ドクターオクトパス、禿鷲瑛人ことヴァルチャーを仲間にする。
さて、禿鷲くんことヴァルチャーを仲間に引き入れた私は、彼と共に自己再生型ナノマシンを強奪するために、シュミット社長が手配した高性能ステルス機に乗っていた。
何故、ステルス機に乗っていたのかというと.....そのナノマシンが輸送機で運ばれていたからである。
というのも、禿鷲工業から自己再生型ナノマシンの技術を奪った例の会社......彼の稼業を廃業へと追いやった大企業は、何とそのナノマシンを諸外国へ売り捌こうとしていることが発覚。
そのことに対して当然ながらヴァルチャーは大激怒し、俄然やる気を出すという結果に繋がった。
そのおかげで、我々はナノマシンの強奪に踏み切れたわけなのだ。
「陽動は私がする。ヴァルチャー、お前はその隙にナノマシンを奪え。いいな?」
「んなことは言わなくても分かってるよ」
私の言葉に対し、ヒドラカンパニー特製の金属製の羽を装備しながらそう言うヴァルチャー。
ちなみに、一応あの頃と同じような緑のスーツを提案してみたものの.....本人はそっちよりもこっちの方がクールだという理由でチタウリの技術を応用した金属製の羽の装備を選んでいた。
そして、先陣を切るように私はステルス機から飛び降りると.....輸送機の操縦席の窓をアームで掴む形で着地した。
一方、その輸送機のパイロット達は私の襲来を予知していなかったのか軽くパニック状態になっていた。
彼らには申し訳ないと思うが......これは彼の、死柄木弔の装備を作るための尊い犠牲だと思って受け入れるんだな。
「何だ!?」
「アイツは.....アメリカで暴れていたヴィラン、アーム男か!?」
......アーム男、だと?
そのニックネームは好きではない。
何せ、センスも捻りも無い単純明快な名前だからな。
私にはちゃんとしたヴィラン名があるというのに......実に嘆かわしいことだ。
そう思いながら私は一本のアームを使用して窓を壊した後、操縦席を覗くような形でこう言った。
「失礼だな。私にはちゃんとドクター・オクトパスという名があるのだぞ?」
私がそう言うと、思わず震え上がるような表情になるパイロット達。
......奴らを観ていると私がニューヨークでヴィランをしていたあの頃を、前世の頃を思い出す。
だからこそ、私の顔に笑みが溢れているのかもしれないな。
そう思っている私と怯えているパイロット達を尻目に、ヴァルチャーからこんな通信が入った。
『こちらヴァルチャー、お前特製のお助けアイテムのおかげで無事に輸送機に突入した。例のアレを頼む』
「了解!!」
私はヴァルチャーの通信に対してそう言うと、救助を要請しようとしているパイロットの一人が手に持っていた通信機を破壊すると
「君達、もうちょっと私と世間話をしないか?」
「「ヒィッ!?」」
怯えるパイロット達を尻目にそう言った。
ちょうどその時.........例のアレこと小型強力ドローンを輸送機内に潜り込むと、そのままナノマシンが入った金属製の箱を次々とステルス機の中に運び始めていた。
その様子を見た私の口角はますます上がり、パイロット達もまたますます震え上がっていた。
『ドック、こっちの作業はほぼほぼ完了だ』
「そうか、なら撤退を......ん?」
すぐさま撤退準備をしようとしていた私だったが、ふと視線を別方向に向けると......そこには空を飛行するヒーロー達の姿を発見した。
なるほど、どうやら予めこういう準備をしていたみたいだな。
だが、これは逆に好都合だ。
「ヴァルチャー、こっちにヒーロー達が向かって来ている。リハビリがてらに戦ってみてはどうだ?」
『へぇ、そいつはいいな』
私の言葉に対し、ヴァルチャーはそう答えた後.......輸送機から飛び出すと空中に置いていた金属製の羽を再び装備すると、ヒーロー達に襲いかかった。
それを見た私もまたアームを使って輸送機の上へと飛び乗ると、戦闘機に乗る形でこちらに近づいてくる一人のヒーローに襲い掛かり、輸送機の上でそのまま戦闘を開始した。
一方、攻撃を喰らったヒーロー達は戸惑いつつも私達をヴィランだと認識したようで、必死に抵抗しようとした。
やれやれ、少しは耐えてくれよ。
「クソッ!!何なんだお前は!?」
「私はドクター・オクトパス。ドック・オクと呼んでも構わない」
私は自己紹介をするようにそう言うとヒーローは何言ってんだコイツ的な顔になった後、私にパンチを喰らわせようとした。
最も、その攻撃は私のアームに受け止められるという形で終わったようだが。
当のヒーローは諦めずに攻撃を仕掛けまくるが..........私はその攻撃を避け続けては隙を突いて攻撃をする、ということを繰り返していた。
このヒーロー、さては経験が浅い方のヒーローだな?
どうりで大雑把な戦い方なワケだな。
「貴様.....何が目的でこんなことを!!」
「頼まれている仕事を進めるため、だな」
私がそう言うのと同時に空中から輸送機の中に落ちたのは......ヴァルチャーと戦っていたはずの他のヒーロー達で、ヴァルチャー本人は私が戦っているヒーローの背後に降りると、獲物を狙うハゲワシのような笑顔を浮かべていた。
そのヴァルチャーの姿を見たヒーローは彼の笑みに一瞬怯えつつも私のアームを振り払い、今度はヴァルチャーに襲いかかったが......逆にヴァルチャーの鉤爪部分に捕まってしまい、彼は文字通り宙ぶらりんな状態となっていた。
あぁ、こういう姿のことを無様と呼ぶのだろうな。
彼のことを見つめながら、そう思う私。
「は、離せ!!」
「そのうち離してやるよ。そのうちな」
そう言った後、まるで遊ぶかのようにヒーローを鉤爪で掴んだり離したりという行為を繰り返していき、そのたびに金属製の羽での体当たりを繰り返していた。
......久々に暴れている割には前世の頃と変わらないようなこの戦いぶり、流石はヴァルチャーだな。
と、感心している様子でヴァルチャーを見つめていた時
「後は任せるぜ、ドック」
彼はニヤッと笑いながらそう言った後、鉤爪で掴んでいてはずのヒーローの足を離すと.....その言葉の意味を理解した私はアームでヒーローの首を掴んだ。
私のアームによって首を掴まれたヒーローは自身の運命を悟ったのか、彼はヒーローという肩書きには似合わない程に暴れ始めていた。
その姿を見た私は、アームを使って彼の首を徐々に締め上げながらこう言った。
「君、ヒーローじゃなくて咬ませ犬に転職したらいいんじゃないか?」
私がそう言った瞬間、アームを使ってヒーローの首を一気に締め上げると......彼はあっという間に動かなくなった。
つまりは事実上の死である。
ヒーローの死を確認した私は、ヒーローだったものを同じくヒーローの死体が落ちている輸送機の内へ入れた後、目的地に向かっているであろうパイロット達に向けてこう言った。
「それでは、良い空の旅を」
呆然としているパイロット達を尻目に、私はヴァルチャーと共にナノマシンが詰め込まれたステルス機へと帰還した。
やれやれ、これで一仕事を終えたな。
「で、どうだい?ナノマシンを奪還した気分は?」
「そんなの決まってるだろ......最高だ!!」
私の言葉に対し、嬉しそうにそう言うヴァルチャー。
そして、自己再生型ナノマシンの方を見つめると
「後はお前のお勤め先がアイツらを抹殺するのを待つだけだな」
これで会社を復活させることが出来る!!と喜びを爆発させていた。
「しっかし.....何だよこの世界のヒーロー達は!!あのクモ野郎よりも弱いじゃねぇか!!」
「それは私も思った」
この世界のヒーローの質が徐々に落ちていることは聞いていたが......まさか、こうも質が落ちているとはな。
「......地位と名声を求めた結果、ヒーローとしての本質が失われつつあるというわけか」
そんなことを呟きつつ、拠点へと戻る私達。
その後、私は持ち帰ったナノマシンを使って無事に死柄木弔専用の装備を完成させると、すぐさま彼に対してその装備をプレゼントした。
なお、プレゼントされた当の死柄木弔本人はめちゃくちゃ喜んでいたのは言うまでもない。
ドクター・オクトパスとヴァルチャー、大暴れするの巻!!
ちなみに、ヴァルチャーの装備はMCU版ヴァルチャーの格好をしています。