ドクターオクトパス、ヴィラン連合と共にUSJを襲撃する。
「ドクターオクトパス....だと!?」
私が現れた瞬間、その場を緊張感が包み込み.....まだ雄英に入学したての生徒達は目の前にヴィランが居ることに対し、分かりやすく動揺していた。
まぁ、何せ彼らはまだ孵化する手前のヒーローの卵。
戦うという選択肢どころか状況を理解できないまま、ワケが分からずに困惑するのも無理はない。
それに.....イレイザーヘッドや13号のあの反応から見て、私の名がヒーロー達の間で周知されつつあるのが分かっただけでも十分だ。
流石にアーム男と呼ばれ続けるのも癪だからな。
「先生、あのヴィランは一体....?」
露出度が高めな衣装を着た生徒....八百万百がイレイザーヘッドに対してそう尋ねると、彼はヒーロー活動の際に使うであろうゴーグルを装備したかと思えば、生徒に背を向けたままこう言った。
「.....奴の名はドクターオクトパス。数ヶ月前にD.C.社が輸送していたナノマシンをヴァルチャーと共に強奪し、ヒーロー達の命を奪ったヴィランの一人だ」
イレイザーヘッドがそう言った瞬間、一気にザワつく生徒達。
雄英生とは言え、本物のヴィランと遭遇することはまず無い。
それに加えて、イレイザーヘッドや13号の様子を見るに....自分達の前に現れた私には仲間がいないと思っているようだが、それは違う。
狩人と呼ばれる存在は....常に機会を伺っていることを少しは理解した方がいいんじゃないか?
そう思いながら、ニヤリと笑う私。
そんな私を見た一部の雄英生は何がおかしい!!という顔になっていたが、私は未熟で半熟な卵のような彼らに対し、声を上げて笑いながらこう言った。
「全く....お前達は本当は単純明快な単細胞だな」
「.........何だと?」
私の挑発にも近い言葉に対し、分かりやすくピクリと反応するイレイザーヘッド。
それは生徒達も同じだったのか、一部の生徒達は私の言葉に対して腹立たしげな顔になっていた。
ヒーローたるもの、これぐらいの挑発で怒るのなら....果たして君達にヒーローの素質はあるかどうかも怪しいな。
「あの時は装備の試作テストを兼ねて強奪を行なっただけ、ただそれだけだ。それに....実験に犠牲は付き物、だろう?」
「.....つまり、ナノマシン強奪事件の犠牲は仕方がないことだと言いたいのか?」
イレイザーヘッドはそう言った瞬間、ヒーローとしての矜持とプライドが私というヴィランを許さなかったようで.....私に対し、攻撃を仕掛けた。
けれども、私がその攻撃を喰らうことは無かった。
何故なら.....彼が私に対して行おうとした攻撃は、この場に現れた黒霧の中から出て来たワイバーン型の一体の脳無(シンビオート装備済み)によって、サウンドジャックの襲撃によって未遂に終わったため、私に攻撃が与えられることは無かった。
それと同時に、黒霧の中から現れたのは.....あの時と同じようにチタウリ産の技術を応用して作った空飛ぶ鋼鉄の羽を装備したヴァルチャーと、フルフェイス型のガスマスクと電気の力をフルに使える装備を見に纏ったエレクトロで
「なっ!?」
彼らが黒霧の中から出て来た瞬間、空中にてサウンドジャックの足に掴まれていたイレイザーヘッドは動揺し、何とか生徒の下へと帰還しようとしていた。
彼は、イレイザーヘッドは生徒を守ることだけを考えていた結果、黒霧のことを警戒することを忘れていた。
それこそが君の敗因だ、イレイザーヘッド。
だがまぁ....今そんなことをボヤいたところで、彼の耳には届きやしないがな。
「派手にやれ、サウンドジャック」
私がそうボヤいた瞬間、サウンドジャックは思いっきり階段下の地面にイレイザーヘッドを叩きつけたその直後に口を開くと
「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!」
彼に向けて、直接音波攻撃を喰らわせた。
....やはり、サウンドジャックの基となった素材が素材なだけに強力な個性だな。
そして、彼女を脳無として改造した上でシンビオートを寄生させたことにより、サウンドジャックの能力はさらに向上したということか。
中々に興味深い実験結果だな。
そう思いながら、音波攻撃を喰らった影響なのかクレーターの中心にて血だらけになっているイレイザーヘッドを見下ろす私達。
「お〜お〜、派手にやられてらぁ」
「まぁ、サウンドジャックの場合は元々の個性が割と強めな方だからこうなるのも無理はないよな〜」
音波攻撃をもろに喰らったイレイザーヘッドに対し、他人事のようにそう呟くヴァルチャーとエレクトロ。
ヴァルチャーはともかく.....今のエレクトロにとって、かつて所属していたクラスの担任が致命傷を負うことは他人事にも等しい出来事だからな。
そして、担任であるイレイザーヘッドが重傷を負ったことにショックを受けている雄英生に対し、我々が彼ら彼女らの方に近づくと....今度は13号が生徒達を守るように前に出て来た。
「生徒達には指一本触れさせません!!」
そう宣言する13号の姿はまさしくヒーローと言わんばかりの姿だったが.....私はその彼女の姿を見てフッと笑うと、こう呟いた。
「13号......あなたの個性は確かに強力であることには違いない。だが....それはあくまで災害時限定の個性だ」
「何を言って」
私の言葉に気を取られ、13号の警戒と注意が逸れた僅かな隙が生まれたその瞬間、私は隙を突いてカエル風の少女をアームで拘束すると、その少女を階段の下へと突き落とした。
「しまった!?」
13号は慌てて生徒を保護しようとするが、その少女はヴァルチャーの鉤爪部分に拘束されたことによって苦痛の声を上げ、逆に13号はエレクトロの襲撃に対処する時間を与えられることなく、彼の攻撃を喰らっていた。
「ヴィランたるもの、襲撃しないとその名が廃るだろ?」
そう吐き捨てた後、黒焦げになった13号を階段下へと蹴り飛ばすエレクトロ。
その光景を見ていた生徒達はジリジリと後退りをしていて、今にも逃げようとしていた。
ただし、中には爆豪くんのように我々に対して戦おうという意志を持った奴もいて
「テメェ....何様なんだよ!!」
そう叫んだ後、赤髪の少年と共に私に対して攻撃を仕掛けようとしていた。
猪突猛進で一心不乱なその態度、もし仮にお前達がヴィランだったら真っ先にスカウトしていただろうな。
ただ、彼らがヒーロー候補というのが惜しいところだが。
「死ねや!!クソヴィランがぁぁぁぁ!!」
ヴィランである私に対し、そう叫びながら私に襲い掛かろうとする爆豪くん。
しかし....その寸前で黒霧の個性によって散らされたため、二人の攻撃は通じる事は無かった。
無茶と勇猛果敢を履き違えるとは、天下の雄英生も堕ちたものだな。
少なくとも、前世の世界のヒーロー共の方がそこら辺のことは弁えていたがな。
「やれやれ、アレが雄英生ですか。聞いて呆れますね」
ワープゲートを開いた状態で呆れた様子でそう呟いた後、逃げようとしている雄英生達を覆い被さり、ワープさせるという形で雄英生達を全員を散らせる黒霧。
ワープゲート....か。
改めて見ると恐ろしい能力だな。
そう思いつつ、空中でヴァルチャーによって拘束されているカエル風の少女を見つめる私。
すると、ヴァルチャーはおもむろに鉤爪の拘束を解くと....案の定彼女は地上へと落ちていくが、意識を取り戻したイレイザーヘッドの特殊な布紐をクッションにする形で何とか助かっていた。
ほほぅ、アレにはあんな使い方があるとはな。
「さてと....後はお楽しみの時間ということだが、どうする?」
「どうするも何も、存分に楽しむに決まっているだろ?」
私の問いに対し、エレクトロはそう言った後....黒霧のワープゲートを経由してUSJ内のそれぞれのエリアへと移動していったのだった。
シニスターシックスって、MARVEL世界ではアレだけどもヒロアカ世界ではドチャクソ強い部類のヴィランだと作者は思ってます。
しかも、各々闇堕ちした理由が理由だから綺麗事にはめちゃくちゃうんざりしているし、何よりスパイディみたいなヒーローと戦いまくっているからヒロアカ世界のヒーローに物足りなさを感じてそうな予感。