あと、雄英生の中にシニスターシックスのメンバーと思われる転生者が居ることを悟る。
なお、今回はちょっとだけ投稿時間が早めです。
「ヒドラカンパニーのラボでは主に貴金属の研究や新素材の開発、後は治すのが難しい病気に効くお薬作りなどなどを行っているが、このラボではさっき紹介したリアクターの小型化したモノ.....アークリアクターの開発をメインに行っているんだ」
爆豪くんとの再会や雄英生との出会いから数分後.....雄英生と共にラボ内を紹介しつつ歩きながらそう言った後、アークリアクターの開発室の前で立ち止まる私。
その開発室では今まさに開発されているアークリアクターの姿があり、それを見た雄英生達が興奮したのは言うまでもない。
というか、こういう見学で興奮しない輩がこの世に居ないわけが無いしな。
そんな雄英生達を尻目に、爆豪くんはポケットに手を突っ込みながらもガラス壁の向こうで行われているアークリアクターの開発をジッと見ていて、どことなく不機嫌な顔になっていた。
......恐らく、出来損ないと思っていた幼馴染が社会的に高いポジションに就いていることに対して、イラつきに近い感情を抱いているのだろうな。
まぁ、彼の感情など知ったことではないが。
そう思いながら、雄英生の案内を続ける私。
「あの!!何故リアクターを小型化するのですか!!」
ちょうどその時、ラボ内を歩く私に対してそう質問するとある生徒。
その生徒は女子生徒ではあったが......誰がどう見てもお嬢様な雰囲気を出していたため、彼女がどこかの令嬢であることも察した私は歩いていた足を止めた後、その生徒の方に振り向くとこう言った。
「そうだね......このリアクターは元々ラボ専用のエネルギー源として開発したんだけども、シュミット社長はこのリアクターがあれば世界の常識を変えるという技術の革新を信じていてね、その可能性を証明するために小型化に挑戦しているというわけなのさ」
私は女子生徒に向けてそう説明すると、その生徒は納得した様子になったかと思えば......即座にメモを書き始めた。
君、さては真面目系お嬢様だな?
一生懸命メモを取っている彼女に対し、そう思っていると......誰にも聞き取れないような声で呟く爆豪くんの言葉が耳に入った。
「.....くだらねぇな」
......爆豪勝己、君は悪い意味であの頃から変わらないな。
君がそういう態度を取るのなら、こっちにも考えはある。
君が力でねじ伏せるのなら.....私も君をねじ伏せてやろう。
前世での人生やアメリカで培ったジョークや皮肉という手段でな。
「あぁ、一つ言い忘れていたけど.....このアークリアクターはパラジウム1.6gと永久磁石にコイル、ゲルマニウム・シリコン・鉛等の熱電変換材料。そして水素ガスがあれば誰でも作れる代物なんだよ。多分、かっちゃんでも作れると思うよ」
そう言った後、爆豪くんに向けてニコッと笑う私。
その瞬間、その場にいた雄英生達はそんな3分クッキングのレシピみたいな感覚で言うな!!的な表情になっていた。
当の爆豪くんは私に煽られると思っていなかったのか、ポカーンとした顔になっていたが.....その数秒後に同級生達からイジられた時、彼は私が皮肉を言ったのだと理解したのか、その顔を真っ赤にしていた。
どうやら、爆豪くんは今の今までこういう経験がなかったみたいだな。
だが......これも社会経験のうちだと思って受け入れろ。
何せ、今のこの状況は私にとても有利だからな。
「さてと、次は貴金属の研究エリアに向かうけど.....君達、トイレとかは大丈夫?」
私がそう言うと大丈夫!!と言う声がチラホラ聞こえてきたのを尻目に、私は金髪で稲妻のメッシュが入った少年の近くに近づくと
「久しぶりだな、エレクトロ」
その耳元にて、周りに聞こえないほどの小声でそう囁いた。
一方、私の声を聞いた少年はビックリとしたような顔になるが......私はそんなことを気にすることなく、彼ら・彼女らに向けてこう言った。
「それじゃあ、貴金属の研究エリアに向かうとしようかな」
そう言った後、雄英生と教師陣を引き連れて貴金属の研究を行っているエリアに向かう私。
その移動の途中、生徒達は私のことをガチの天才だの凄いだの口々に言っていて、私はその言葉を聞き流しつつ貴金属のエリアへと移動した。
「ここは貴金属の研究をメインに行っているエリアでね、主に宇宙からもたらされた金属......レアメタル等の研究を行っている場所でね、ヒーローの装備の強化を目標にしているんだよ」
目を輝かせている雄英生達に向けて、あるモノを持ちながらそう言う私。
それはいわゆるヴィブラニウムと呼ばれる金属を加工したモノで、凄いと言わんばかりの顔をしている雄英生達とは裏腹に、それを見たあの女子生徒は目の色を一瞬で変えていた。
「それって.....もしかしてヴィブラニウムですか!?」
「大正解!!君、よく勉強しているね」
私がそう言うと、案の定照れる女子生徒。
そんな女子生徒を見た雄英生達は八百万さん凄い!!と彼女を褒め称えていて、その様子を見たのが原因なのか.....爆豪くんがますますイライラし始めていた。
全く、この程度でイラつくとは....彼もまだまだ子供だな。
と言っている私自身もまだ子供だけどな。
「このヴィブラニウムという金属はダイアモンド並みの強度と硬度なのに対して限りなく軽く、そして加工しやすいのが特徴の金属なんだ。あとヴィブラニウムにはウラニウム以上のエネルギーも秘めているという性質上、周囲の環境に影響を与えるといった力もあるんだよ」
そう言った後、私赤髪の少年に対してヴィブラニウム製のアイテムを手渡すと.....彼はスッゲェ軽い!!と興奮した様子で叫んでいて、他の生徒達は羨ましそうに見つめていた。
この世界において、ヴィブラニウムは謎という名のベールに包まれた貴金属の一つとして認知されている。
最も、この世界にはワガンダのような一大産地は無いのだが欠点なのだがな。
「例えば、ヴィブラニウムが発見された土地に生えていたこのハーブは肉体を強化する物質が検出されていてね、今は実証実験中だが.....将来的にはこのハーブの物質を人工的に再現することを目標にしているんだ」
私は研究所内にあるハーブを見せながら説明したところ、お嬢様な雄英生はそんな貴重なモノを見せてくれるなんて.....と感動していて、他の雄英生達もまた目を輝かせていた。
一部の生徒達から合法ハーブ?という声が聞こえたのは気のせいだろう。
「ただ.....さっきも言った通り、このヴィブラニウムという金属は隕石由来の金属だからこそとても貴重でね、ここにあるモノだけでも値段的には億は超えると思うよ」
私がそう言うと、途端に石のように固まる生徒達。
ヴィブラニウム製のアイテムを持っていた赤髪の生徒に至っては壊しちゃいけないと思ったのか.....ガッチガチになっていた。
そんなに緊張しなくても良いのだが......まぁ良いだろう。
少しぐらいは脅しておいた方が彼ら・彼女らのためになるからな。
「.....ということは、もしどこかの国でヴィブラニウムが発見された場合は」
「間違いなく、その国はオーバーテクノロジー並みの技術を手に入れるだろうね」
ニコッと笑いながらそう言うと、科学ってスゲェ!!という反応になる生徒達。
そして、質問してきた女子生徒はそんなに凄いモノを所有しているヒドラカンパニーに対してその凄さを実感したのか、ギュッと手を握っていた。
うん、分かるよ。
私も前世の頃にヴィブラニウムの存在を知った時は腰を抜かした程だからな。
それ程までにヴィブラニウムは核よりも厄介なモノなのだが....今のところ、ワガンダのようにヴィブラニウムの恩恵を受けている国は発見されていない。
だが、念のために警戒しておいて損はないな。
「さてと、それじゃあ次は再生医療のエリアに向かおうか」
でもまぁ、まずはこの見学ツアーを優先させないと。
「.......」
(.......デク)
本作の出久くんは中身がドクターオクトパスなので、皮肉とかアメリカンジョークとかは結構言う方だと思う。
そしてディスられる爆豪くん。
あと、ヒロアカ世界にもヴィブラニウム的な金属はフツーにあると信じたい!!