ドクター・オクトパス、日本にてオール・フォー・ワンと死柄木弔に出会う。
私が日本に来てから数週間が経ち.....今の私はヒドラカンパニー日本支店のラボでとある研究をしていた。
このラボでは表向きは私の開発した動力炉、リアクターを小型化する研究が行われてていることになっているが、実際のところはヴィラン用の武器やら装備やら開発・研究するため施設であるため、業界内ではその存在を知らない者はいない。
基本的にこのラボにやって来るのは日本支店の社長や重役なのだが.......私がラボのリーダーとして赴任してきてからは、ヴィラン連合の関係者である死柄木弔がちょくちょく来るようになり
「へぇ、これがリアクターか」
今現在の彼はラボに置かれている大きな機械、リアクターを見つめながらそんなことを言っていた。
あの日以降、死柄木弔は徐々にだが私を信用するようになったのか......ラボに訪れては私の作業をジッと見つめるようになった。
まぁ、私としては別に作業に支障はないから特には気にしてはいないがな。
「こんなモノを小さくすることなんて出来るのか?」
「理論上は不可能ではありません。ただ、今の現状ではまだ試作段階ですけどね」
そう言った後、試作品のアークリアクターを死柄木弔に手渡す私。
当の死柄木弔自身はそれをジッと見つめたかと思えば、スゲェと呟いていた。
理論上は可能ではあるとはいえ、ここまでのことをひらめいた末に実行するとは......やはり、トニー・スタークの頭脳は侮れないな。
そう思いつつ、コーヒーを飲みながらデスクに戻る私。
「それで?俺の専用の装備はどんな具合だ?」
「一言で言えばフィフティーフィフティー、というところですね」
私はそう言った後、オートメーション化された機械によって作られている死柄木弔の装備を指差すと.......彼はその装備を見て一言
「......凄く俺好みな見た目だな」
と言った後、そのオートメーション化された機械のあるガラス張りの部屋を見つめていた。
どうやら、彼はあの装備を気に入ったようだ。
「と言うか、フィフティーフィフティーって何だよ」
「半分完成していて半分未完成、ということですよ」
私の言葉に対し、分かりやすく首を傾げる死柄木弔。
そんな彼の反応を見た私は装備の完成具合について,分かりやすくこう説明した。
「この装備はあなたの個性.....『崩壊』に耐え切れる素材をふんだんに使っているから、ある程度は耐え切れることは想定されています。ですが」
「ですが?」
「それだけでは装備として成り立たないので自己再生型ナノマシンを組み込もうとしたところ、その自己再生型ナノマシンが手に入りにくくなっているので現段階での完成度がフィフティーフィフティーなんです」
この世界ではヒーローのサポートという名目で様々な技術が発達している。
だが......その反面、その技術を独占しようとする輩がうじゃうじゃ居るという面もあるためか、よく特定の技術を手に入れようと水面下での争いが勃発する。
......その争いによって、皺寄せが我々技術者がくることになるとは知らずに。
やはり、どこの世界でも醜い争いは起きるモノだな。
「.....なんでそのナノマシンが手に入りにくいんだよ」
「いわゆる、他社の技術力に嫉妬した輩が技術を盗んだ末に我が物として独占している.....と言えば分かりますか?」
私がそう言うと、思わずマジかと声を漏らす死柄木弔。
しっかし.....このままだと死柄木弔の装備品が完成しないままの状態になってしまう。
やはり、私が例の会社からナノマシンを強奪するしかないか。
.......ん?
「おいドック、どうかしたのか?」
「......そうか、奴もこの世界に居るのか」
そう呟いた後、スマホ越しにとある男に電話する私。
電話の相手は義爛という裏社会屈指のブローカーで、時々シュミット社長にも良い情報を卸しているらしい。
もちろん、ヴィラン連合とも良い関係性なのだとか。
「あ、もしもし。オクタヴィアスです。あなたに少しだけ調べてほしいことがあるのでお願いしたいのですが......」
電話相手である義爛に対し、そう言う私。
一方の義爛は私の言いたいことを大体理解したのか
『調べ物をするのは朝飯前だが、一体誰を調べればいいのかを教えてくれ』
と言った。
.....義爛は中立の立場を保ってはいるものの、ヴィラン連合からしてみれば奴は貴重な情報源であり、貴重な装備品を支給するサポーターでもある存在。
今はヴィラン連合の存在がヒーローに認知されていないとはいえ、後々戦いを始めるのなら彼の力が必要になるのは確実だろう。
ひょっとすれば、後々ヴィラン連合が義爛を我が物とする......という未来も予想は出来るが、今はそんなことはどうでもいい。
「かつて再生型ナノマシンを生産していた会社.....禿鷲工業について調べてほしいのです」
今はナノマシンのことを、彼がこの世界に居るかどうかを確かめなければ......
『禿鷲工業.......あぁ、大企業に自社の技術を盗まれたっていうあの会社か』
「えぇ、そのことで色々と調べてほしいのです」
私がそう言うと義爛は何となく私の言いたいことを察したのか......はぁとため息を吐いたかと思えばこう言った。
『.....まぁ、アンタの頼みを断ればヒドラカンパニーの社長が激怒するのは目に見えているからな。とりあえず調べてみてやるよ』
「助かります」
そう言った後、電話を切る私。
......これで良い。
後は彼の場所が分かり次第に協力を仰ぎ、ナノマシンを強奪する。
そうすれば、死柄木弔の装備を完成させることができる。
となると....今やるべきことはナノマシンの保管場所の把握、だな。
「.....ドック、お前何をするつもりだ?」
「何って、ヴィランらしくナノマシンを強奪しようかと思いまして」
死柄木弔に対し、デスクに戻りつつそう言う私。
一方、その言葉の言い出しっぺである死柄木弔はピクッと反応したかと思えば、面白そうだと言わんばかりの顔をしていた。
......君ならそう言う顔をすると思ったよ。
でも、これはあくまで私の仕事。
君の手を煩わせるワケにはいかない。
「一応言っておきますが......今回は彼とのコンタクトと協力が取れ次第、実行しようと思っていますのでそこはご了承ください」
私がそう言うと、渋々納得する死柄木弔。
そんな彼に対し、私は強奪したナノマシンを使って君にピッタリな最高の装備をプレゼントすると言ったところ、彼の機嫌はすぐに治った。
やれやれ、こういうところは子供だな。
そう思いながら、死柄木弔の分のコーヒーを入れる私。
「コーヒー、飲みますか?」
「.....ミルクと砂糖はあるか?」
「もちろん」
......私がこの世界に転生したのなら、彼だって何かしらの形でこの世界にいるはず。
この確信に信憑性があるかどうかは分からんが、試す価値はありそうだな。
「あなた、意外と子供なんですね」
「......そういうお前はガキのくせに大人なんだな」
次回、MARVELからとあるヴィランが参戦!!するかも?