ドクターオクトパス、派手に暴れる
さて、黒霧のワープゲート経由で転移した私だが.....肝心の転移場所は廃ビルが立ち並ぶエリアで、その廃ビルの中に転移した私は雄英生達を探し始めていた。
学生とはいえ、奴らはヒーローの卵。
一部の生徒達が襲いかかることは予想していたが....まさか想像通りに一直線に襲いかかってくるとはな。
彼ら彼女らは雄英に入学したばかりだからこそ、そうなるのも無理はないが.....そのおかげで攻撃パターンがある程度分かったことには感謝するとしよう。
.....だが
「かくれんぼをするにしては随分と大胆な隠れ方だな」
「....チッ!!」
爆豪くんの性格上、コソコソと隠れるのは癪に合わなかったのだろう。
今こうして目の前に立っていることは、我々から逃げも隠れもしないと受け取っていいのだな?
君達のその度胸だけは認めてやろう。
「テメェ....何が目的だ!!」
私に対し、すぐさま攻撃できるような構えを取りながらそう言う爆豪くん。
それは隣に居る赤髪の少年も同じようで.....私の方を向きながら個性を発動していた。
ふむ、見たところ彼の個性は体を硬化させるのに特化した能力だが、その個性を応用して防御と攻撃を兼ね備えているように見えるな。
攻撃に特化している爆豪くんの個性とは違って、オールラウンダーな個性とは.....中々に厄介そうだ。
しかし、彼らが厄介な敵と言うことは....私自身の暇つぶしには最適と言っても過言ではない。
さて、どうやって戦うべきか。
「我々の目的はあくまでオールマイトの殺害だ。お前達の命を潰すことはあくまで彼を呼び寄せる餌と言っても過言ではないな」
「「.....は?」」
ガスマスク越しに歪んだ笑みを浮かべながら私がそう言うと、案の定その言葉を聞いた爆豪くんと赤髪の少年の顔には、分かりやすく怒りの沸点が刺激されたような表情が浮かんだかと思えば
「.....オールマイトの殺害、だぁ?」
「そんなこと、させてたまるかよ!!」
彼らのヒーローとしての正義感が刺激されたのか、私に向けて勢いよく襲いかかって来た。
.....やはり、脳が筋肉で出来た単細胞共は厄介だな。
そう思いながら、彼らの攻撃を避ける私。
まず、初めに爆豪くんの腕をアームで掴んで振り払う形で壁に向けて投げ飛ばした後、次に襲いかかって来た赤髪の少年の腕をもう一本のアームでガッツリと掴んだ私は、ヨロヨロとコンクリートの床から立ち上がる爆豪くんに対し、アームを操作して個性によって硬化状態となっている赤髪の少年をぶつける形で攻撃した。
硬化状態の赤髪の少年越しの攻撃を喰らった爆豪くんは、血反吐を吐きながら再びコンクリートの壁に向かってふっ飛ばされ、さっき以上のダメージを負っていた。
一方、赤髪の少年の方はというと....自身が仲間を攻撃するための武器として使用されたことにかなりショックを受けていた。
.....あの雄英に入学したばかりとは言え、戦闘面や精神面がここまで弱いとはな。
私がそう思っていた時、自身がクラスメイトである爆豪を攻撃するための道具として扱われたくないと思ったのか、赤髪の少年はジタバタと暴れ始めていて、ご自慢の硬化の個性を使って私に向けて攻撃を仕掛けようとしていた。
「この....ヤロォ!!」
ただし、その攻撃はチタウリの技術を応用して作ったアームには通用しなかったがな。
「ふぅむ.....自身に不利な状況にも関わらず、諦めることも絶望することもせずにここまで対抗するとはな」
「ハッ!!俺はヒーローを目指してんだ。だから、ここで諦めるわけにはいかないだろ!!」
ヒーローを目指すからには絶望するわけにはいかない、か。
その心意気は実に立派であることには変わりないが........果たして、君の心の支柱となっている希望がどこまで耐えられるのかどうかが楽しみだな。
「何がおかしい!!」
「いや何....そんな夢物語を未だに信じている輩がいるとは思ってもいなかっただけだ」
私はそう言った後、何を言っているんだと言わんばかりの様子の赤髪の少年を盾にする形で、奇襲を仕掛けて来た爆豪くんの攻撃から身を守るのだった。
その瞬間、爆豪くんの攻撃があまりにも強すぎたのか....盾の代わりとなった赤髪の少年の顔は文字通りのボロボロの状態の状態となっていた。
「っ!?」
「おやおや、仲間に対して攻撃するとは.....君も随分と悪い奴だなぁ!!」
そう吐き捨てた後、再び彼を武器にする形で爆豪くんと戦う私。
あの赤髪の彼の個性.......意外と使い勝手が良いな。
そんなことを思っていた時、念のために耳に着けていた通信機に通信が入って来た。
『こちらヴァルチャー!!こちらヴァルチャー!!ムカつくイレイザーヘッドの目を潰してやったぜ!!ついでに言えば、サウンドジャックじゃない方の脳無の攻撃を喰らったのが原因で虫の息の状態になってるぞ!!』
「ほぉ、それは良いニュースですね」
『ただ、カエルっぽい女子生徒は逃がしちまったけどな』
ヴァルチャーから経由で雄英側の今の状況を知った私は、ニヤッと笑うと....そのまま通信相手であるヴァルチャーに対してこう言った。
「死柄木弔に伝えてください。生徒が一人逃げたということはオールマイトが来る確率が高くなると」
『了解!!』
私がそう言った瞬間、ほくそ笑むような様子でヴァルチャーは通信機越しに返答するのを聞いた私は、これから面白くなりそうだなと言わんばかりの顔になった後、赤髪の少年を腕を握っているアームの力を強めていき、苦痛の声を上げる彼を爆豪くんに見せつけていた。
当の爆豪くんは私に対し、尋常ではないレベルで腹立たしげな表情となっていたが、さっきの攻撃で私が赤髪の少年を盾にすることを学習したのか、一瞬の隙をついて私の背後に回って攻撃しようとしていた。
.....爆豪勝己、君の個性が強力なモノであることは認めよう。
だが、その個性に頼り切った末に傲慢な状態になっていては意味が無いのだよ。
「っ!?」
背後に回って来た爆豪くんに対し、アームを操作して頭を掴むと....そのアームは勢いよく彼の顔面を地面に叩きつけた。
しかもそれは一度だけではない。
何度も地面に叩きつけられたことにより、爆豪くんは赤髪の少年のようにズタボロの状態となっていて、私はそんな爆豪くんを再び壁に叩きつけた。
「ク、ソがぁ.......」
「馬鹿な奴ほど口数が減らないと言うのは本当だったみたいだな」
私がそう言った後、フラフラと立ち上がる爆豪くん。
....往生際が悪いとはまさにこのことなのだろうな。
なんてことを思いながら、エレクトロに通信に入れる私。
『は〜い、こちら刺激的なエレクトロで〜す』
「エレクトロ、そちらの状況は?」
『只今絶賛クラスメイトの八百万百と瀬呂範太とドンパチしてる最中....って言えば分かるか?』
「おや、それはそれで楽しそうですね」
そう言った後、再度襲いかかって来た爆豪くんの首元をアームで掴むと、そのまま外へと投げ出す私。
その光景を朦朧とした意識で見ていた赤髪の少年は爆豪....!!と呟いていたが、そんなことは私の知ったことではない。
『んで、そっちは?』
「今さっき時限式ダイナマイトボーイをぶっ飛ばしたところです」
『時限式ダイナマイトボーイw』
私の言葉に対し、思わず吹き出しそうな様子のエレクトロ。
だって、彼がダイナマイトボーイなのは事実だろう?
「あぁ、それともう一つ。念のために
『OK‼︎』
子供のようにケラケラ笑いつつ、エレクトロがそう答えた後....通信機越しに生徒達の悲鳴が聞こえたのは気のせいではないな。
エレクトロはエレクトロでこの状況を楽しんでいると言うことか。
....それでこそ、我々シニスターシックスの一員だな。
と、その時....その場にワープゲート状態の黒霧が現れると一言
「おやまぁ、これは派手にやりましたね」
アームに拘束されている息も絶え絶えな様子の赤髪の少年を、切島鋭児郎を見つめながらそう言った。
「それで?オールマイトは来たのですか?」
「えぇ、ですからあなたを迎えに来たのです」
なるほど....この場に黒霧が現れたと言うことは、ヴァルチャー・エレクトロ・荼毘達は既にある程度暴れたと言うことか。
そう思いながら、人質として赤髪の少年を連れてワープゲート内に入る私。
あぁ、オールマイト....この世界の平和の象徴であるお前にようやく会えると思うと楽しみで仕方ないのは、きっと私のヴィランとしての性分が原因だろうな。
「さぁて....彼の実力がどこまで脳無に通用するのかが楽しみだな」
ドクターオクトパス、かっちゃん&切島くん相手にMARVEL産ヴィランとして容赦なく攻撃するの巻。
ドックって過去が過去だから、自分自身と出久くんを重ねている節があります。
なので、巻き込まれた切島くんはアレだけれども....対かっちゃん戦では手加減Zeroで攻撃した模様。
なお、切島くんは何とか一命を取り留めたらしい。