Dr.オクトパスin緑谷出久   作:サクラモッチー

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【前回のあらすじ】
ヒーロー達、ドクターオクトパス達がただのヴィランでないことに気がつく。


憧れの終焉、絶望の始まり①

上鳴電気は【帯電】の個性を持つヒーローの卵である。

彼は雄英高校の受験という狭き門を突破した後、晴れて雄英生として雄英高校に通っており......彼はこの日も雄英での授業を終え、自宅への帰路に着いていた。

今日の夕飯はなんだろう?今日は何を話そう?

そんなことを考えながら、扉の取っ手を掴む電気。

 

「ただいま〜!!」

 

そして、そう元気よく言いながら家に入った瞬間....まず彼が感じたのは、異様な静かさと血生臭い匂いだった。

 

「......アレ?」

 

なんだろう、この匂い。

少なからずその静けさと匂いに嫌な予感と違和感を電気が抱いたことにより、彼が恐る恐るリビングへと向かったところ、そこにあったのは血まみれ後両親の死体だった。

 

「....親父、母さん?」

 

目の前にあるかつて両親だった死体を見て、電気は思わずそう声を漏らした後.....すぐさま我に帰ったのか、警察に通報する電気。

警察が到着するまでの間、電気は自らの個性を使って必死に電気ショックを行っていたが、それで彼の両親の命は戻ってくることはなく......それから数分経った頃に警察がやって来て、改めて両親が死んだという事実が彼に突きつけられた。

 

そして、警察は電気から事情を聞くために警察署に連れて行ったのだが

 

「ついさっき、凶器と見られる包丁から君の指紋が出てきたんだが.....これはどういうことなのかな?」

「え.....?」

 

その取り調べにて、何故か電気は犯人として扱われていた。

もちろん、電気はありのままのことを伝えた。

家に帰ったら両親が死んでいて、必死になって蘇生しようとしたことを。

 

だが、警察関係者はどういうわけか電気を犯人だと睨んでおり.....彼に自白するように強要したり、やがて暴力まで振るうようになった。

当の電気本人は相変わらず無罪を主張したが、彼らはそれを聞き入れることなく、やがて電気を犯人にする形で事件を立件しようとしていた。

 

「だ、だから....その、俺はやってません!!」

 

それを知った電気は当然ながら無実を主張し続けたが、その度に警察官達は往生際が悪いなと呟きながら、彼に暴力を振るっては自白を強要した。

そんな日々が続いた時.....とうとう痺れを切らした警察は本人の意思を無視する形で電気を犯人に仕立て上げ、彼を逮捕した。

 

「................」

 

留置所の一室にて、電気は一人絶望していた。

今の今まで平和に暮らしていたはずなのに、どうしてこんな目に遭わなくてはならないのか。

どうして自分の両親は殺されなくてはならなかったのか。

どうして......自分が親殺しの犯人にされてしまったのか。

電気がそう思っていた時、担任であるイレイザーヘッドこと相澤消太が面会にやって来たのだが

 

「上鳴......お前に一体何が起こったのかは分からんが、何故ご両親を殺した」

 

その担任でさえ自身が親殺しの犯人だと認識していることに対し、電気がショックを受けたのは言うまでもない。

 

「.....して」

「ん?」

「どうして.....どうして先生も俺のことを信じてくれないんですか....?」

 

面会室の透明の仕切りに近づき、涙を流しながらそう言う電気。

そんな教え子の様子を見たイレイザーヘッドはピクッと反応したものの、それでも表情一つ変えることなくこう言った。

 

「一応信じているつもりだ。だが」

「.....じゃあ、相澤先生も俺のことを信用していないってことですか?」

 

イレイザーヘッドの言葉に対し、電気は絶望の表情でそう呟くと......透明な仕切りをバンと叩いたかと思えば、担任に自身の無罪を主張するように叫んだ。

 

「俺は本当にやってないんです!!確かにたまに親にムカつくことはあったけど.....それでも!!殺したりはしません!!」

 

上鳴はイレイザーヘッドに向けてそう主張していたが、部屋に居た警察官によって無理矢理引き剥がされ、そのまま自身が勾留されている部屋へと戻された。

この一件以降、彼は担任ですら信用できなくなり.....イレイザーヘッドを筆頭にした雄英の教師達の面会を断るようになった。

 

けれども、彼はまだ絶望したわけではなかった。

クラスメイトなら誰か一人は信じてくれるはず。

そう思った電気は隙を見て留置所から脱走。

そして、警察の追跡を振り切り彼が向かった先は

 

「助けてくれ!!耳郎!!」

「上鳴!?」

 

1ーAのクラスメイトである耳郎響香のところであった。

上鳴は彼女に自身は親を殺していないことを伝えたところ......耳郎は電気の意思を尊重し、両親が家に帰ってくるまでという条件付きで彼を匿うことに。

 

電気は警察関係者からの暴力や自白強要という行為によって、精神が崩壊する一歩手前まで追い詰められていたからか、彼の中で次第に安心感が生まれ、心身共に回復していった。

そして、次第に電気の中では自身をここまで追い詰めた奴に復讐したいという感情が芽生え始めていたのだが、当の電気本人は何故自分がこんな感情を?と戸惑っていたのだが.....ふと、そんな時にかつてヴィランだった前世の記憶が脳裏を横切ったため、彼は前世の頃のように悪に染まるものかと思いつつも、この感情が暴走しないかと日に日に心配していくようになった。

 

そんなこんなで電気が耳郎の家に匿われてから何日か経った頃.....彼がリビングに向かおうとしていた時、どこからか電話をする声が聞こえてきたため、その声のする方に電気が向かうと

 

「あの......実はウチに逃走中の殺人犯が居るんです」

 

そこでは、耳郎の裏切りとも取れる会話がされていた。

電気は電話の相手が警察だとすぐさま察したのか、電話をしている彼女の方に向けて歩きながらこう言った。

 

「な、なぁ......なに、やってるんだよ」

 

その声を聞いた耳郎はヤバいという顔で電気の方を振り向くものの、時既に遅く....電気は友人に裏切られたというショックと絶望で染まった顔になっていた。

 

「かみ、なり.......」

「耳郎、お前なら俺のことを信じてくれると思ったのに.....どうしてなんだよ!!」

 

耳郎のことを本気で信用していた電気は縋り付くようにそう言った後、彼女の肩の激しく揺らした。

彼の顔には何故?と言わんばかりの表情になっていて、電気の様子を見た耳郎は目を逸らしながら彼に向けてこう言った。

 

「いや、その.....友達として、アンタがちゃんと罪に向き合えるようにって思ってさ」

 

その言葉を聞いた瞬間、電気は目を見開くと......友人にまで裏切られていたという事実に対し、誰も自分を信じてくれないのかという絶望の涙を流したかと思えば、彼の脳裏にとある記憶が流れ込んできた。

その記憶は彼の前世であるエレクトロがまだヴィランになる前の記憶だったのだが、一言で言えば電気会社で働いていた時に酷い扱いをされていたという記憶で、その記憶を見た電気は世界が変わっても社会の残酷さは変わらないと彼は理解した。

それがきっかけとなったのか、電気の顔は徐々に怒りで染まってきていて

 

「お前なんか.....友達でもなんでもねぇよ!!」

 

と吐き捨てた後、衝動的に彼女に向けて大量の電気を放った。

その結果、自身を裏切った耳郎は感電死という形で死亡するのだが........彼女を殺した電気本人はヒーローを目指していたはずの自分が人殺しという犯罪に手を染めたことに対し、ただただ呆然とした様子で床に座り込んだ。

 

やがて、その場に到着したヒーローによって電気は拘束された末に再び留置所に送られることになったが.....その時の彼らは知らなかった。

この出来事を機に一人の最悪なヴィランが誕生することを.....




ヒロアカって愉悦部的には結構土壌が整っている作品だよね。
だって、超人社会という名の闇深社会だし( ̄▽ ̄)

さて、次回はいよいよ上鳴くんが完全に闇堕ちします!!
果たして、ヒーロー達の運命はいかに!?
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