Dr.オクトパスin緑谷出久   作:サクラモッチー

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【前回のあらすじ】
ドクターオクトパス、AFOに脳無の改造にシンビオートを使用しないかと提案する。


宇宙産の毒

シンビオート。

それはかつて前世の世界のニューヨークにて、暴れまくったヴィランの一人....いや、一匹だ。

この生命体は普段はアメーバのような姿だが、彼らはいわゆる寄生生物。

つまり、シンビオートは誰かの体内に寄生することでその力を発揮する厄介な生命体だ。

 

それに加え、奴らに寄生された宿主は超人的な力を手に入れることが出来るが、シンビオート自体が知能が非常に高いためか、その宿主と寄生しているシンビオートの間で感情、衝動が一致した場合は強力な共生体に進化することが判明している。

まぁ、要は宿主の相性によってはヒーローorヴィランになる生命体。

それがシンビオートなのだ。

 

そんな危険な存在を脳無と呼ばれる生きる屍に寄生させた場合、どうなるのか。

答えは至って単純で

 

「ケケ....コイツハ良イ肉体ダナ」

「そりゃどうも」

 

シンビオートと脳無の肉体の相性は抜群だったのか、私の目の前にいる脳無はシンビオートのアーマーに包まれ、ついでに言えば人格すらシンビオートに乗っ取られた状態となっていた。

......まぁ、要は成功である。

正確に言えば、最高最悪な大成功と言った方がいいのかもしれない。

 

ちなみに、脳無に寄生したシンビオートのアーマーを見た死柄木弔と荼毘はスゲェ!!と言わんばかりの様子で興奮していたのに対し、前世の頃からシンビオートの存在を知っている禿鷲くんと上鳴くんはマジかという顔になっていた。

まぁ、寄生先が連続殺人鬼ではなかったのが不幸中の幸いだな。

 

「しかし....寄生先の肉体を強化する寄生生物が実在するとはな」

「あなた方が知らなくて当然ですよ。何せ、シンビオートの存在はヒドラカンパニーの中でもごくごく一部の人しか知らないのですから」

 

私がそう言った瞬間、納得したような顔になるヴィラン連合の面々。

 

そもそも、シンビオートと言う存在をヒドラカンパニーが南米で発見して以降、その研究のために医療機器の開発という名目で立ち上げたラボ....通称ライフにて研究が行われていた。

当たり前だが、そこでは非人道的な実験も行われていたが.....そのおかげでシンビオートに関するアレコレが把握できたので、結果オーライと言うべきだろう。

 

しかし、宇宙開発そっちのけでヒーロー活動に夢中になるとは....この世界が色んな意味で遅れていることは把握していたが、まさかここまでだったとはな。

そう思いながら、コーヒーを飲む私。

 

「しかし、そのごくごく一部の輩の一人にアンタが含まれているなんてな」

「私自身は研究にのめり込んでいただけなんですけどね」

 

死柄木弔の発言に対し、フッと笑いながらそう言う私。

 

私自身は別に特別なことはしていない。

ただ、前世での知識をこの世界で活用しているだけ。

それだけなのにも関わらず、シュミット社長やAFOはその知識の真の価値を理解した上で私の腕を買ってくれている。

技術者兼科学者である私にとって、これほどまでに嬉しいことはない。

ヴィランたるもの、利用できるものはトコトン利用しないとな。

 

そんな私を尻目に、脳無を生み出した張本人にしてマッドサイエンティストである氏子達磨はと言うと.....職業柄なのか興奮気味な様子でシンビオートを纏った脳無を見つめていた。

 

「あぁ、ワシの可愛い脳無が更に強化できるとは....こんなにも嬉しいことはないぞ!!」

「良かったな、ドクター」

 

うっとりとした表情で脳無を見つめる氏子博士に対し、そう声を掛ける死柄木弔。

それはAFOも同じだったようで....彼の肩に手を置くと、ニチャアと笑うとワクワクした顔でこう言った。

 

「しかも、今までにない()()()()()の開発もできた。まさに上出来じゃないか!!」

 

AFOがそう言うと、歪んだ笑みを浮かべる氏子博士。

.....念のために彼女の死体を彼に提供して正解だったな。

そう思いながら、AFOと氏子の方を見つめる私。

 

ヴィラン連合にとって、氏子博士は脳無の量産の鍵を握る重要人物だ。

そんな人物を興奮させるだけではなく、興奮させるとは.....流石はシンビオートだな。

 

後は、只今絶賛刑務所から脱走した末に逃亡中の彼に....リザードに接触出来ればいいのだが、今の状態では難しいので後々コンタクトすることにしよう。

彼の力は、ヴィラン連合にとって戦力増大に繋がるからな。

 

「....なぁエレクトロ」

「ん?何だ?」

「あの脳無の素材ってお前の同級生だった奴だろ?お前も中々悪い性格をしているんだな」

 

上鳴くんに対し、荼毘はニヤニヤ笑いながらそう言うと....当の彼はその言葉をハッと笑い飛ばした後、まるで前世の記憶に耽るようにこう言った。

 

「冤罪を信じて俺を売り飛ばそうとした奴だぞ?そんな奴、同級生でも何でもねぇよ」

 

そう言う上鳴くんの顔はヒーローではなくヴィランとしての表情になっており、それを聞いた荼毘はそれもそうだなと呟いた。

それは死柄木弔も同じだったようで....うんうんと頷いており、禿鷲くんは上鳴くんを慰めるように頭をポンポンを撫でていたが、その上鳴くんはガキ扱いするじゃねぇよ!!とプンスカ怒っていたので、その光景を見た私がクスリと笑ったのは言うまでもない。

 

「ケケケ.....コノ肉体ガアレバ、思ウ存分暴レラレル!!」

「らしいですよ、氏子博士」

 

私がそう言うと氏子博士はそいつはいいなと呟いた後、私に対してこれからよろしくとばかりに片手を差し出してきたので、私はその手を握り返す形で握手をした。

研究者同士、仲良くできるのなら仲良くするに越したことはない。

それに.......そろそろアレの話をしないとな。

 

「あぁ、そうだ。一つ言い忘れていましたが.......シンビオートは炎と高周波の音波が苦手です。なので、それだけはご注意してください」

「炎と高周波の音波か....とりあえず遺伝子操作で克服できるか試してみるわい」

 

私の言葉に対し、腕が鳴るぞと言わんばかりの様子でニヤッと笑いながらそう言う氏子博士。

その姿を見たAFOはこれから楽しくなりそうだねと呟いた。

 

これから楽しくなる....か。

確かにそれはそうかもしれない。

だが、楽しくなるのには変わりないが.........語弊があるとするならば、楽しい楽しいパーティーの時間が始まると言った方が良いのかもしれないな。

内心そうボヤいた後、私は氏子博士に向けて微笑みながらこう言った。

 

「もし、装備面で不備がありましたらいつでも私に相談してください。あ、もちろん。素材面でも....ね?」

 

そういうわけで、雄英高校の襲撃に関する準備は着々と進んでいくのだった。




【悲報】
シンビオート、脳無の肉体を手に入れる。
これぞ最悪なチートって奴だなぁ。

ちなみに、シンビオート専門の研究施設ことライフの元ネタはライフ財団です。
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