Dr.オクトパスin緑谷出久   作:サクラモッチー

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【前回のあらすじ】
ドクターオクトパス、荼毘を強化する。


雨と血に唄えば

その日......雨が降っていたその街では、肉が焼ける焦げ臭い匂いと共に人々の悲鳴で溢れかえっていた。

何故、どこにでもある街でこんなにも惨くて悲惨な惨劇が起こったのか。

その理由は至って簡単で

 

「〜♪」

 

片手にドーナツ入りの袋を持ちながら、鼻歌混じりにやって来たこの男.....荼毘によって、平和で静かなこの街は地獄と言っても過言ではない状況に陥っていたのである。

 

「あ〜、これが気分爽快ってやつかぁ!!」

 

ケタケタと笑いつつ、軽快なダンスを踊る荼毘。

普通、炎は雨の降っている状況では燃えないのが当たり前である。

けれども、超人血清というトンデモ強化薬が肉体どころか個性まで強化したことによって、彼の操る炎は水という弱点を克服。

その結果.....雨が降っているにも関わらず、荼毘の操る炎によって街の人々は次々と燃えていったのである。

つまり、彼は最悪な方面で進化していたのである。

 

それに加え、彼が操っていたのはただの炎ではなく....人から人へ感染する特殊な炎だったため、例え街の人々が逃げ惑ったとしてもその炎から逃れることが出来ないまま、その街の住人達は次々と炎に包まれていく光景を見た荼毘はこう思った。

こんなにも弱い奴らを守るなんて、ヒーローも馬鹿だなぁ.....と。

 

ちなみに.....彼がドーナツを購入した店は店ごと燃やされ、店員もそれの巻き添えを喰らう形で焼死したとか。

 

「いやぁぁぁぁぁ!?」

「うぎゃぁぁぁぁぁ!?」

「助けてぇぇぇぇ!!」

 

荼毘がそう思っているのを尻目に、その背後では人々が次々と炎に包まれては悲鳴を上げるという阿鼻叫喚地獄が繰り広げられており、彼はその声をBGMに踊り始めていた。

超人血清によって完全に狂ってしまった彼にとって、この地獄と言っても過言ではない光景はただのダンスフロアと認識していたようで、その顔にはニチャッとした笑顔を浮かべていた。

 

やがて.....その街の異変に気がついた警察官、そしてヒーロー達が現場に急行したのだが、人々が次々と燃える光景を見た彼らは言わずもがな顔面蒼白となっていて、荼毘への怒りを強めていたのは言うまでもない。

 

「貴様.....何をしている!!」

「何って......見れば分かる通り、踊っているだけだぞ?」

 

まるで子供のような笑みを浮かべながら、そう言う荼毘。

その荼毘を見たヒーロー達は顔を怒りで滲ませながら、胸の中にある正義の心が彼をこのまま野放しにしてはいけないと思ったのか.....彼を止めるため、戦う構えを取っていた。

そんなヒーローの姿を見た荼毘はクルクルと踊ることを止めたかと思えば、今にも襲い掛かろうとしているヒーロー達に対してこう言った。

 

「一人のヴィランに対して集団で攻撃しようとするなんて.....アンタらって本当に弱いものイジメが好きなんだなぁ!!」

 

荼毘はそう叫ぶとすぐさま危険だと判断したのか......攻撃を仕掛けるヒーロー達。

日々ヴィランと戦っている彼らにとって、目の前に居る荼毘は本能的にヤバくて危険な存在だと察知したようで、一刻も早く荼毘を倒して惨劇を止めるという覚悟の下、荼毘に戦いを挑んだ。

だが、当の荼毘は再び鼻歌を歌い始めながらヒーロー達の攻撃をある程度を躱すと、彼ら・彼女らに向けてニヤッと笑いつつ指をパチンと鳴らした。

 

その瞬間、先陣を切って荼毘を攻撃しようとした二人のヒーローは炎に包まれたことにより、彼らは何が何だか分からないまま悲鳴を上げるしか出来ず、そのまま消し炭になるのだった。

 

「チッ、弱いな」

 

そう呟いた後、焼死体となったヒーローを踏み台しつつタップダンスをする荼毘。

それを見たヒーロー達は改めて荼毘が狂っている上にその個性が強力であることを実感するのか.....距離をとって攻撃をしようとしていた。

 

「んなことをしても無駄だっていうのに.....何で気づかないのかなぁ!!」

 

荼毘はそう叫んだ瞬間、遠距離で攻撃しようとしていたヒーロー達は次々と炎に包まれていき

 

「ぐぁぁぁぁぁ!?」

「ア゛ヅイ゛!?ア゛ヅイ゛ィィィィィ!?」

「ジニ゛ダグナ゛ィィィィィ!!」

 

彼らもまた絶望の声を上げながら死んでいった。

そして.....そのヒーロー達が無惨にも死んでいくと、さっきと同じように荼毘はその死体の上を踊りながら通って行った後、生き残っているヒーロー達のところへ向かった。

 

「奴め.....人の命を何だと思っているんだ!!」

「けど、一体どうやって止めるんだよ!!」

「だが、今ここで奴を止めないとまた犠牲者が増えるだけだ!!」

 

そんな会話をした後、生き残っていたヒーロー達は惨劇の舞台と化した街の中で踊る荼毘に襲いかかるが......今まさに自身を倒そうとしているヒーロー達の姿を見た荼毘は無邪気で邪悪な笑顔を浮かべると、もう片方の手を銃の形にすると

 

「バァン☆」

 

まるで子供のようにそう言うと、生き残っていたヒーロー達は全員炎に包まれた。

その笑顔を見たヒーロー達は、荼毘が今の今まで対峙してきたヴィランよりも凶悪で最悪な存在......まさに本物のヴィランではないか?と思わず脳裏に浮かんでしまったのか、化け物だと言わんばかりの顔になりながら炎に包まれ、そのまま死亡するのだった。

 

「そ、そんな.......」

「ヒーロー達が.....あっさりと.......」

 

頼みの綱だったヒーローたちが死んだことにより、顔を恐怖で歪ませる警察官達。

荼毘はその警察官達に対し、ニヤッと笑うと.....彼らは死にたくない!!と口々に言いながらその場から逃亡した。

けれども、彼らもまた街の住人のように感染する炎の餌食となってしまい、ヒーローと同じように焼死体となるのだった。

 

「あ〜、つまらねぇな」

 

そう呟いた後、かつて警察官やヒーローだった焼死体がチラホラとある道を歩く荼毘。

その道中、彼はとある電気屋を通りかかった時.....その電気屋に置かれているテレビに一人のヒーローの姿が映った。

そのヒーローの名はエンデヴァー。

荼毘こと轟燈矢の父親で、彼が歪む原因となったヒーローであった。

 

テレビに映っていたエンデヴァーはインタビュアーに対し、ぶっきらぼうに対応していたのだが.....その光景をテレビ越しに見た荼毘は彼が映っていたテレビを全て燃やした後

 

「〜♪」

 

気分がスッキリとしたのか、楽しげに鼻歌を歌いながらその街を後にした。

 

それから数分後......その街の異変に気がついた警察官が現場に急行したところ、そこにあったのは雨にも関わらず焼死体となった人々の死体だったため、このセンセーショナルな事件はすぐさま世間を震撼させた。

それに加えて、雨が降っていたのにも関わらず多くの住人やヒーロー達を焼死体にした犯人への恐怖や畏怖が高まっていき、大量虐殺を行なった荼毘はこの日以降、業火の処刑人(ウィッカーマン)という異名を付けられた末に人々から恐れられることになるのだった。

 

「おいドック、ドーナツ買ってきたぞ」

「おや、随分と早かったですね」

「結構時間がかかるのかと思ってたけど、そうでもなかったみたいだな」

 

なお、その当の本人はヒドラカンパニーのラボにて買ってきたドーナツを堪能していたとか。

 

「懐かしいですね、私もアメリカに居た頃はハンバーガーのバンズをドーナツにしたやつをよく食べていましたよ」

「マジで!?」

「あ〜、そういえばそんな食べ物もあったな」

「.....カロリー高くね?」

 

今日も今日とて仲良しなヴィラン達なのだった。




【悲報】
荼毘、超人血清によってスーパーヴィランと化す。

まぁ、MARVELの世界ではこーゆー狂った系ヴィランがたくさんいるから仕方ないよね。

ちなみにドックが話していたドーナツをハンバーガーのバンズ代わりにしたハンバーガーは実在します!!(ルーサーバーガーっていう名前のハンバーガーらしいぞ☆)
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