ちてきた。

 

見ればそれはフリッツだった。

 

呼吸が浅い。

胸の上下が小刻みで、息を吸うたびに喉の奥から微かな掠れた音が漏れる。

その顔には明らかに苦痛の色が浮かび、どこか不自然な血色の良さがあった。

まるで無理やり健康そうに見せかけているような──そんな違和感。

 

一夏は思わずフリッツの額に手を伸ばした。

 

「熱っ……!?」

 

額に触れた瞬間、焼けるような熱が走った。

明らかに高熱。まともに立っていられる状態ではない。

そして──手のひらに残る妙な感触に一夏は気づいた。

 

白く粉を吹いた手のひら。

視線を落とせば、触れていた部分だけが不自然に赤く染まっている。

化粧だ…熱で紅潮した顔を隠すための、薄い仮面。

 

「おいおい嘘だろ?……」

 

その瞬間、一夏の胸の奥に浮かんだのは、恐れとも尊敬ともつかない感情だった。

 

それからフリッツは担架に乗せられて医務室へと向かった。

後から風邪の噂で聞いたのだが学校医はこの短期間で2回も気絶した状態で担ぎ込まれたフリッツを見て呆れた顔をしていたらしい。

 

「…で?そろそろ種明かししてくれよ、なんでアイツは急に元気になって急に倒れた?俺もアイツに化粧したりしてんだ、共犯だろ?」

 

「…人間、変なところで頭が回るらしい…」

 

「あ?そりゃいったいどういうことだ?」

 

ハルバートとラッキーは男子更衣室にいた。

ハルバート曰く「あまり人に聞かれたくない話」らしい。

女しかいないIS学園で秘密の会談をするなら、ここほどおあつらえ向きの場所はない。

ここに来てやっとハルバートは口を開いた。

 

「僕が蜂アレルギーなのは覚えてるよね?」

「あぁ、一回アナフィなんちゃらでヤベーことになったよな。」

 

ハルバートは酷い蜂アレルギーを持っていた。

それも、アナフィラキシーショックを起こすほどに。

 

「その時、注射を打ったよね?」

「打ったな。」

 

ハルバートが倒れたその時、実際にエピペンを打ったのはラッキーだった。

あの光景は今でもラッキーの脳裏に焼き付いている。

 

「フリッツは、それを打ったんだよ。」

「はぁ!?ンなモン打ってなんになんだよ?」

 

ラッキーの頭の中がクエスチョンマークで埋め尽くされる。

ハルバートは淡々と続けた。

 

「前に君が僕に打ち…フリッツが今回打ったのはエピペン――エピネフリンっていう物質…俗に言うアドレナリンだよ。」

「おお、やっと知ってる単語が出てきたぜ……んで、それがどうした?」

 

ラッキーは“知っている”が、“理解している”わけではない。

 

「君にも覚えがあるはずだよ。喧嘩してる時、怪我をしても痛くないのに、終わってしばらくすると急に痛み出すだろう?……それだよ。」

 

「なるほど!」

やっとラッキーは合点がいったようだった。

 

「エピネフリンは速攻性がある、効果も強い。

でも持続時間は短いし、切れる時は一気に落ちる。体への負担も大きい、だから反動が来る。」

 

「それで急に倒れたわけか。」

 

しばらく沈黙が落ちた。

どちらからともなく、同じ言葉がこぼれる。

 

「しかしなぁ……」

「けどねぇ……」

 

「「そこまでしてやることか(なぁ)?」」




なんでスタースクリームが止まったか?どうやってフリッツがスタースクリームを動かしているのかはここでは書きませんがほとんど某暴風紅赤が出てくる映画と同じ理論でやってます。
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