Dr.オクトパスin緑谷出久   作:サクラモッチー

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【前回のあらすじ】
ドクターオクトパス、ヴァルチャーと共にナノマシンを奪うついでにヒーローを倒す


悪役は嗤う

私とヴァルチャーがナノマシンを奪い、そしてヒーローを倒した後.......世間は輸送機を襲ったヴィランである私達の話題で持ちきりだった。

そりゃそうだろう。

何せ、どこからともなくやって来たヴィラン達によって何人ものヒーローの命が奪われたのだ。

そうなるのも無理はないな。

 

そう思いながら、私のデスク内にあるテレビを見つめる私。

テレビには、私達が起こした輸送機襲撃事件に関するニュースが流れており

 

『先日未明、二人組のヴィランによる輸送機襲撃によって三名のヒーローの尊い命を奪われた事件が発生しました。生存者の一人であるパイロットによれば、襲撃した二人のヴィランはドクターオクトパスとヴァルチャーと名乗っており、彼らの目的は輸送途中だったD.C.社の新型ナノマシンの強奪であることが判明しました』

 

とある女性アナウンサーが淡々と原稿を読み上げつつ、その事実を告げていた。

私と禿鷲くん、そしてたまたまラボに訪れていた死柄木弔はジッとそのニュース映像を見つめつつ、私特製サンドイッチ(ピーナッツバター&ブルーベリージャム)を食べていた。

 

『また、この新型ナノマシンに関しては元々は禿鷲工業が生産していたことが発覚し、D.C.社がその技術を盗んだのではないか?という疑惑が浮上しており.......』

 

「ハッ!!聞いたかドック!!あのマスゴミ共がついに俺の言っていたことを認めたぞ!!」

 

女性アナウンサーの言葉に対し、嬉しそうな様子でそう言う禿鷲くん。

その顔には亡くなってしまった両親の仇を取った!!という感情が出ており、それを見た私もまたニヤリと笑っていた。

 

.....この様子だと、D.C.社が失墜するのも時間の問題だな。

まぁ、そもそも他の会社の大事な大事な技術を盗む時点でその運命は決定していたようなもの。

同情の余地などはない。

 

それに......ネット上では禿鷲くんの主張を認めなかったメディア等を非難するコメントで溢れかえっているからこそ、マスコミ達はその火消しのためにこんなことをしているのだろうな。

そう思いながらサンドイッチを食べ終わった後、コーヒーを飲む私。

 

そんな私達に対し、死柄木弔はサンドイッチを食べながらこう言った。

 

「......ドック、お前本当に無個性なのか?」

「えぇ、私は正真正銘の無個性の方の人間です。ついでに言えば禿鷲くんも私と同じく無個性ですよ」

 

私がそう言うと、フーンと呟いたかと思えばミルクと砂糖たっぷりのコーヒーを飲む死柄木弔。

その顔には無関心なふりをしつつも凄いと言わんばかりの感情が漏れており、それを見た私はそういうのも悪くないなと思ったのはここだけの話だがな。

 

「ところで.........私がプレゼントした装備を試し心地はどうでしたか?」

 

私がそう尋ねると死柄木弔は手に持っていたサンドイッチを食べた後、それを砂糖・ミルクマシマシコーヒーで一気に流し込むと

 

「さいぃぃぃっこうにクールだった!!」

 

まるで子供のようにキラキラと輝く瞳をしながら、そう叫んだ。

 

「何なんだよあの装備は!!ダメージを喰らったかと思えば全然痛くねぇし、何よりその分個性の威力も段違いだ!!アンタ、本当に天才だよ!!」

 

私に対し、興奮気味に装備を使った感想をこれでもかと伝える死柄木弔。

今回、彼のために私が自己再生型ナノマシンを組み込む形で完成させた装備は敵からのダメージを無効化するのに加えて、そのダメージを個性発動時の火力に変換する能力になっているため、彼がお気に入るのも無理はないな。

 

しかも、彼の表情から見て装備の機動テストも上手くいった様子であることも分かる。

つまり、彼専用の装備の開発は成功したのである。

オール・フォー・ワンはこの技術を応用すればヒーロー陣営に損害を与えることが出来る!!と嬉々とした様子で喜んでおり、この技術が今後役立つのは間違いないのだろうな。

 

「つーかこのサンドイッチ美味いな!!おかわりってあるのか!!」

「あるにはありますが.....そんなに気に入ったのなら何よりです」

 

そう言った後、サンドイッチが乗っている皿を死柄木弔に手渡す私。

彼の様子を見た禿鷲くんは呆れたような表情になっていたが......彼のことを可愛い奴だなと思ったのか、わしゃわしゃと頭を撫でていた。

 

「ちょっ!?いきなり何だよ!!」

「別に〜」

「『別に〜』で俺の頭を撫でる理由にすんなよ!!」

 

そんな会話をした後、ワチャワチャワイワイも盛り上がる禿鷲くんと死柄木弔。

そういえば、前世の彼にも家族がいたらしいが......家族に関する詳しい話は聞いていないな。

恐らくは会社を追い出された際に何かあったのは間違いないな。

 

そんなことを心の中で呟きつつ、再びテレビを見つめる私。

テレビの画面には女性キャスターと共にヴィランに関する専門家である男性が映っており

 

『そもそも、ヴィランの行動には様々なパターンがあります。例えば自己顕示パターンや復讐鬼パターン、昨今増えている無敵の人パターン......彼らはその傾向で言うならば、自己顕示パターンの可能性が.....』

 

とか何とか見当外れなことを言っていたためなのか......禿鷲くんはコイツ馬鹿だなと呟き、死柄木弔に至ってはあの男の目は節穴なのか?と吐き捨てていた。

 

.......奴らは我々のことを、ヴィランのことを真の意味で理解していない。

と言うよりかは、この世界は私と禿鷲くんが生きた世界でのヴィランの定義が違うのだろうな。

 

「我々はどちらかと言えば、仕事のためにヴィランとして活動をしていますからね」

「そうそう、俺達は必要悪だからな」

 

そんなことを口々に言った後、ニヤッと笑う私達。

それを見た死柄木弔はポカーンとしつつも私達のイカれ具合を気に入ったのか.....ケラケラと笑いながらこう言った。

 

「アンタら......本当に面白いな!!」

 

誰よりもイカれている奴にイかれた奴扱いされる、か。

ヴィランとしては悪くはない気分だな。

もし、彼みたいな悪党がスパイディと戦った場合は間違いなく全ヒーローの敵として認知され、それこそサノスと戦った時のように総力戦になるのは間違いないだろうな。

 

まぁ.....それはそれ、これはこれ、とりあえずは今のことに集中しなくては。

 

「あなたも結構面白いタイプの人間ですけどね」

「それは俺も思った」

「ハハッ!!そいつは嬉しいなぁ!!」

 

私と禿鷲くんの言葉に対し、そう言う死柄木弔。

 

.....死柄木弔と私は似ている。

夢や憧れをとことん否定された末に悪に堕ち、そして今に至る。

これのどこが似ていないと言うのだ?

 

それに.....我々を生み出したのはこの歪んだ社会そのもの。

ならば、私もそのヴィランとしてなすべきことをやるまでだ。

 

「そういや、もうすぐ雄英の連中がここに見学に来るって言うのは本当か?」

 

私から手渡されたコーヒーを飲みながら、そう尋ねる禿鷲くん。

その言葉に対し、私はその言葉にニヤッと笑った後.....こう言った。

 

「事実と言えば事実ですよ。それが何か?」

 

その言葉を発した後、コーヒーを飲む私を見た禿鷲くんと死柄木弔はお互いに顔を見合わせると、私と同じようにニヤッと笑っていた。

ただし、その顔にはヴィランとして笑みが出ていたがな。

 

「オイオイ.....お前、さては確信犯だな?」

「そこは策士と呼んでください」

 

そう言いながら、再び笑顔を浮かべる私。

その笑顔を見た禿鷲くんはお前らしいなと呟いた。

 

一方、死柄木弔はというと

 

「雄英の見学先が俺達のようなヴィランの味方をしている会社.....か、中々面白そうじゃねぇか」

 

こっちもこっちでケケケと笑いながらそんなことを言った。

 

「てか、何でまた雄英生の見学ツアーなんて許可したんだ?」

 

禿鷲くんの言葉に対し、私は彼の方を振り向くと......こう答えた。

 

「私の幼馴染にしてイジメっ子だった輩がその雄英に所属している、と言ったら分かりますか?」

 

コーヒーをコップに注ぐ私のその言葉を聞いた二人は、なるほどという感じで納得した様子で私の方を見つめていた。

死柄木弔に至ってはそいつ本当に幼馴染か?という顔になっていたが.......そんなことはどうでも良い。

 

もうすぐ......もうすぐ、緑谷出久の幼馴染という皮を被った暴君がやって来る。

彼がこの私を見た時、どんな反応をするのは分からないが.....

 

「爆豪勝己......君と会えるのがとても楽しみだ.............」




ドクターオクトパスって生い立ちが壮絶だから、きっと死柄木弔と気が合いそうな予感......!!
あと、D.C.社の元ネタはマーベル作品に登場する組織......損害統制局ことD.O.D.C.です!!
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